Encraft #9 QA Enablement - Practical Test Design - 参加
ごあいさつ
こんにちは。IT業界のはしっこでQAをしている、しらみともうします。
突然ですがみなさん推し活ってしてますか?
私、プライベートでは育児と仕事だけで手いっぱいで、あんまり好きなものを作らないようにしてるんですが、最近…できちゃったんです…箱推しできるQAチームさんが。
それは株式会社ナレッジワークのQAチームさん。今回はそのQAチームさん主催のイベントに参加してきたので、感想などまとめたいと思います!
箱推しとは
箱推しって何だろう?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
私は言葉を雰囲気で使ってしまうので、念のためGoogle先生お伺いしてみました(↓)。私もこちらの意味でしっくりきてるので、こういうことなのね、と思って頂ければと思います。
箱押しのきっかけ
箱推しはわかったところで、何で推してるの?って気にして下さった方もいらっしゃるかもしれません。私がナレッジワークQAチームさん箱推しに至った経緯はこちらになります!
マネージャー岡崎さんに、ずっとキャリア相談をしてもらってた
WACATEで知り合った友人いーのさん(好き)が転職してた
QAの心の師・河野さんが転職した
「この人すごいなー」「この人好きだなー」と思ってた岡崎さんといーのさんが同じチームになったと聞いた時点で「え、いい…!」だったのに、河野さんから「俺はナレッジワークに決めたよ。」と伺い「こりゃ、すごいことになるぞ…!!」と胸が昂ったのを覚えております。そこから箱推しするようになりました。
イベント詳細
Encraft は、株式会社ナレッジワークさんが主催する勉強会で、今回で9回目の開催になります!
今回は「QA Enablement - Practical Test Design -」をテーマに、テスト分析やテスト設計について、ナレッジワークQAチームさんでの取り組みや参加者のお悩み相談にパネリスト&モデレーターさんが対談形式でお答えするという内容でした。
今回のイベント、とにもかくにもパネリストの方々が豪華です!
ASTERの秋山さん
トヨタ自動車の井芹さん
株式会社ベリサーブの朱峰さん
お一人でもJaSSTの基調講演や招待講演されていそうな方が一度に三人も。
そしてモデレーターは河野さん。
私は当日オフライン会場で前から三列目に座ってたんですが、パネリスト&モデレータ席をみながら「あのエリア、空気が濃い…!」と圧倒されてました。
TestDesignDocの事例紹介
イベントは、ナレッジワークQAチームのぐんちゃさんによるナレッジワークQAチームでのテスト分析&テスト設計「TestDesignDoc」の事例紹介からスタート!
(ぐんちゃさんは、WACATE2023夏BPP賞に輝いたQAエンジニアさん。12月に開催されるWACATE2023冬ではBPPセッション登壇予定です!)
