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【MIL】Grant Anderson・Tyler Alexander獲得
ブルワーズ担当のあなんです。
今回はトレードとFAで獲得した2人の投手を取り上げます。
○ Grant Anderson
ブルワーズは1/3にレンジャーズとトレードを行い、27歳のリリーフ右腕Grant Andersonの獲得を発表しました。対価は24年ドラフト7巡目指名のMason Molina投手です。
We have made the following trade with Texas to acquire RHP Grant Anderson
— Milwaukee Brewers (@Brewers) January 3, 2025
To make room, LHP pitcher Tyler Jay was designated for assignment pic.twitter.com/mjpJW9CEJk
Andersonは2018年にドラフト21巡目(全体628位)でマリナーズに入団。2019年4月にトレードでレンジャーズへ移籍し、2023年にMLBデビューしました。マイナーでは当時投手育成コーチを務めていた倉野信次(現ソフトバンク投手コーチ)との交流もあったそう。高校までは捕手がメインでポジションで、本格的に投手を務めたのは大学から。チームメイトに触発されて大学2年時にサイドスローに転向しました。
またまたメジャーデビュー‼️
— 倉野信次 (@shinji_kurano) June 2, 2023
昨年一緒に過ごしたアンダーソン選手。
僕の話をよく聞きに来てくれるほど勉強熱心で、日本の野球や文化が大好きで、僕もそんな彼が大好きです😊
しかも中継ぎで2回2/3を7奪三振の物凄い投球で初登板初勝利も🔥
感激しました😭#メジャーデビュー#成長を見れるやりがい https://t.co/bLs5MhUC1u
Andersonはメジャーで非常に苦しんでいます。3Aでは昨年26試合に登板し防御率2.93を収めたものの、MLBでは2シーズンで49試合に登板し防御率6.35 / FIP4.53 / fWAR-0.8。昨年は奪三振率こそ平均以上でしたがそれ以外の指標は軒並み平均未満でした。対左が大きな課題で、昨年は対左で被安打15本のうち10本がHRになっています。長打率は対右が.361に対し対左は.938。K-BB%も左右で10ポイント以上の開きがあります。
持ち球は80mph前半のスライダーと90mph前半のフォーシーム、シンカー、そしてチェンジアップ。右打者にはスライダーを外、シンカーを内に散らし、左打者にはフォーシームとバックドアのスライダーを投げます。
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彼の特徴は非常に個性的な投球フォーム。MLB1年目はクローズドの構えからボールとグラブを頭上でタップしながら膝を大きく上げ、上体を大きく捻って投げていました。24年のキャンプで投球直後三塁側に身体がぶれるなどを理由に落ち着いたフォームに変更したものの、すぐに大きく捻るフォームに戻っています。絶賛迷走中といったところでしょう。マイナーオプションが1つ残っているため、じっくりマイナーでデリバリーの安定化を図ってもらいたいです。
A day to remember for Grant Anderson!
— MLB (@MLB) May 31, 2023
He struck out 7 of the first 8 batters he faced and picked up a W in his MLB debut. pic.twitter.com/5DEYCIm6Jv
ちなみに、Grantの45秒前に生まれた双子の兄Aidan Andersonは現在レンジャーズの3Aに所属。10歳から同じチームで野球をしており、当時は交互にバッテリーを組んでいたそう。そのAidanはGrantの1年後にドラフト外でフィリーズと契約。23年春にレンジャーズへ移籍しました。偶然の再会を果たしていたAnderson兄弟ですが、今回のトレードで離ればなれになってしまいました。
○ Tyler Alexander
2/13ブルワーズはサウスポーのTyler Alexander投手を獲得したと発表しました。
契約内容は1年$1.0M。25年オフでFAとなります。
We have signed LHP Tyler Alexander to a one-year deal pic.twitter.com/ujfqcettJw
— Milwaukee Brewers (@Brewers) February 12, 2025
Alexanderは2015年にドラフト2巡目(全体65位)でタイガースに入団し、2019年にデビュー。20年にはAL記録の9者連続奪三振を記録。23年オフにウェイバーでレイズに移籍。24年オフにノンテンダーとなりFAになっていました。
Tyler Alexander strikes out 9 consecutive batters, tying Doug Fister for the AL record. 🔥 pic.twitter.com/qMQLfDuIpv
— MLB (@MLB) August 2, 2020
タイガースでは5年間で120試合登板し、うち先発では43試合に登板。この期間防御率4.38(ERA+98) / FIP4.59 / fWAR1.8を収めました。移籍後のレイズでは23試合(9先発)でキャリアワーストの防御率5.10 / FIP5.08 / fWAR-0.6。オフにノンテンダーを受けました。
Alexanderは5球種を操る器用な投手です。
ここ2, 3年はカッターとフォーシームをメインにチェンジアップ、シンカーを投げています。タイガースではスライダーも投げていましたが、レイズ移籍後はスイーパーに変更しています。球速はカッター85mph / フォーシーム89mphと遅い部類に入り、奪三振率はキャリアで19.1%。これは19-24年で計400イニング投げた投手139人中111位です。一方で、制球力に優れ与四球率は5.2%で9位に入ります。
Tyler Alexander, Wicked 78mph Sweeper. 🤢 pic.twitter.com/jR80y4Xtab
— Rob Friedman (@PitchingNinja) May 6, 2024
レイズでの投球スタイルは一貫して強気。
ヒートマップを見ると、右打者に対しては速球をインハイへ、ブレーキングボールもゾーン内へ投げ込んでいます。左打者相手にも同様で、第一球種のスイーパー / シンカーはそれぞれ57% / 73%がゾーン内に入っています。
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レイズに移籍してからの変化としては、全体的に横変化量が増加し、ホップ成分が落ちています。さらに球速が全体的に低下気味で、カッターとチェンジアップは1.5mphほどダウンしています。これらの原因はアームアングルを39°→36°に下げたことが影響していると考えられます。
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Alexanderに求められる役割はスイングマン。
現時点でブルワーズの先発ローテは
➀Peralta ➁Myers
➂Cortes ➃Civale
が確定。オフの想定ではこれにWoodruffとHallが加わるところでしたが、いずれも開幕に間に合わないため、AlexanderはAshby / Thomas(ルール5ドラフトでSTLから入団)らと先発5番手を争い、外れたらリリーフという形でしょう。Alexanderはキャリア通じてスイングマンでしたが、ブルワーズでもそれは変わらないと思われます。