【12】嫁から提案します。夫婦デートはしないでおこう！《前半》
旦那ｻﾝは、いつも結婚記念日は
二人きりでどこかに行こうと提案する。
普段、子供たちに囲まれて
子供たち優先の生活だから、
あえて、そう提案してくれるのは、
彼の優しさと、
わたしへの求愛の現れなんだと思う。
わたしは
それはそれは嬉しい反面、
子供と離れてる間、
今ごろ子供たち喧嘩していないかな？
ご飯は何を食べたかな？
お風呂入って、湯冷めしないよう
すぐ服を着てくれたかな？
歯磨きはちゃんとしたかな？
寝る前にオシッコ行ったかな？
と、ずーっと
頭の中では
子供達のイメージ映像を追いかけて
グルグルしている。
だから
気は休まってはいないし
居心地が良いわけではない。
そんな風になりたかった訳ではないけど
これが
母親になるってことなんだろうな、と
思っていて、
そんな自分が嫌なわけではない。
結婚して、何度目かの記念日。
子供たちを
初めて一度に三人、実家に預けて
二人きりで出掛けようとなった。
末っ子チェルちゃんの出産後、
だいぶ育児も落ち着いたし
二時間程遠出して、
お泊まりデートも新鮮でいいんじゃない？
という
旦那ｻﾝからの提案。
どうしても
両手離しに
良いね！良いね！とは
ならなかったが、
こんな時間も
大切に出来る女性にはなりたかったので
食事の予約や一緒にプランをたてるのは
楽しく進めることができた。
いざ、当日。
２時間のドライブ。
普段、子供達の前で喧嘩になるかもしれなくて
あんな日や、こんな日の言えなかった文句も
デートとはいえ、
消化もしながら
普段子供達のアニメソングや
流行りのポップスしか流れないカーナビから
ゴリゴリのHIP HOPや
お互いの聴きたい曲を
かけて、ドライブする。
着いたのは
予約していたカジュアル、かつ
お洒落なレストラン。
案内された
ソファー席に向かい合わせに座った。
静かで、なんのお世話も要らない
久しぶりの時間。
『あー！こぼれるよ！』
『それ触っちゃダメ！』
みたいな
大声なんて出さないで
メニューを見ながらゆっくり料理を選べるし
運ばれてくるまで
最近、どんな服装が好きー？みたいな、
恋人っぽい、会話もお互いの顔見ながらできる。
素敵なお店だね！ーーーーそうだね！
この後観る映画、
面白そうだね！ーーーーーそうだね！
わー美味しそう！ーーーーそうだね！
…
いざ、二人で向き合うと
こんなに喋ることって無かったんだろうか？
今日さ、マイちゃんがー…
今日さ、ポーちゃんがー…って
いつも時間が無くて全て話しきらない程なのに
二人きりで
はい、どーぞ！好きなこと話していいですよ！
となると、
とかく話すことが見つからない。
それでも
楽しくワイワイお祝いしたい私は
少し強引ではあるが
料理を運んできてくれる
店員さんに絡んでいった。
なんとなく、
佇まい的に、
HIP HOPを聴きそうな感じがしたので
(旦那ｻﾝは昔っから大のHIP HOP好き)
『お兄さん、もしかしてHIP HOP好きですかぁ？』
と、声をかける。
そんなところから、少しお兄さんと仲良くなり、
料理を運んできてくれる度に
一言、二言会話し、
『仲良しですね！ご夫婦ですか？』と聞かれる。
『そーなんです(*´-`)実は記念日なんです( 〃▽〃)』
みたいな、言いたかった会話もして
自ら作った茶番でも
盛り上げようとする私。
喧嘩して不穏とか、
倦怠期とか、
そんなわけでもないのに
そのぐらい
日常生活以外の二人の共通の会話がないことを
まざまざと
突き付けられていた。
そして食事が始まってから
ずっと気になっていたこと。
運ばれてきた料理、
取り分けてるそばから
秒で食べるのやめてほしい(/´△`＼)
確かに普段から
旦那ｻﾝが早食いなのは知ってる。
おうちで
のんびりご飯食べる事なんてないし、
我が家は基本、テレビを消して
ご飯を食べるから
集中して黙々と食べるのは
普段ならいいよ。
のそのそ、冷めた物を
食べてくれるより
よっぽど
美味しく見える、気がする。
んー。
でも今日は何か違う。
こーゆうのじゃない！！！
デートって
いつから
こんなに
難しいもんだった？
夫婦になって
そんな事を感じたことってありませんか？
後半へ続く。