ナレッジワークQAチームさんでは、当初テスト分析にマインドマップを利用していましたが
自由度が高すぎて、レビューの説明やキャッチアップのコストがかかる
成果物管理のバラツキが出てしまう(利用中の自社サービス「ナレッジワーク」とマインドマップツールが連携できない)
などの課題から、テストプロセス整備と同時に「TestDesignDoc」というテスト分析と設計を1ページのGoogleスプレットシートドキュメントにまとめる形に変更したそう。詳細はぐんちゃさんのブログにて(↓)
「マインドマップは自由度が高すぎて、キャッチアップのコストがかかる」は、すごく身に覚えがあります。マインドマップは全体を視覚化しやすく
、ブランチに書かれた言葉が脳を刺激してくれるのでテスト観点を広げて考えることにとても適してると思います。一方で、作成した人の思考や視点によってクセがでやすく、さらに構造化が苦手な人(私)だと、違うブランチの先に似たようなテスト観点がぶらさがってアララ~💦な状況になることも。
すごく良いテスト観点を生み出す可能性も高いのですが、作成とレビューのコストは確かにかかるよなぁ…と思いました。
TestDesignDocでは、作成者がかならず書くべき大項目(以下4点)を整理するそうです。
テストベース
テスト対象の分析
テスト設計仕様
テストケース
また大項目には「この項目にはこんな情報を書いてね。」のガイドをつけているそう。例えば「テスト設計仕様」のガイドとして、バグが出やすいテスト観点をまとめた「要注意観点」があるそうです。
よく組織内で「テスト観点一覧」をまとめたけど、量が多くなりすぎて運用時にテストケースが爆発したり、メンテナンスが大変と聞くことがあります。チラっと画面に映ったTestDesignDocの「要注意観点」はそこまで爆発していなかったので、開発プロセスやドメイン知識やバグ傾向などのコンテキストがきちんと整理された上で、「どんな情報がほしいのか?」を突き詰め、有用なもののみ残してるんだろうなぁと感じました。
(たぶん、そのあたりの整備を一緒に考えずに「テスト観点一覧」だけ作ってしまうと爆発しやすそう…)
TestDesignDocの事例紹介を聞いてて感じたのは、QAグループさんのこれまでの取り組みの上での困りごとを、きちんとふりかえり(言語化)した上で作られた取り組みなんだなぁということ。
たまに、プロセスやドキュメントの標準化そのものが先行してしまい、現場とかみ合ってないパターンも見受けられるので、改善の好例ってこういうのか~~と、とても学びになりました。
パネルディスカッション
いよいよパネルディスカッションです!
パネルディスカッションでは、事前に参加者から集められた質問を5こにグルーピングしパネリストの方々が意見や議論を展開するという構成でした。
ここからは、質問をまとめた5つのグループの中で印象に残ったパネリストの方のお話と、自分の感想になります。
①テスト分析・テスト設計が重すぎる問題
テスト分析やテスト設計に時間や工数がかかりすぎて困るよー、VSTePやHAYST法などを現場に適用すると重すぎるよー、アジャイル開発のスピード感についていけないよーというお悩みを集めたコーナー。
わかる…。
特にテスト分析、想像以上に時間かかるんですよね…。
TestDesignDocの大項目のように「これを考えてくださいね」ってガイドがないと、テスト分析でのテスト観点が爆発して収集つかなくなることってよくある気がします。
で、テスト分析技法とかも参考にするんですが、作成するドキュメントやプロセスが意外と多くて「こ、これを短期案件でやるの……ム、ムリ………」と力尽きちゃうことも。
これに対しパネリストの方々からは、開発成果物が終わってから一気に作ると重くなってしまうから、開発と並行してテスト分析やテスト設計するといいよというアドバイスがありました。
また工数が足りない時、テスト分析やテスト設計で重要なところを見極めるために、開発者に「3H(変化したところ、初めてやったところ、久しぶりにいじったところ)」を質問するといいよ、というアドバイスが印象に残りました。これは次回の案件で使ってみるぞ!
②テストがどこまでできてるか不安問題
「自分たちの100点を決める。」
パネリスト朱峰さんが発言し、モデレーター河野さんが広げたこの言葉が(私の中では)優勝…!
そう…!テストは全部やりたくてもできないんです…!!全部やりたいと思っていたらリリースまでの時間かテスターの体力かが尽きるだけなんですよね…!!まさに現在進行形で作業量で殴ろうとしてる自分には突き刺さるお言葉でした。
③ナレッジ化どうやるの?問題
ちょっとブログに書いていいか私では判断しかねる発言があったので、ぜひ公式レポートから当日のアーカイブ動画をご覧ください!
鳩が豆鉄砲くらったような河野さんが見れておすすめです!
