個人情報保護士認定試験の対策
全日本情報学習振興協会という団体が主催する民間資格試験の中に「個人情報保護士認定試験」というのがあります。近年流行らしく、企業の中には社員にの資格取得を推奨している所もあるくらいです。
で、それなら試しにやってみようと思うわけだがこれがなかなかすんなりいかない試験だったりするわけです
受験料がいい金額。1回受験で約1万円が飛んでいくのでこれを高いという人はおそらく情報処理試験が数千円程度での受験で済むからということなのだろうが、ITELやCisco、MICROSOFTの資格試験の金額を考慮すれば妥当な線かもしれません。
ただ、重要なのはこの試験、合格基準は70%となっているのですが問題数は100問なので単純計算で150分の試験時間で70問正解すれば基本合格なのですが、残念ながら「足きり」が存在します。「課題1」と「課題2」があり、片方でも基準点に達しないと合格にはならないわけです。
尚、同じ団体が主催している「個人情報保護実務検定」は合計で70%が合格基準となっているのでそれだけ高いレベルが要求されているのだと思われます。
そしてWebで検索すると「比較的簡単」といった言葉が並んでいるのですが、これはあくまで55,56回くらいまでの試験の話。
この資格試験、公認テキストという分厚い本が存在しているのだが、63回試験では改正個人情報保護法(2022年4月施行)の内容も対象となってきており、そのせいか合格基準の調整も62回、63回と実施されている次第。課題2についてはIPAの情報処理試験を通過した人なら容易なレベルではあるが、課題1を簡単と言い切れるのは行政書士の試験にすっと通るくらいのレベルの人か、普段そういった業務に精通している人ぐらいだと思います。
それじゃぁ片っ端から覚えりゃいいのかっていうと確かに正確に暗記すれば合格ラインには行く筈なのです。ただそうはうまくいかないのが試験というところ。この試験は「時事問題」が出題されるのであらかじめ調べておいた方が+αの得点源とすることが出来そうです。
例えばこちら。
個人情報委託並びに国外への保管問題
同意なしの第三者提供によるPマーク取り消し
無断外部再委託
こういった個人情報保護に関連する時事事件が出題に反映され来ているので、ニュースなどを見つけたら「なぜ」ということを考えておくのも試験対策の1つ。基本的にはテーマとしての出題なのだが、どう見ても「新聞ニュース沙汰」になった企業の違反事例がネタ元なので調べておくとよいです。
そしてテキストでは照会のあまり多くない改正法についてはこちらも一応全情協のサイトに出てはいるのだが、基本は公開されている記事に目を通しておいた方が望ましいと思います。
全情協のYoutubeもある
以下のチャンネルの方の改正法の解説、聴きやすいのもあるのですが、動画内のレジュメが解りやすく出来ていると思う。どこかにPDFで公開してないだろうかと探してしまったが見当たらないので何度か見返した次第。
他にも解説をしている方がいるのでいろいろ見てみるとよいと思います
そして対策講習会もあります。
これについて「無駄」という人が多いのだが、講習内容としてはポイントを絞って解説がされているので、今まで法律の勉強にとっかかりがなかった人や、テキストを読んでどこから手をつけていいかわからないという人には向いているのではないでしょうか。逆にある程度知識なり法律学習経験のある人はTAC等の通信講座を活用する方がよいかもしれません、
出題の選択肢の文章がかなり難解な試験だという印象が強いが、一度学んでおくとよい内容だと思います。まったく関係ないと思っていてもところどころ自身の生活に絡んでくる部分は多いので、資格保持者としてのステイタスはあまり感じられなくてもチャレンジする価値はある資格ではないでしょうか。