CDジャケットで見る写真トレンド
Apple Musicの国内ランキング及び2024年4月時点でのニューシングルから最近の写真のトレンドを見てお勉強しようという試みです。
なお、筆者はアマチュアであり美術関連は完全な素人であることをご承知ください。
写真は世の中に溢れているものですが、どこにでもあるからこそ敢えて意識しないものになっている気がします。
街を歩いていても広告写真をまじまじと見ることはなくて、瞬間的に得られる情報だけ処理されてそれで終わりです。
昨今ではネット配信が主流になった音楽業界の中にあってCDショップは衰退の一途を辿っています。
そんな中でCDジャケットの写真、いわゆるジャケ写もApple Musicのプレイリストの中に埋もれるばかりで、もしかしたらお気に入りの曲のジャケットがわからないという人もいるかもしれません。
しかしながら、楽曲を発表するアーティストにとってはジャケ写はかなり重要なものであることに違いなく、曲やアーティストのイメージを表現する必要があります。
例えばケツメイシのケツノポリス。もう13なんですね。
写ルンです。で撮影したようなよくある旅行先の記念撮影。日付はフィルム焼き付けのものではなく、発売日になっています。毎回沖縄で撮影されているので沖縄出身だと勘違いしている人もいるかもしれませんが、彼らは関西出身です。
写真ではないですが、アジカンのジャケットは、イラストレーターの中村佑介氏が一貫して手掛けています。アジカンといえばこの絵がイメージな人は多いはず。
最近だとYOASOBIのアルバムなんかは統一されたデザインになっています。
初期作のデザインは村山辰徳さん。
小説などをコンセプトに楽曲を作るという事をテーマにしたYOASOBIらしい本のようなアルバム。データ配信時代だからこそ手に取ってみて面白い作りなってます。
最新のTHE BOOK3は花房真也さん。
この方の仕事は現代的ではないでしょうか。
この人のワークを見てると大変勉強になります。
例えばSHE'Sの追い風。
写真だけでいえば色は破綻しているわけですが、爽やかな楽曲のイメージに合っています。
MISIAさんのゆびきりげんまんのジャケ写は銀座のSEIKO社の時計塔。
写真家でいうとAkine cocoさんのようなアニメ風レタッチで仕上がっています。
こういう色作れないかなとやってみましたが、なかなか難しい。どなたかレシピ教えてください。
次は、UNITYさんのAIが作るような写真。
もしかしたら本当にAIに歌詞でも入力して生成させたものかもしれません。
これもマゼンタに転ばしてます。
似たようなものにMrs.グリーンアップルのジャケ。
ハーバリウムを撮っているのでしょうか?
万華鏡のように一つの被写体を反射させてパターン構図にしています。
シュルレアリスムに近いような描写に近い気がします。
次、オールド調の色調にバリバリの逆光です。
オーサムシティクラブのアルバムです。
どうやって撮ってるんでしょう。
ライティング無しだと背景全部飛んじゃいますよね。全部ちゃんと写ってる。プロの技だなぁ。
宇多田ヒカルさんの新譜です。
雪、湖、夕景、ストロボでピシャリ。
単純なのに構図がとても印象的です。
盛大に髪の毛が顔に掛かっていても表情が際立つのは、背景の木々とのコントラストがしっかりしているからでしょうか。
勉強になる。
次は最近流行り?のアレブレボケですね。
昔からある手法ですが、アイドルグループがこれをやるんだというのが驚き。
Lisaさんのシングル。
ライカ使いとして有名なので自分で撮った写真かも?日常の犬の散歩中の写真。色味はKodakっぽい。
フィルムカメラとかオールドデジカメを使う理由ってこういう写真を撮るためだと思います。
※2024/4/21追記。
先日SONY galleryにてLisaさんの展示を見てきました。上の写真も展示されていました。α7CⅡで撮影されたもののようです。
次は抽象化されたもの。
個人的にはモノクロ撮る人なのでこういう写真が落ち着きます。
うつゆみこさんみたいな似たようなものがそう見えてしまう錯覚系。
事物を事物として捉えないからこうなる。
みたいなよくわかんない世界だけど海外の写真でもスナップとかでこういうことしてる人が多い気がする。
最後、アイドルらしい元気な写真。
女子高生が放課後に写ルンです。で撮ったような
フィルムみたいな粒状感。
画面右下にある道路の白線から、彼女らの服装が横断歩道を表しているようにも見え、手足の形は星のようで中央の文字を飾る星マークにも繋がります。
どこまで意図しているのかわかりませんが、こういう普通に撮ってる風なのにかなり緻密な計算あっての構図がプロっぽい。
ケツメイシとは方向性が違う。
ざっと目に入ったものを並べてみましたが、思ったよりも面白かったです。
デザイナーは写真をそのまま使うことは少ないわけですが、こうして見てみると写真に対する扱いは様々ですね。
改めて写真は撮って終わりの世界ではないなぁと感じました。
最後の最後はオマケです。
先日撮影してきた写真をレタッチしてみました。
プロの写真並べた後に下手さが際立ちますが、こういう練習も積み重ねなので恥を忍んで並べます。
使用機材はD850
レンズはAF-S24-120F4Gです。
好みの色はありましたでしょうか。
最後のやつはアニメの葬送のフリーレンの空の色です。
プロが作る色作りは流石だなと思いますね。
やればやるだけ沼にハマっていく感覚があります。。
プロの写真を見ながらレタッチはとても練習になるので気が向いたらまたやろうと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。