ふぉとらいふ#12 旅行に持って行くカメラとは。
日記です。
冬の間はあまり写真を撮る人が居ないせいかフリマアプリのカメラの値段は下降気味ですが、実店舗の値段は上がる一方ですね。
さて、最近使ったカメラの話です。
最初に触れたようにカメラが割とこの時期安いんですよ。ついつい欲しかったカメラやたいして欲しくも無かったカメラを買ってしまいます。
基本的に全てのカメラにはフィルムを通しますので、最近は渋滞気味です。
この前久しぶりに時間が取れたので一気に撮りましたのでそこら辺を中心に紹介していきます。
SONY α7の初代を買いました。
Eマウント機はこれまでApscのα6400を使っていたのですが、やはりフルサイズが欲しくなったのと6400を売ったお金で初代ならお釣りが来るという事実に気づいたからでしたが、正直言ってあんまり期待していなくて、レンズのテスト用かと思っていたのですが、これが往年の名機なだけあってまた良い写真が撮れます。
使用レンズは沈胴ズミクロン50mmF2ですが、6400ではカットされていた柔らかくも四隅までしっかりとした描写にやられてしまいました。
やっぱりこのレンズ凄いなぁ。高いレンズの中では安い部類なのでまだ使ったことがない人はお試し下さい。
私は一生このレンズと生きていきます。
この頃のSONYのセンサーも自然な描写で相性が良い気がします。6400では割と弄っていた色も気になりません。
今回のタイトルにある通り、旅行に持っていくカメラが結局のところ自分にとっての最高のカメラだという自論があります。
今回関西への帰省に持っていったカメラは、このα7とLeicaM3でした。
ちょっとした観光地に行く可能性も考慮してdp2 quattroも忍ばせていましたが今回はα7しか使いませんでした。
もう古いカメラですが、現行より小さいし予想以上に良いカメラですね。
次です。
Canonのレンジファインダーの歴史は戦前から始まります。
Canonのレンジファインダーカメラは最終型の7とP以外はモデル名の記載がないので分かりにくいのですが、このカメラは第五世代で結構デカデカとVの文字が確認できます。
1954年に登場したライカM3の登場による所謂M3ショックが与えた影響は大きく、一気に時代が加速するわけですが、国内の他メーカーが一眼レフカメラにシフトして行った中で、Canonは真っ向からM3に対抗出来る超高性能なカメラを作って勝負にでました。
ローマ数字のVで表されたCanonVの最上位機であるCanonVt deluxeはCanonの技術を結集させたカメラであり、ライカではアタッチメントだったライカビットを標準装備したことが特徴です。
Canonファイブティーと呼ぶべきなのでしょうがCanonブイと呼んでいます。
そういえばEOS-1VのVは何の意味なんでしょう。コンバトラーVは5機合体のVでした。
M3と並べてみても見劣りしないカメラです。
ライカが曲線なデザインなのに対してCanonは角ばってます。
CanonVはバルナックライカのように、フィルム巻き上げと同時にシャッター速度ダイヤルが回転し、スローガバナーもボディ正面に付いた旧式のカメラでした。
巻き上げは早いが露出の変更は絞りでやれといった具合で、ここら辺、後にシャッター速度優先AEを選んだCanonらしいと言えるでしょうか。
M3はブライトフレームでレンズ交換による画角の変化に対応したわけでしたが、Canonは変倍式ファインダーを採用し、35mmと50mmとダイヤルを回すと倍率が変わる優れものでした。
個人的には50mmばかり使っているので、不要な機能ですが、ブライトフレームでは苦しかった望遠レンズでのピント合わせはこっちの方が有利なのは間違いないですね。
ファインダーの明るさはM3がぶっちぎりで、M3と比べたらどのカメラのファインダーも無いようなものですが、バルナックライカの時代からすればこのCanonVも夢のような高性能なファインダーでした。
