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10年ぶりに東方のジャンルに戻って同人誌を作った話

今の感情の備忘録としてだらだら書く。

自分語り

10年ぶりに東方に戻った。そして同人誌を頒布した。
戻ったという程熱心に活動はしていなかったが、とにかく熱が再燃した。同人誌自体、描くのは数年ぶりくらい。
初めて世に出した東方の二次創作は小説、合同誌への寄稿だと思う。にとりの話だった気がする。自分で東方のサークルを出したことはなかった。
幻想入り動画やLiz TriangleのFicus glomerataの手書きPVみたいのも作ってた。あとで全部消した。

なぜ急に戻ったのか

それ以降は別ジャンルへ移り同人漫画を描いたり、オリジナル漫画を描いたりしていたが、2024年5月の春例大祭をきっかけに熱が戻った。
何の気なしに暇だったので急に例大祭に行ってみたら意外と楽しいのでは?と思い立ち即行動。一般参加。
ジャンルを離れていた間、原作の新作が出たら横眼で眺める程度で二次創作界隈は全く触れてこなかったが結構楽しめた。君の美術館やNJKrecordは参加していなかったが楽しかった。

そして驚いた。

正直、東方はもうおじさん向けの先細りコンテンツだと思っていたのだが、その実、全く逆。
一般待機列では通常のコミケでは考えられない、全体の1割ほど小中学生が待機している光景が見られた。
壷型ではなく、釣りがね型寄りの人口分布の印象。衝撃を受ける。軽くカルチャーショックだ。
自分の前の中学生男子二人が学校の話をしながら東方のソシャゲをし、小学生女児が魔理沙の帽子をかぶっている。このコンテンツには未来しかないと思った。
親と一緒に来ていた女児が、かわいいデフォルメ絵の同人誌を、自分の財布から自分でお金を出しサークル主に直接手渡し買う姿。サークル主はおまけをして別の本もプレゼントする姿。あれは本当に感動した。もうおじさんだからああいうのですぐ泣いてしまうんだ。

熱。あれは熱を感じる光景だった。

自分が子供好きなのと場の空気にあてられただけかもしれないが、この子達を楽しませたい、東方キッズ界隈のHIKAKINになりたいと思った。

冒頭に翻って同人誌を描くに至る。

問題の整理と準備

・何を描くか
・いつ出すか
・時間の捻出

同人誌を作るにあたってまず何を描くか。
子供向けの本を作りたかったが、1冊目からそれでいくと今後が動きづらくなりそうだったのでまずは好きなものを描くことにした。
で、一番の問題は結局自分は何が好きなのか。
これは時間的な問題にも絡むが、プレイしていない原作をプレイし二次創作全体の流れをとらえるのに限界があった。新キャラを掘り切れなかったし紺珠伝の道中は嫌いになった。
あるタイミングで昔好きだった同人誌を通販で取り寄せた。FLIPFLOPsやダイオキシン、サムライパレット、そしてロケット燃料★21
やはり秋★枝さんのレイマリ本は最高だった。なんだかんだ引っ越すたびに初恋クレイジーを買っている気がする、今まで3回買ってる。
という事で原点のレイマリ百合に立ち返ることにした。
俺はレイマリで行く、となった。
絵が下手なこともあって今まで王道的な直球勝負の漫画を描いたことがなかったが、出来れば直球の漫画が描きたかった。この際だから内容も流れで思いつくままに描くことにした。

出すイベントは次の秋例大祭と決めた。同人誌を描くと決めたあたりで秋例大祭の名前が目に入ってきたのでちょうどいいやとなった。紅楼夢でもよかったが遠征費がないのでやめた。

時間は思い返してみれば余裕だった。なんならもう少し頑張って二冊出せばよかったし出せただろう。描き始める前は原作をプレイしたり同人誌、同人CDを買いあさったりと10年を埋めるためインプットに費やし、まったく何も思いつかず焦っていたが、描くものがレイマリと決まったらあとは作業だった。
丁度休みだったのでその日1日でプロットを上げて2日でネームをでかした。7月31日から下書きに入り8月の22日あたりには下書きが出来た。
締め切りは10月の頭に設定したのでイベントまでずいぶんと余裕があった。当初時間がないかもと焦っていたがぶっちゃけ余裕だったので2冊作るかと別のネームを2つ書き始めたが、没って形にならなかった。
その後ペン入れに入り9月10日にあたりにペン入れ、22日に全部完成した。
ネーム3日
下書き23日
ペン入れ19日
仕上げ12日
計57日
ざっくりとした計算だが約二か月かかっている、あまりにも遅い。

