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【COL】勝たざること⛰️の如し '24

はじめに結論から。

この球団を今年観る事は苦行と同義です。

かといって、球団じゃなく○○選手を追っかけるなら~~とかもそんなにありません。

私ですら、今年も下部組織の観戦がメインになりそうです。

ですので、大半の方はここでnote閉じて大丈夫です。

何故ならこの後、その理由を長々と、長々と、本当に長々と、散文的に書き記すだけですから。

それでもお読みになるのであれば、このnoteにまとまりは求めないでください。え?いつもまとまってないじゃんって?それは申し訳ございませんでした。

それでは地獄のような事実の指摘に入ります。
いつもは2000字縛りしてるのですが、本記事は文字数無制限とします。


■去年と今年でどう変わったのか

まず今年の COL は、30球団で最も敗けると予測されています。Fangraphs によると99敗。プレーオフ進出は驚異の0.0%。WSHが0.2%、あれだけファンが悲観してるOAKですら2.5%。彼らより下かつ、一ミリの望みもないと言われいます。そしてそれが私のようなファンの感性と一致する状況。

あれだけ長期契約たくさん持っておいて、0.0%の年があるなんて普通は許されません。

ただ、ファンに言わせれば、今年の勝率は問題ではありません。今年コンテンダーで無い事は前々から明らかでしたから。

お?ってことは引き続き再建頑張っちゃうんでしょ?MLBってそういうのあるって聞いたよ?みたいに思われたかもしれませんが、再建も全然進まなそうなんです。ここが大問題。

その理由を確認する為に、簡易に去年を振り返ります。

雑にまとめると、去年のムーブには概ね合理性がありました。

クアーズフィールドという地の利を生かして、経験あるバットマンを安めに集めてスタッツに色付けて売る。もしくはクアーズなのに頑張ってて環境変えれば跳ねそうなリリーフを売る。そして彼らを若手やキャッシュと交換する。

このチームがやる再建手法としては王道なはずです。前GMはこういう事が全然出来なかったのですが、今のGMは堅実に打者として Cron、Moustakas、Grichukを、投手として Pierce Johnson と Brad Hand を売る事に成功。

獲った時から転売狙いだよね、と分かる選手が売れたわけですから、これは喜ぶべきでした。

ただこの時から不安だったのが、売る相手があまりに偏ってる事。

Cron、Moustakas、Grichuk と打者は全員 LAA へ

Pierce Johnson と Brad Hand はともに ATL へ

他球団見てても、確かにトレード相手は偏りがちですが、現GMは無能通り越して謀反人レベルの大罪人だった前GMをクビにした際に、内部から昇格しそのままGMになった経緯があります。

そのため、初めのうちは顔も知られておらずコネクションが少ないだろうと思われた彼が、ATL 相手に売り抜けたのは素晴らしいのですが、もう一方の "大谷をケガ人を抱えてPSへ引くに引けなかった(後に決死の撤退戦を演じた)LAA" という、錯乱状態にあって稀有なほど売りやすい相手な点は「来年も同じように売るのは無理なGMでは」と感じさせるものでした。

しかし事態は今年、この想像を実証できないほど悪化します。

皆さんは、MLBの抱える放映権問題をご存知でしょうか。

簡単に言うと、各球団が契約しているケーブルテレビ局の一社が破産申請、もう一社は野球の放映権を丸ごと手放し、20球団近い球団の放映権が宙に浮いたのです。

様々な裁判や買い手の登場により、一旦は沈静化したのですが、実は COL の場合、手放された放映権をどこも買ってくれ無かったので、MLB本体がその権限を継承し、HPでコロラド州のファンにストリーミングを販売し始めたのです。

つまり、去年まではある程度決まった額が放映権として入ってきたので予算が組みやすかったのですが、今年はいくら入るか不透明で予算が組みにくい状態になっています。(余談ですが、FA市場の鈍化もBoras云々より本質はここだと指摘されています)

ん?でもさっきあなたは安く買ってきて売るって言ったじゃないですか??ミッドサイズマーケットなんだから、Pay Roll 三桁いってるの知ってますよ??さっさと転売要員獲ってきなさい!!そう思われた方もいらっしゃるでしょう。

ですが、今の彼らにそれは出来ません。

これを見てください。

https://www.fangraphs.com/roster-resource/payroll/rockies

上でも触れたのですが、彼らは今長期契約をこれだけ抱えているのです。

Q. 弱いのに?
A. はいそうです。いつ来るか分からないコンテンド期に備えて、長期契約を連発しています。弱いのに。

で、表の通り、今年2024年が一番きつく支払いはMAXの状態で、かといってこの中にトレードへ出せそうな選手は、バリューがないという悪い意味で存在しません。

実は球場の客入りだけは上々なこの球団ですが、それを以てしても長期契約を連発し、放映権が不透明な現状では、転売要員を雇う余裕が無いという状態になっています。また、上述の通り、仮に獲得出来たとしても、新米GMが上手く売り抜けるかは疑問という三重苦。

