太陽の鐘のお話。
太陽の鐘というのはご存知でしょうか?
太陽の塔は聞いたことあるかと思います。岡本太郎が大阪万博のときに作った作品ですね。あの顔がついた塔です。
今回は太陽の鐘のお話。
1999年まで、静岡県のレジャー施設に設置されていたそうで、閉園後はどこに行ったかというと・・・
2018年に、僕の地元の群馬県前橋市に移設されてました!
ということで、群馬に帰ったついでに、ちょっと立ち寄ってみました。
え・・・なんだか、わかりませんね。
あ!あの顔が見れました!
裏は、こんな感じ
場所は、前橋市中心市街地にある美術館アーツ前橋より北に300m、広瀬川にぶつかるところの一角に設置されています。
この一角、写真の通り植栽がもさもさとしていて全貌がわかりません。鐘があるのかもパッと見ではわかりませんね。
鐘が設置されている場所は地面が盛り上がっていて、その周りを樹木や地被植物で覆われているといった感じです。
この一角は、建築家の藤本壮介さんがデザインしています。
鐘の近くまで行くアプローチは、こんな感じ、遠くの方に鐘があるのが見えますか?
このアプローチは少し蛇行した傾斜になっています。一応街の中にあるのですが、植栽がもさもさしていて、森の中を歩いているみたい。
太陽の鐘がもさもさした植栽によって外部から見づらくなっていることは、実は意図してデザインされたものです。
植栽によって視線を遮り、外部と遮断することで太陽の鐘と対峙する空間を作っています。また時間経過によって太陽の鐘が植栽で覆われることで、まるではるか昔からこの場所にあったように感じるようにデザインされているそうです。
鐘をつくための突き棒があるのですが、この突き棒がとても長い!24mもあるそうです。
手前が鐘で写真奥にずーっと伸びているのが24mの突き棒
太陽の鐘=岡本太郎の精神 に対峙し、鐘をつくためには通常のものをはるかに超えた撞木が必要とのこと・・・
ぜひともついてみたいところですが、普通の日には太陽の鐘はつけません。
年越しの際に除夜の鐘としてつけるそうです。どんな音が鳴るのでしょうか?気になりますね。
建築の用語でシークエンスというものがあります。空間の繋がりや連続性についての言葉ですが、例えば神社などで神さまのところにたどり着くまでにアプローチをクランクさせたり、鳥居をくぐらせたり、階段を上らせることで参拝者の気持ちを高揚させるような空間の連続性をシークエンスと言います。
太陽の鐘のあるこんな小さな一角にも、植栽で外部の視線を遮ったり、アプローチを蛇行させたり、鐘のある場所まで傾斜させたり、シークエンスを考えて空間がデザインされているのがわかりますね。さすが建築家の仕事です。
アーツ前橋にお越しの際は、ちょっと足を伸ばして、太陽の鐘もぜひ見てみてください。
ついでに建築をやっている方は、そのまま中央通りに向かうと長坂常さんがやったお菓子屋さん、中村竜治さんがやったパスタ店、髙濱史子さんがやった海鮮丼のお店が見れます。
僕は、お菓子やさんでふわふわわぬきというものを食べました。
あんまり美味しそうに撮れませんでした。ごめんなさい。
名前の通り、ふわふわで美味しいお菓子でした。手のひらサイズの小さなお菓子なので、ちょっと立ち寄っておやつに食べてみてもいいかもしれませんね。
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