草津でバカラック
1997年、大滝詠一復帰作(笑)として話題を呼んだドラマ「ロングバケーション(※失礼! 「ラブジェネレーション」です)」のテーマ曲のB面が「Happy Endで始めよう」。この曲はイントロからクリスタルズの「Da Doo Ron Ron(https://youtu.be/L0dikX80Ed8 )」なのだが、当時「草津バージョン」と呼ばれた歌詞違いがアルバム「Happy Ending」に収録されている。
元の
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熱い心に 風をあつめて
踊り続ける ディスコティック 夜明けまで
ハイカラDJ 賑やかなラブソング
激しいリズム 愛の唄 揺れている
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が
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今年の冬は 草津に行こう(ハァ ドッコイショ)
わがままな君 口ずさむバカラック
雪降る夜は ワルツを踊ろう
甘いメロディ 僕からのプロポーズ
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になっている。ここで気になるのは「バカラックの何を口ずさんでいたのか」、そして「ワルツはなにか?」なのだが、まあ、ここからは妄想。
1998年の新春放談で大滝さん自身が「幸せな結末」をジーン・ピットニーの「True Love Never Runs Smooth (https://youtu.be/64bJsRvSUHQ )」であると言っている。これはバカラック=デヴィッドの曲で、このフレーズ自体ハル・デヴィッドがシェークスピアから引用したもの。バカラック=デヴィッドには他にもシェークスピアから持ってきた曲があり、ジャック・ジョーンズが歌った「Wives And Lovers (https://youtu.be/rZ7WT02wFOk )」はワルツ曲なのだ。
この曲、バカラック自身も録音していた、初めてのアルバム「Hit Maker !」に収録されている。
公開当時「草津バージョン」と呼ばれていたこの曲が正規盤では「バカラック Ver.」に改められたのは、このあたりに理由があるんじゃないか、と思うのだ。
ちなみに「Happy Endで始めよう」のハーモニカ使いはThe Dave Clark Fiveの「Over And Over(https://youtu.be/9ji1MMXoAVk )」で、こっちの「アゥー♫」は「ウララカ」。そしてこの曲(Happy Endで始めよう)でも延々となり続ける三連のピアノは、天然色とつながる。