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飾りじゃないのよ脚は、Fostex自作スピーカーにスパイクを!
今調べたら2018年だからもう3年も前になるが、Fostexのワークショップで「10cmフルレンジスピーカーを自作する」というのに参加し、一対の小型スピーカーを作った。一日に2人という贅沢なワークショップでFostexのショールームの中の工房みたいなスペースで行われたものだ。
あらかじめ裁断されキットになっているMDF(集積材の合板)でエンクロージャーを組んで行く。これは接着するのに専用の金具で止めた状態。フロントバッフルは黒い皮張りにした。
丸一日かけて完成!(プログラムの予定時間を大幅にオーバー^^;)視聴とかしまくったし。こう言うのにいつも付き合ってくれる盟友高田さんと参加。
まあ、ハンドメイドといってもFostexの専門家が容積計算とかしてちゃんと設計しているエンクロージャーキットなのでちゃんと出来上がるし基本良く鳴るわけなのだ。
自分で決める事としては、どのスピーカーユニットを使うか、バスレフポートから内部につながるパイプの長さ(低音調整用)をどうするのか、フロントバッフルの仕上げ、となる。
僕が選んだユニットはFFシリーズのFF105WKというそこそこのユニット。Fostexのサイトによると
バスレフ専用フルレンジユニット FF-WKシリーズ 新抄紙方法『2層抄紙コーン』&『リッジドーム形状アルミ合金センターキャップ』。
https://www.fostex.jp/products/ff105wk/
だそうだが、まあそう言われてもよく分からない^_^。デザインと値段と
明快でリアルな音質はそのままに力感溢れる低域とキャラクターを感じさせない高域再生を実現しました。
と言う説明書きの一文を決め手に選んだ。結果はオーライだったと思う。バスレフポートは用意してあった中で一番長い10cmぐらいのを装着して低音を増強した。まあこれは後で変更もできる。
さて、出来上がりはご覧の通りMDF剥き出しのシンプルな外観で、これはこれで良いかなってしばらく使っていたが、やはり何かしたくなった。
そこでシール加工してあるウォールナットの天然突板を購入し、面ごとに切って貼って仕上げた。
手軽にやりたかったので軽くスピーカーにサンドペーパーをかけて、各面に合わせて切った突板を貼っただけなのでそんなに難しいこともなく、まあまあに仕上がった^_^(それでも片方で10面切った貼ったした)
これが作りっぱなし、MDF剥き出しの外観
これがウォールナットの突板で仕上げたもの。
この状態でつい最近まで使っていた。
が、
また、何かしたい虫が騒ぎ出した。ここらからが今回の本編となるw
スピーカーはその設置状態で音が大きく変わる。
これは100万円のケーブルは1万円のケーブルの100倍良い音がする、みたいなオカルトとプラシーボの複合物語ではなく、本当にマヂで圧倒的にかわる。
一番わかりやすいのはベタ置きではなくて、少し浮かして置いてやる事だ。昔はよくレンガとかブロックとか使ったが、最近は底面に4本スパイクを履かせてそれをスパイク受けを使って点で受けるというやり方が主流だ。
寝っ転がってモゴモゴ喋ってるのと、シャキッとたってこっち向いて喋ってるのとぐらい違う。モゴモゴしていた低音がスッキリ前に飛んで来るし、全体的に透明感のある聴きやすい音になる。
我が自作スピーカーはひらぺったい底面で、スパイクを履かせるネジもきっていないので、とりあえずインシュレーターをかまして聴いていた。
これをスピーカーと置く場所の隙間に挟んで使う。このゴムの部分が設置面にくっついて跡が残るので、隙間に挟むこの紙が付いている(^^)。びしっと固定する為についているゴムをビシッとくっつかないようにする為の紙、、微妙なアイテムである、、。まあでもこれをしばらく使っていた。
僕はちょいちょいスピーカーとアンプを繋ぎ変えたり場所を変えたりするので、その度にこいつがポロポロと圧着状態から剥がれて転がって行くのがいやで、しかも置き直すときにいつも微妙に位置が違うのも気になっていた、ある程度位置を合わせて適当に置いていたのだが、安定感も無いし高さもたりない、んー、ここは思い切ってスパイク仕様に加工しよう、となったわけだ。
で、これを購入した。
【国内正規品】Dayton Audio DSS2-SN スピーカースパイクセット サテン 1セット 4個入り https://www.amazon.co.jp/dp/B003BFNFJE/ref=cm_sw_r_cp_api_i_C07QZ9QBQGQE9ABM1RKH?psc=1
