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顔料インクの使い心地

万年筆にとって、顔料インクとは、使いやすいのでしょうか、メリット、デメリットを使用者の視点から書きたいと思います。

顔料インクのメリットの1つとして、にじみづらいということが挙げられます。これは、先のノートで書いた「紙との相性」を一挙に解決する手段でもあります。

裏抜けしづらい、これも特徴です。薄い紙、水性染料インクでは裏までにじんでしまう場合でも、顔料インクは裏まで染みることは少ないようです。ただ、これも完璧とは言えないでしょう。紙によります。

それから、もっとも強調すべき特徴として、「水に濡れても溶けださない」ということを書かずにはいられません。多くの水性染料インクは水に濡れれば溶け出してしまうのですが、いったん乾燥した顔料インクはほぼ溶けません。最近は顔料インクが増えているので把握し切れていないのですが、とにかくカーボンインクは水に溶けない、とおぼえておいてよいです。

加えて、乾燥が早い、という特徴もあります。急いで書きたい、手帳やノートに書いてすぐに閉じたい、などといった用途にはぴったりです。

これは実はデメリットでもあります。乾燥が早いので、ペン先をキャップにしまわずに考え事などをすると、あっという間に乾いてしまい、書けなくなってしまいます。軽度ならば水につければいいのですが、完全に乾いてしまった場合、薬品を使わなければ溶かすことができません。最近ではインクのクリーナーキットが出ていますから、それで掃除することができます。もし、インクが完全に固まってしまい書けなくなったら、メーカー修理に出しましょう。

顔料インクの一番のデメリットは、扱いがやや面倒、ということでしょう。これは人によって感じ方が異なることかもしれません。

顔料インクを使っている間は、考え事をするなど、少しペンが止まるときはキャップをすること。定期的に水につけるなどして掃除をすること。これらを実行できるかどうか。怠ると、インクがだんだん固まって少しずつ溝をふさぎ、文字のかすれ、途切れなど不調を起こすでしょう。

こういった癖をつける必要があるんです。

ただ、これらを補ってあまりある魅力がありますね。

例えば絵を描く人などは、描線に使うことができます。完全に乾いた顔料インクは水に濡れた筆でこすっても流れませんから、絵画やマンガに使用可能です。

さらに、色あせづらい、という魅力もあります。

水性インクは1ヶ月も日(紫外線)に当たると色あせてしまうのですが、顔料インクはほぼ永続的に色あせしません。重要書類への署名などは顔料インクがふさわしいかもしれません。イラストも、色あせしないことから顔料インクがおすすめです。

確かに癖のあるインクなのですが、それに対応したペンなどもありますので、1度使ってみるといいかもしれません。

最後に、書き味なのですが、顔料インクは染料インクよりも書き味が良くなるものがあるようですね。ヌルヌル書ける、という人もいます。

こういった点に気をつけながら、もし気が向いたら顔料インクを使ってみてください。

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