はい、なので再建も全然進まなそうなんです。

辛いですねー。なんでしょうねこれ。調子乗って長期契約の連発さえなければもっと動けたのに。ATLの真似するだけで強くなれるとでも思ったんでしょうか。

まあ、そう嘆いても野球は続いていきますので、少しでも前を向くために、次は現有戦力について考えてみます。

■現有戦力を見定める

この項目でもはじめに断っておきます。

たまーに「COLってボチボチ若手が出てくるんでしょう=コンテンド期が近づいてくるんでしょう」という見解をみかけるのですが、残念なことに見当違いです。

おそらく去年出た公式のプロスペクトランキングTOP100に"久々に"四名登場したからでしょうが、そもそも四名掲載されるって特別な事ではありません。今までが異常で、たまたまそういう順番が回ってきたにすぎません。

また、去年載った四名の現状は以下で、他球団と比べても普通です。普通。

Tovar → 手堅い守備型物件をビッグリーグに定着させる。
Veen → 手術で仕切り直し。今年はTop100圏外に。
Amador → ランキングは68位から28位にジャンプアップ。ETA 2025
Romo → マイナーで出場機会は得ているが今年はTOP100圏外

ちなみに今年のTOP100にも四名が掲載されています。彼らが順当に定着すれば、その言説に近づくかもしれませんが、現時点では Projection WAR の低さが生んだゲイン効果により、プロスペクトランキングによって将来が実態以上に眩しくなっているだけで、現在も短期的未来も普通に暗め、というのが正確な見解でしょう。

前置きが長くなりましたが、開幕ロースターの一部選手に、その期待値をラベリングし、コメントを付け足していきます。

投手

Kyle Freeland
期待値 : コア
コメント:
正直言って、コアを呼ぶにはギリギリ足りていない成績で推移していますが、長期契約を結んだ先発陣の中でまともに稼働しているが彼くらいなのも事実。デンバーネイティブの彼が元気なうちにもう一度くらいはポストシーズンにいきたいものです。

Cal Quantrill
期待値 : 売り物
コメント:
かつての姿は認識していたのと、長期契約結んだSPが二人もケガしてしまったので、トレード時は大いに喜びました。しかも対価に Huff という、薄い捕手デプスを差し出したこともあって、一方的に期待値はうなぎのぼり。しかしSTの登板をすべて見た今はそのパフォーマンスに絶望しています。球速にかつての面影は見えず、変化のコマンドも粗いまま。もともとゴロPが求められがちなチームには珍しいタイプを選んだと思っていたのですが、今はただただ打ちやすいボールを打ちやすいゾーンに投げている状態。ハッキリ言って離脱されると試合ができないほどSPが枯渇しているものの、思えば所属球団ごとに違う顔を見せていた投手であり、かつ今のパフォーマンスを続けるのは彼の為にもよくないので、いい話があれば積極的に放出すべきと考えます。

Austin Gomber
期待値 : 売り物
コメント :
手っ取り早く活躍するにはリリーフなタイプですが、今は彼にもイニング食ってもらわないとシーズンが走れないという状態。毎オフに試行錯誤してはSTで失敗して元に戻るというのを繰り返しているので、メイクアップはあるが環境が悪い可能性もあると思い、いい話があれば積極的に放出すべきと考えます。

Ryan Feltner
期待値 : コア
コメント : 
実は期待しています。投げ方も良くSPしても球速が95-6マイル出ますし、変化も縦横どちらもいけるので、今年一年はしっかりローテで回って経験積んでほしいですね。何より顔が良い。

Dakota Hudson
期待値 : 売り物
コメント : 
STの内容を端的に言うと、思ったより良かったです。外旋深い感じの投げ方は健在で、投げ方全体のダイナミクスも保たれていました。ただ、困ったら縦変化を連発しているの見るに、COLが仕込みたがるカッターだのツーシだのはアンチシナジーに見えます。かといって今のままではSPとしては一歩足りないので、適正ある球団からいい話があれば積極的に放出すべきと考えます。

Peter Lambert
期待値 : ロースター
コメント : 
本来は先発の子で、リリーフに回しても出力が上がったりもしていませんので、リリーバーとしては持て余すはず。ただSPがボロボロなのですぐにSPの機会が訪れる事でしょう。コアの期待値を持つのは難しいですが、彼がいないとシーズン完走すら怪しい現状、投手運用は彼におんぶに抱っことなるでしょう。

Justin Lawrence
期待値 : 売り物
コメント : 
今のブルペンで最も場面を選ばない多彩なバリエーション。変化の縦横は勿論、一定の球威がある速球系を高低に入れられるサイドハンダーは要らない球団が無いと言えるでしょう。MSL 1 年超過のみながら29歳と比較的高齢かつオプションがありません。見返りが低年齢であれば、ポジションに関わらず転売して良しと考えます。