スピーカーの底面に両面テープで貼り付けるやつとか、乗せるだけみたいな物も沢山あるが、それだとまたポロポロ転がり落ちて嫌なのでこれは鬼目ナットという雌ネジをスピーカーに埋め込んでそこにスパイクをねじ込んでいくタイプにした。
さて、色々調べて。
先ずはその鬼目ナットをねじ込む為に「下穴」を開ける必要がある。この鬼目ナットの径に必要な下穴は5/16 これは8ミリに相当する。つまり8ミリのドリルが必要だ。持ってなかったのでホームセンターに行き、木工用の8ミリドリル、電動ドライバーに差し込めるように根本が規格サイズの六角の形状になっている奴を買ってきた。
必要は物はこんな感じ
電ドラ、8ミリ木工用ドリル、下穴に鬼目ナットをねじ込むのに必要な6ミリの六角レンチ、削りカスを飛ばすブロワー(実際は掃除機でやらないと飛び散ってたいへんなので使わず)、喉を潤すアイスコーヒー、
と、こんなもんか。ガチガチに固定したい場合は木工用ボンドもあったほうが良いらしい。
左が鬼目ナット。これをスピーカーに埋め込み、それに右のスパイクをねじ込む。
さて、位置をきめて下穴をほる。今回は角から1インチ内側にスパイクを刺す事にした。
定規で測って鉛筆で印をつける。
この8ミリのドリルで下穴をあける。
こんなふうに削りカスがでるのでハンディ掃除機を手元に用意しておくと良い^_^
目標の深さに到達。しっかり鬼目ナットの長さ分掘らないとねじ込んだときに途中で止まってしまい、それでも回すと潜ろうとする力で逆に周りの木が持ち上がってしまうので注意。
さらに突板の部分を少し削る。こうしないと最後に鬼目ナットの皿の部分が突板を捻ってしまう。
6ミリの6角レンチで真っ直ぐに入るように鬼目ナットをねじ込んで行く。
鬼目ナット打ち込み完了!面一にするとさらに良いのだが、そうするには突板を丸く切り取ってやらないとダメで、綺麗に出来そうに無いのでこのぐらいで勘弁してやった。強度的には問題ない。ちなみに木工用ボンドも使った。
これを一本につき4箇所。完成!
スパイクをねじ込むとこんな感じ。
付属のスパイク受けるに乗せる。悪くないけどこれだとちょっと貧弱なイメージ。
手持ちの少し大きいスパイク受けに換装。安定感も出たし、実際かなり安定している。スパイク受けの下にはフェルトを貼ってある。
完成!試聴! んー良くなったなあ、すっきりくっきり、音の解像感が上がったと感じる。フルレンジ特有のピュアな鳴り方がより明確になった。
結果として買って良かったと思う物だったし、着けてみてもよかったも思う。値段も安いしその割に質感は良い。鬼目ナットは初めて扱うものだったが工作もしやすかった。
さて、暫くはこれで満足、、出来るといいなあ。というのは、
実はスピーカーユニットの交換もやってみたくなっていたりする。Fostexにはこれの上級、というかバックロードホーン専用のユニットというのがあり。僕がつくったこのエンクロージャーは普通の箱でバックロードホーンとは全く違うのたが、それ専用と言われるこの高くてカッコいいユニットを付けたらどうなるのか、、やってみたくてウズウしている。。だれかどうなるか知ってたら教えて欲しい。
これね https://www.fostex.jp/products/fe108e_sigma/
さておき、
自分で組み立てた物って言うのはやっぱり愛着がもてる。こうやって少しづつカスタムしながら成長させて、物を大事にしていくのは大切なんじゃないだろうか。
いまライカプロフェッショナルストア東京で僕の写真展をやっているが、
https://store.leica-camera.jp/event/exhibition_nagumo_sl2s
そこに置いた4Kモニターに繋いであるスピーカーは当時小学校3年生の娘2号がやはりFostexの夏休み子供ワークショップで組み立てたものだ。
音っていったいなんだろうとか、その伝わり方とか、周波数とか勉強をして、組み立てて、聴いて、それを夏休の自由研究としてまとめた。いいレポートだった。
僕もこのワークショップでなぜスピーカーってこういう構造で出来ているのかとか教えて貰いながら作ったけど、ただ既製品を買ってきていいだ悪いだやるよりよっぽど価値のある時間だと思ったな。
みんな、なんでスピーカーって箱が必要か知ってる?^_^
さておき。音も見た目グレードアップ!! あー楽しかった。オススメ!(^^)