16球団構想、検証してみた (前編) #16VD
(✿✪‿✪。)ノコンチャ♡
プロ野球ファンなら一度は耳にしたことのある「16球団構想」興味がある方も多いと思います。
構想自体はもう10年近く前からあり、ウィルス社会になる前は経済界の重要人物から球界関係者まで口にし始め、具体的な都市名や参入企業も取りざたされていました。
経済が立て直される前提はありますが、右肩上がりだったプロ野球界の需要を考えると、いずれは実現されるだろうと思っています。
実現について、私たちファンは見守るしかありません。その日が来ることを心より楽しみにしたいと思います。
そうは言っても実現するとしたらどんな感じになるのか?そう考えてしまうのがファン心理というもの。
という事で、仮想16球団構想として興味のあるファンを集い #16VD というイベントを開催していますが、今回はこのイベントをした事で確認された16球団構想のポイントをまとめたいと思います。
松中信彦氏の提唱する16球団構想にも触れていますので、イベントのnoteも是非ご確認ください!
選手の分配
新規に参入する4球団が、既存の12球団とそれなりに渡り合える戦力である必要があります。弱くてはスポーツとしての魅力が損なわれるためです。
ただし、日本国内で最もレベルの高いのがNPBであり、MLBから選手を引き抜いてくる等は現実感も薄く仮に出来て人気を含めた支持を勝ち得るとは思えないので、仕方なく12球団の戦力を分配して削る事にしました。
これは上記noteにある松中氏の案でもあります。
分配において気を付けるのは、4球団に選手を分配するだけでなく、既存12球団も「選手数」の上では均等にすることでした。
三軍創設も自由なら、シーズン中にブルペン捕手を育成契約して試合を成立させる球団もあるNPBで、選手数を均等にする事には違和感があります。
ただ、何らかのルールを設けて分配したときに、一軍二軍が運営できない球団が出るのは「16球団」とは言えないので、せめて選手数は16球団で均等にしようと考えました。
詳細な分配ルールは上記noteをご覧いただくとして、端的にまとめると以下のようなルールで分配ドラフトを行いました。
・1球団の選手数下限は58(投30捕6内12外10)
・プロテクトは30(投14捕3内8外5)
・外国人枠、育成選手という概念を廃止
・2020年ドラフト選手も対象に含む
上二つにはそれなりの理解が得られそうですが、下二つは賛否があろうかと思います。実際に行われるならこんな事は出来ない!そう考える方も居るのではないでしょうか。
しかしこれには理由があり、私がした事前シミュレーションの結果では必須の要素になりました。
次に示す実際の分配の結果を見て頂ければそれが伝わるかと存じます。
分配結果
以下が実際の分配ドラフトの結果です。
新規球団は全て58名で統一されています。ここで例として西京極キャピタルズの編成を見てみましょう。
はい、これをみてわかる通り、二軍の野手はまともに回す事が出来ません。どのチームもこのような状態になっています。
ちなみに選手を見送った側の既存球団を見てみましょう。例として楽天のオマージュ球団仙台クレッセンツの残ったメンバーが以下です。
見ての通りです。既存球団は必ずしも58名ではありませんが、一番多いところで62名ですので、二軍が回らない事が伝わるかと存じます。
要するに、現存するありとあらゆる制限を撤廃した状態で4球団に分配しても、16球団全てで2軍を回すのが困難な状態になったのです。もちろん三軍なんてものは消滅しました。
これで外国人枠、育成制度、新人選手に何らかの制限をかけたらどうなるでしょうか。
上記より更に質の低い4球団が出来上がるか、特定の球団から二軍がなくなったことでしょう。
要するに、、、
4球団同時の球団拡張
をするのは、分配だけでは無理があるという事です。
いくつか対案はあろうかと思いますが、それぞれに問題点を孕みます。例えば
・戦力外の選手を加える
⇒何名かの選手にはチャンスがあると思いますが、単純にレベルの低下につながります。
・特定のアマチュア球団を統合する
