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コーポレートブランディング#2「ロゴ篇」

新井です。デザイナーとして昨年独立し、前回「設立した会社の社名を考えた話」を書きました。今回は社名「Neru」のロゴデザインの話。

こんなロゴが作りたい

・Neruのコンセプト「練る」を表現している
・モーションロゴにしやすい
・シンプルだが、シンプル過ぎない

デザイン事務所(特にデジタル系)のロゴは、既存フォントを基本にしたシンプルなものが多い。おそらくは、様々なクライアントに対応するために、会社のブランディング自体はプレーンにするのだろう。

Neruも認知度が高ければそうしたいが、実績も、オフィスも、社員も何も無い(夢と希望はある)ため、シンプルすぎないロゴにしたいと思った。

まずは、わーっと手を動かす

ロゴを作るときは、第一段階としては余り考え過ぎず、なんとなく思いつくままラフを作ってみる。

「練る」を表現するために、もやもやと考えている形や、Neruの文字自体を練っているようなデザインを試す。この段階では、どこかしっくりこない。そこで第二段階。

理想から考えてみる

一旦「Neruにふさわしいロゴ」という考えを忘れ「どんなロゴが理想か」を考え直してみる。頭に浮かんだのがluteのロゴ。

「このロゴ最近良く見る」。luteは音楽レーベルであることを知る前に、ロゴを認知していた。シンプルだがとても印象に残る。色を変えたり、バリエーションがあったりと、自由な使い方をしているのも現代的だ。調べてみると代表の方のインタビューが見つかった。

ブランド価値を高めるうえで一番大きなアクションだと僕らが考えているのが、「ロゴの伝播」だからです。luteのロゴを見てもらえたら、言葉では表せなくても、「ああ、あの感じluteっぽいよね」ってなったらベスト。

参照:https://www.cinra.net/interview/gyoukairetsuden/vol11-igarashihirohiko

ロゴの伝播。なるほど。

条件を追加する

・Neruのコンセプト「練る」を表現している
・モーションロゴにしやすい
・シンプルだが、シンプル過ぎない
・Macに貼ってもらえるようなデザインにする

ロゴを伝播するために「他人にステッカーを渡して貼りたくなるロゴ」を目指して再考した。ビジョンが明確になったところで、第三段階。

現実と理想をすり合わせる

「文字」だけではステッカーにしづらい。「枠」つけよう。そう考えて、四角い枠を付けただけのロゴをまず制作。そこから練るイメージを加えていき、「円形の枠を練る」案に行き着いた。

これなら「練る」表現もされており、ステッカーにもしやすい。正方形に近くマークとしても使いやすい。全ての条件を満たしている。方向性が決まったので、最後の第四段階。

ひたすら微調整

凸凹の数と深さを検討し、「練る」感が一番でているバランスのものを採用。「手を使って練る」という意味も込め、凹凸は指の数である10にした。(というコンセプトは完成形を見た、同僚のデザイナーが後付けしてくれた。)

書体は検討の末、DIN Nextをもとにした。ロゴとして印象を強め、メリハリをつけるため、TMの表記を追加。さらに僕は「縦横比が切りの良い整数になることで快感を得るタイプのデザイナー」なので、3:1の比率で調整。

ようやく完成

枠とテキストを合わせ、バランスを最終調整して完成。枠と文字は完全な中央合わせにした。(文字をほんの少し枠の中心からずらして、安定させるかどうか最後まで悩んだ。)

考え始めてから完成までおよそ2週間ほど。ネーミングの3ヶ月と比べると遥かにスムーズにできた。

モーションロゴもつくる

動きのイメージも制作。ステッカーにしやすいように付けた枠が、回転する役割も担ってくれた。

ステッカー

ステッカーも制作。配った何人かがその場で、Macに貼ってくれたのが狙いどおりで嬉しかった。常に持ち歩いているので、新井に合ったら差し上げます。

次は名刺つくらなきゃ…。


*ロゴ、CIの制作などあれば、ぜひご連絡ください。