【COL】Rule 5 で Anthony Molina を獲得
COLネタは五カ月振りの更新です。
■Rule 5 とは
飼い殺し状態になってしまうことを防ぐため、他チームの現役選手を指名し獲得できる制度です。名称はMLB規約の第5条に規定されていることから来ています。また、NPB現役ドラフトの着想元とも言われています。
毎年ウインターミーティングの最終日に行われ、ロースター40人枠に空きのあるチームのみ参加が可能ですが、指名した場合、所属元に100,000ドルを払う、また次年度は当該選手をアクティブロースター26人に(故障登録を除き)登録し続ける義務、ようはシーズン中ずっと一軍に入れなければならないハードルもあって、ドラフトに参加はしても指名をパスする球団も少なくありません。
実際今年の Rule 5 も、ドラフト参加こそ30球団したものの、指名したのは10球団と1/3という結果になっています。
■Anthony Molina とは
はじめに基礎情報です。
これだけ見ると特徴が無いので、マイナーの試合で見てきた自分の印象を付け足します。
元々はフォーシームも純粋なものではなくツーシーム寄りでした。また、チェンジアップと共にハードシンカーに近いボールも持っていたのですが、A+からAAに来た辺りでシンカーは捨て、現在の持ち球に近づいています。
直球の質は可も不可もないですが、球速の安定性は高く、先発をしても 94mphで安定し96が珍しくないほどで、コンディションが良ければ97,8も期待できます。
マネーピッチはチェンジアップ。フォーシームと同じ軌道から程よくブレーキがかかり落ち幅も大きく、ストライク→ストライクで決める器用さも併せ持ちます。
但し、もう一つの変化球であるスライダーが縦変化強めで差別化出来ていない事もあり、投げるコースが無くなり手詰まりで四球を出す、という場面もしばしば。
チェンジアップはある程度通用するでしょうが、フォーシームはビッグリーグレベルでは平均的なため、スライダーを改良させることが生き残るカギとなりそうです。横変化を強めるのか、チェンジアップと球速差をつけるのか。決して質の悪くないものの、差別化は必須でしょう。
また、彼は五年のプロキャリアを通じて殆どケガが無いそう。フォームを見ても上半身の外旋が深く、下半身の使い方含めリスクは少なそうで、フィジカル面は大きな魅力と言えそうです。
そう簡単に変化球の質があがったりはしないでしょうが、同じく Rays からきた German Marquez という偉人 の移籍時よりは遥かに完成度が高いのも事実。
まだ若いので、徐々に課題を克服し、まずはシーズン完走を目指して頂き、いずれはロッキーズを支える投手に育つ事を祈っています。
※ちなみにRule 5 で獲得した選手を26人枠から外す時は、原則として50,000ドルと引き換えに元チームに戻す事となります。
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