巻き取りがクランク式だったり、フィルム装填時は裏蓋が開くなど明らかにM3の使いにくい部分を排除して作られています。
そんなCanonの努力に対してカメラは結局ファインダーとレンズだよ。と歴史が言いたげですが、Canonのレンズも普通に高性能ですし、今回使った50mmF1.8も性能は悪くありません。ライカレンズもズミクロン登場まではそこまででもないですしね。
デジタル時代から見ればあえて速射トリガーを使うメリットなんて無いわけですが、まぁロマンですね。
底のトリガーが嫌ならこっち使えよということで、しっかり上部も巻き上げノブになっている辺り日本製っぽいです。
その後、CanonはこのカメラをブラッシュアップさせたⅥ型では、このトリガータイプと上部巻き上げタイプの2つを作りましたが、結局ライカ同様に上部巻き上げの方がボディも小さくて取り回しが良いという理由から下部トリガー式はレンジファインダー機から消えていきましたが、Canon的には納得行かなかったようで、初期一眼レフのCanonRMや元祖大衆機キャノネットなどで下部トリガー方式を頑なに採用し続けているのが興味深いです。
レンジファインダーの中でも人気があるような無いような。
そんな微妙な立ち位置のMINOLTA モデルⅡ。
前回レンズ比較にて登場した梅鉢レンズを備えたカメラでした。
撮影フォーマットも24×36ライカ判より少し小さい24×34くらいのサイズになる日本版ってやつ。
このカメラが登場したのは1953年とM3ショックの前年。なんていうか間が悪い。
二眼レフ界隈でもローライほどでは無いにしろセミオートマットを実現していたし、バルナックライカのコピーだらけだった日本カメラの中でもいち早く裏蓋に蝶番を付けて開閉出来るようにしたカメラでした。
その他にもファインダーには視度補正が付いてたり、変速するセルフタイマーなど細かな機能盛りだくさんのカメラです。
シャッター速度は1/500までで巻き上げもノブ式。
どうにも古い感じが否めませんが、コンパクトで可愛いカメラです。
割と安価で売られているカメラですが、シャッター幕も高級なものが使われているようで今でも使える個体が多いです。
ニッカやレオタックス、CanonⅣ以前のもののように外見がライカのコピーでない国産レンジファインダーとして貴重な存在です。
最後、レチナⅡaです。
アメリカのフィルムメーカーであるKodak製のカメラですが、ドイツのカメラメーカーを買収して作ったドイツ製のカメラです。
いわゆる蛇腹カメラですが、世界で初めて巻き上げレバーを採用したカメラだとか。
ミノルタモデルⅡが先立って裏蓋式にしたとか言いましたが、レチナもまた裏蓋式。
シャッター速度は1/500まであり、搭載されたレンズはシュナイダーのクセノン50mmF2。信頼のダブルガウス型で4群6枚だったかな?
写りは恐ろしくシャープです。
この頃の35フィルムカメラがどういう立ち位置であったかよく分かるサイズ感で、重さは見た目に反してずっしりと鉄の塊感がありますが、ちょっとしたコンデジくらいの大きさで、レンズが格納されてフラットになるのでポケットに入れたまま歩けます。
精度はわかりませんが、しっかりとレンジファインダー機で、使い方も1951年のカメラにして後のカメラと操作性が殆ど変わらないというのが凄い。
久しぶりに買ったその日にフィルム入れて撮ってました。
巷では露出計内蔵のⅢ型が人気みたいですが、基本的に露出計はあれば使うけど無くても良い派なので気になりません。デザインだけで言えばセレン光電池式の露出計はかっこ悪いですよね。
海外のカメラは使わない時は隠せるカメラも多いですが、日本のメーカーは割と露出計が入っている事を誇示するためかデカデカと載せているカメラが多い気がします。
作例はまだスキャンしていないのでないですが、どれも70年近く前のカメラとは思えない写りをしています。一眼レフの時代になると個性的なカメラも少ないのでこの時代のカメラは面白いですね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。