④組織的な運用がうまくいかない問題
標準化っていつから、どの規模になったらやれば?というお悩みに、標準化をちょっと神格化しすぎてない?という問いかけがパネリストの方からありました。
いいものがあって、それが結果として「標準化」や「テンプレート」になるのは良いことというコメントも。
聞いてて、ようは現場で役だってるかどうかが大事なのかな?と思いました。これまでの現場でも、重厚な品質に関する資料を数か月かけて作ったけど現場からあまり参照されてなかったり、古いテンプレートがメンテされず化石化してたりというのを見てきました。
標準化は、これから挑戦したい分野でもあるので、いろいろ注意しないとなと気が引き締まりました。
⑤スキルアップどうやるの問題
モデレーターの河野さんより、「ジュニアQAの人が、実行や設計からレベルアップするには?」という問いかけがありました。それに対しパネリストのみなさんからは
朱峰さん「WACATEに行こう。他社QAの人と議論しよう。」
秋山さん「テスト対象を好きになろう。興味を持とう。」
井芹さん「ユーザーが喜ぶ品質を理解しよう。アーキテクチャやシステム設計の知識を学ぼう。」
と、バラエティに富んだアドバイスが。ちょうど似たようなお悩みを抱えてたお友だちと参加してたので、彼の参考になるといいなぁと思いながら聞いていました。
パネルディスカッションは、全体的にモデレーターの河野さんの進行とコメントがスパっと切れ味よく聞いてて心地よいのと、秋山さんがときどき爆弾発言を投下して、会場が我慢しきれず大笑いするやら、パネリストの方々もヒヤヒヤするやらと、久しぶりにオフラインイベントの空気感をいっぱい味わえました!
いやー楽しかった!
楽しかったし、パネリストの方々やモデレーター河野さんの熱量を感じられて、やっぱりオフラインっていいなぁと感じました。
懇親会
懇親会では、ふだんSNSでお見かけする方々と少しだけお話できました。(最初は勇気が出ず二の足ふんでいたのですが、しずかさんに最初のごあいさつ先まで連れて行っていただきました!感謝!)
お手伝いしている JaSST nano お世話係 のみなさんにも会えたし、パネリストの秋山さんも初めてリアルでごあいさつできて嬉しかったです。
帰りがけエレベーターで、Autifyの末村さんに名刺交換お願いしました。「え、今!?」と少しあせる末村さんに、私も緊張ぶりかえし、思ったことがつい口からすべってもーた…!ご笑納頂いた末村さんの対応力に感謝!
あの方やこの方などお話してみたい方がすごく多かった…!次回チャンスがあれば、勇気をふりしぼるぞ!(憧れの女性テスターさんの後ろ姿を拝んで満足してる自分からも卒業したい。)
終わりに
ブログのきっかけ
私は、アウトプットがとてもとても苦手です。ただお仕事でもう一歩、キャリアでもう一歩、先へ進むためには質はともかくまずアウトプットできるようにならねばと感じています。
そう思っていたところへ、ある方のポストが目に留まりました。
個人的な意見、想い、体験…それなら推し活の勢いで書けるんじゃなかろうか。とにかく、このアウトプットできてない状態から一歩ふみだしたいぞー!と、Kazuさんのツイート何度も見返しつつブログをかきました。
Kazuさんありがとうございます!
最後に
岡崎さん、いーのさん、ぐんちゃさん、河野さん、ナレッジワークのみなさん、QA勉強会開催ありがとうございました!今回のテーマは自分自身も、周囲のQAのみなさんも悩み深いところだと思うので、ナレッジワークQAチームさんの取り組みや、パネリストのみなさんの視点や考え方はすごく学びになりました!
なんと!当日の資料やアーカイブ配信が公開されております!気になる方、見返したい方は以下からどうぞ!
https://twitter.com/tetsuayakouno/status/1732928205655593306?s=46&t=Sd7nvxKlFxPVSvh3fAIOKQ
ナレッジワークさんでは、シリーズBで45億円の資金調達し今後3年かけて10このプロダクトを展開されるそうです。スキルや経験多彩なQAメンバーと、自社プロダクトのQAにチャレンジしたい方にはすごく魅力的なチームさんじゃないでしょうか👀
ご興味もった方、カジュアル面談は以下からどうぞ!
ここまでお読み頂いてありがとうございました🙌
ではでは!