約二か月の間20日の休みがあったと仮定。休みの日は1日8時間は作業ができる。仕事日の場合、仕事が21時に終わりそれからご飯作ったり風呂入ったりもろもろをして23時。それから3.4時間ほど自由時間が確保できる。
。20×8+40×4=320時間 当然その間落書きをしたりapexしたりrimworldしたり、仮定の仮定のざっくりとした時間だが1ページ辺り10時間かかっている。遅すぎ。せめて6時間ででかしたい。
締め切りに余裕があったので慢心してだらだらと描いてしまった。

良かったこと悪かったこと

良かったこと

・東方で同人誌作るんです是非ゲスト原稿描いてくれませんか。普段から仲良くさせていただいている方たちにそうお願いしたら「久しぶりに東方って楽しそうじゃん」ってなってくれたのか、ゲスト原稿を描いてもらえた。おかげで最高の本になった。

・正直50部もはけないと思っていたが、大好きな人たちにゲスト原稿も描いてもらったので記念だからと100部刷った。だが当日完売した、本当にうれしい誤算だった。ご挨拶でお渡ししたりで、計93冊。買ってくれた人の顔を直接見ることが出来た。
・現地でXを見てきました、とか、イラスト上手ですね、とかお声がけいただけて本当に嬉しかった。同人イベントの醍醐味を感じた。
・同人界隈の変な人も何人か居たがご愛敬だなとほっこりした。
・自分のスペース番号を大きく書いた案内を出せた。一般参加ではよく場所がわからず不便していたので、ずっとやりたかった。
・小学生と思われる子達に買ってもらえた。めちゃ嬉しかったので全員の顔を覚えてる。楽しんでくれていたら嬉しいな。
こう書くとめちゃ怖くてキモい。
・会いたい人たちにに会えた。これもイベントの醍醐味。
ご挨拶させていただいた皆様ありがとうございました。
・皆のコスプレのクオリティにたまげた。
・近くのスペースさんで女の子連れのお母さんが「ちょっとまだ(この子が読むには)早いかも、ありがとうございます。」とサンプルを読んで言っていた。お母さん検閲で凄いほっこりした。
・欲しい本をいろいろ手に入れた。売り子に来てくれた友人のおかげ。
2つめちゃ良かった漫画

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2580893

めちゃよかったです。おすすめです。

悪かったこと

・1冊作るのに時間をかけ過ぎた。その割に作画クオリティが見合っていない。普通もっと上手くてもいいはず。
・ペンネームをもっとちゃんと考えてつければよかった。エイサップ肉夜叉って親しみづらいし、呼ばれる時恥ずかしい。いずれ財津和夫とかに変えてサークル名もチューリップとかに変えよう。
・1階と4階で分かれていたため4階の買い物の時間が多く取れなかった。カタログも4階でしか売っていなかったのは流石に良くないのでは。
・印刷ミスがあり変なトーンの線画入っていた。申し訳ありません。次のイベントでもし刷り直したら交換します。
・CMYKの上手い描き方が分からず表紙がくすんでいる。クリスタだとどうするのがいいのか分からない。
・印刷されたのを見ると枠線が太過ぎた。読みづらい。-5000点。家に帰ってから凄い落ち込んだ。確か0.7で描いた、次は0.6とか0.5で描こう。
・学割を導入すればよかった。500円で頒布したが、学割100円とかにしてキッズ優遇すればよかった。キッズの500円って俺らが車買うぐらいの事でしょ。

書いて分かったがおおむね原稿の出来に対してのマイナスが多い。次はもっとちゃんと描く。

お金の話

最後に現実的なお金の話。
サークル参加費¥7400
印刷代¥29990
交通費約¥3000
スペースに展示する3脚とか色紙とか諸経費¥1500
必要経費計¥41,890

93冊の売り上げ¥46,500

46500-41890=4610
合わせて+4610の黒字

4610円なんて3時間働いたら稼げるでしょ?だからと言っていいだとか悪いだとか何という事ではないが、本当に趣味だなぁと思いました。

総括すると東方の同人誌描いてよかった、最高でした。

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