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万年筆インクは取り扱い要注意!

万年筆用インクは、いくつかの面で取り扱いに注意しないと危険です。ペンにとっても、人間にとってもあるいは危険ですので注意してください。

さて、万年筆のインクとはなんだろう。色のついた水? そうじゃありません。あれはむしろ化学薬品と言った方がいいでしょう。考えてみてください。密閉した瓶の中に入れてあるとはいえ、2~3年の間常温で置いておいても腐らないのです。

わたしはメーカーの人ではないので何が入ってるのか詳しいことは分かりませんが、それくらいさまざまな物が入った液体だということです。

万年筆の観点から見ると、インクは大変重要です。要はインクがなければ万年筆はただの棒きれです。インクがあって始めて万年筆は書くことができます。ですが、インクならなんでも入れていい訳ではありません。入れるのは万年筆と同じメーカーの物を入れる、それがセオリーです。なぜならメーカーは自社の万年筆に自社のインクを入れることを考えて両者を設計しているからです。最近ではお店がオリジナルブランドのインクを作ることが大変多いですが、これを万年筆に入れる場合、入れた瞬間から保証が受けられなくなります。

メーカーは万年筆の保証期間を販売した日から1年間設けているところが多いです。ですが、オリジナルブランドや他社のインクがきれいな色だからといって入れた瞬間、保証は受けられなくなります。このことは明記されています。厳然としたルールです。

もちろん、自己責任で他社インクを入れて楽しむのもありですが、そこには文字通りの「自分で責任を取る」という姿勢が必要になってしまいます。修理に出すならば保証期間内でも当然有償修理になり、お金も通常よりかかるかもしれません。とにかく、それくらいインクは自社のペンのために「設計された」液体なんです。色をつけて終わりじゃないんです。

インクは色の他にも、ペン先からのインクの出る量や、乾きやすさなどそういった面も設計されています。それが合致しない他社ペンに入れると、書こうと思ったときにインクがボタッと落ちて紙を汚すこともあります。

インクの保管は、直射日光の当たらない涼しいところに置くのが基本です。ペン先を何度も入れて使う結果、瓶の中にはどうしても雑菌が入ります。それらが繁殖すると、インク瓶の中にたまり、菌だらけのインクをペンに入れることにもなりかねません。ということもあり、ボトルインクは2年ほどで使いきるのが理想です。インクに雑菌が繁殖すると、最悪の場合インクがドロドロになったり、粘りけを持ったりします。これはさすがにペンに入れる人はいないと思いますが、そうなったら捨ててください。

雑菌はどうしても防ぎきることはできません。なので、インクを入れ替えるときは、目や鼻でインクの状態を確認するとベターです。何か普段と違う濁りや、粘りけや、におい。そういったものがないかをインクを入れる前に確認すると被害を防げる可能性が高いです。一番いいのは開封したらとにかく早く使いきってしまうことです。

というわけで、一通りインクについて書いてみました。こういったことはメーカーさんのページにも載っていたりしますので、よ~く注意してください。ただ、あまり難しく考えすぎることもありません。基本に忠実であれば、便利できれいで楽しいことですよ。

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