⇒上記と同様です。少なくとも現状チームの大半がNPBレベルにあるチームは日本にほとんど無い様に思われます。
・外国人枠を撤廃し海外から大量に野球選手を招へいする
⇒悪くない発想ですが、この国の母国語や文化は決して英語圏やスペイン語圏にフレンドリーでなく、また、NPBの歴史や選手会の提言を見るに、残念ながら大量の外国人を抱えつつ、彼らに十分な環境を提供できない可能性が高そうです。さらに、実績ある既存球団はともかく、それがない新規球団が実力ある選手を捕まえるのは困難な可能性があります。
そして、私が考えた #16VD の分配ルールも決して完ぺきではなく、主には以下のような弱点を抱えています。
・選手の意向を無視している
・新人に関しアマチュア側の意向を無視している
・戦力として既存球団に迫る事は出来ていない
では、現実的な案とは何があるでしょうか。
(比較的)現実的な案
私は三つの方向性を考えてみました。
①二球団の参入とする
これは古田敦也氏らも提唱している案になります。戦力分配の面では選手数に余裕が生まれます。プロテクト枠を少し緩める(例えば20名)、希望する選手は積極的に新球団に送り出す等の調整は必要でしょうが、比較的堅実な案と言えます。それでも、奇数同士になったリーグでの対戦をどうするのか等の問題は残りますが、交流戦を常に導入するなど日程の非均一化を図れば乗り越えられるでしょう。また、段階的な16球団構想の足掛かりにもなります。
②入れ替え制を設ける
著名人の間では見た記憶がありません。要するに、一部リーグ二部リーグを作る事で球団間の戦力格差を許容し、一部リーグに昇格する事に何らかのベネフィット(例えば観客収容人数の制限解除など)を提供する事で、どのチームにも戦力アップをする理由を永続的に提供する方式です。イニシャルコストとして戦力均衡のハードルが下がる事、現在でさえ起きている戦力格差を活用できるメリットがあります。それでも、二部リーグにはドラフト優先権を与える等をしなければ均衡しないだろう事を考えると、わざと負けるいわゆるタンキングが起きる事、既存球団が二部に落ちる事をファンが許容できるか、などの道義的な問題は発生します。
③ドラフト会議に工夫を凝らす
具体的には、3年程度は新規参入の四球団にドラフト会議での指名優先権を与え、中期的な戦力均衡を目指す方式です。この方法で戦力均衡に効果が出るには10年前後の時間が必要でしょうが、
・入れ替え制の導入と比べ各球団を並列に扱い続けることが出来る
・アマチュア野球界から多くのプロ野球選手が誕生し競技人口の維持に一役買う
等のメリットがあります。弱点は既存球団がこれを許容するかですが、業界全体のパイを増やす為、と考えてくれる球団が多くいると想像するしかありません。
最後に告知
実は今回のnoteが前編と銘打たれているのには理由があり、前述の16球団構想を検証しているイベント #16VD ではこの③の案を採用しています。つまり、分配ドラフトをした状態で新規球団に指名優先権を与えたドラフトを開催します。
さすがに三年分行うのは難しいですから、今回は今年ドラフト対象となる選手の仮想ドラフトに限ります。まずは二軍を回せる状態に持っていく事を目標とし、各球団5-8名の選手を指名する方式を取りました。
目的としては、この結果で各球団の見栄えがどうなるか、またこの方式を何年続けると何年で16球団が均衡するのか、等々を検証したく思います。
イベントにはアマチュア野球に精通したドラフトオタクが多く集まりました。きっとプロ球団に負けない良い指名をして下さると思いますので、検証データとして実のあるものになると確信しています。
日時は3/21から開催します。指名は一日完結でなく、数日掛けて完了させるオフライン方式です。
毎日22時に運営用アカウントからドラフトの進捗具合をお知らせしますので、是非様子をチェックくださいますと幸いです。
そして是非その結果を基に、16球団構想をはじめとした球団拡張論について、ご覧いただいた皆様とも様々な意見交換が出来ればと考えております。
野球ファン同士屈託なく語り合いましょう。
引き続きよろしくお願いいたします!!