Victor Vodnik
期待値 : ロースター
コメント : 
ST でソリッドだった新顔の一人。想像よりコマンドが良く、狙って空振りを取るような組み立てにも知性を感じました。リリーフタイプであることは明らかなので転売まで行ければ最高ですが、まずはロースターに定着してほしいなと。

その他の RP はすべて売れるタイミングで売ってよいと思います。Nick Mears や Jalen Beeks はそのために取ってるんだと思いますので。あとは Rule 5 でとった Anthony Molina をどこまで我慢するかは見もの。個人的には谷間でお試しSPもアリ。

野手

Kris Bryant
期待値 : ロースター
コメント : 
普通に考えたらコアを期待するのですがもうそれは難しいことは明らかです。オフの不快発言も、かねがね私が指摘してきたパーソナリティの問題が露呈しただけで、絶望はしませんでした。ただ、一シーズンでいいから活躍してほしく、そしてそれは一歳でも若いほうが確率上がるわけですから、今年働いてください。それ以降は余計なことを話さなければ、なにも望みません。

Nolan Jones
期待値 : コア
コメント : 
昨年の飛躍、本当に素晴らしかったです。もはやなぜ放出されたなんて野暮は言いません。心から来てくれてありがとうという気持ち。打撃だけでなく外野守備でも貢献する姿は本当に最高です。かつSTをみていても、去年がマグレ感もなく、去年より無駄が削がれた心象すら与えてくれました。性格もサッパリしててチームメイト評判も素晴らしく、できる事なら長期契約を結びたい。そう思っています。

Brendan Rodgers
期待値 : コア or 売り物
コメント : 
圧倒的な2B守備とソリッドな打撃はコアに相応しいのですが、定期的に全く異なる部位をケガするのが玉に瑕。昨年は Edward Cabrera とのトレードトークがあったとのリークも。個人的には残って欲しいのですが、対価が妥当であれば放出もやむなしとは感じています。

Ryan McMahon
期待値 : コア
コメント : 
かつての2B守備問題児も、今や3Bで前任者をかき消すほどの守備力を発揮。ライバルは多いですが一度はゴールドグラバーに輝いてほしいものです。あと毎年言ってますが、キャリアで一度でもいいから OPS .8 載せてください。載せたことありますよ風はもうなしで。

Ezequiel Tovar
期待値 : ロースター
コメント : 
まず、長期契約の締結おめでとうございます。ずっと言ってますが Tovar の将来像は Nick Ahrmed だと思ってます。キャリアの中で一度か二度はWAR3をクリアし、ゴールドグラバーになり、それ以外の年は2前後で十分及第点と感じます。パワーとアプローチがビッグリーグに来てから粗くなってるのは心配ですが、AA ではもっと知的だったとみんな知ってるので、焦らず本来の打撃を取り戻せばよいでしょう。

Brenton Doyle
期待値 : ロースター
コメント : 
以前noteで触れましたが、「守備良し打撃粗すぎ」がAAA時代の結論だったので、その両方が別々の意味で伸びた事には驚きました。守備での大躍進は想像を超えており、今後も強力な武器となるはず。他方飽きるほどすると指摘した三振は想像以上に増えました。当てに行くよりはマシですが、守備の知性を少しだけ打撃にもこぼしてほしいなと。

Elehuris Montero
期待値 : ロースター
コメント: 
粗い印象はないが気づいたら三振と長打が積み重なっている不思議な成績に収束しがちなパワーバット。コンタクトスキルは低くないので、長打以外を狙う場面が増えるといいなと。守備位置がほぼ1Bな彼を転売することも、コアにすることも容易ではないですが、ロースター止まりより上を目指すポテンシャルはあると思ってます。

■最後に数少ない見どころを

ここまでボロカスに書きましたが、一個だけこのチームのいいところを共有します。それは守備力です。

Fangraphs によると Def 指標は MLB の中で5位に位置します。

上の選手欄でも守備に触れましたが、数値で見ると特に以下の五人はすごいです。(DRS/UZR/OAA)

Brenton Doyle (CF) 19/24.5/15
Ryan McMahon (3B) 17/7.1/11
Ezequiel Tovar (SS) 13/2.4/16
Nolan Jones (LF) 9/6.0/-1
Brendan Rodgers (2B※) 21/7.6/4
※去年はケガにつき22年をサンプルに

Doyle と Jones に関しては ARM もそれぞれ 10.7 と 4.9 と優れているのも魅力。その送球で度々 Savant を騒がせました。

ドアマット中のドアマットチームが、MLBトップクラスの守備力を誇るという事実は、如何に守備力が三次的なアイテムであり、野球とはまず投手、次に長打かを示唆しているのは皮肉ですが、それでも試合を軽く観ているだけでも守備力の高さは感じ取ってもらえると思います。

観る機会なんぞない、そんな価値もないチームと書きましたが、もし目に入ってしまったら、是非カチコチの守備力に注目して楽しんでいただけたら幸いです。

と、なんだかんだファンらしい布教めいた言葉をもって、開幕前noteの締めとさせていただきます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。



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