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【MIL】新ルール「両リーグDH」を考える
ブルワーズ担当のあなんです。
現在行われている()新労使協定交渉で、「ユニバーサルDH」の導入が確実となりました。投手が打席に立つといって思い出されるのはこのシーン。
Brandon Woodruff are you KIDDING ME!?
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) October 13, 2018
The @Brewers pitcher just took Kershaw deep!
📺:Live on FS1 pic.twitter.com/Kq63qfoTrq
リリーフがNLCSでホームランを打ったのはWoodruffが初でした。もうこんな激アツなシーンが見れないのは正直寂しいです。
それはそうと。
今回は、ナ・リーグに所属するブルワーズがDH導入に向けてどのような立ち回りをすべきか考えていきます。選択肢は「チーム内で補う」「FAで獲得」「トレードで獲得」の3つですので、これらの可能性について探っていきます。
現状のスタメン
C : O.Narvaez
1B: R.Tellez
2B: K.Wong
SS: W.Adames
3B: L.Urias
LF: C.Yelich
CF: L.Cain
RF: H.Renfroe
捕手控え:P.Severino
内野控え:K.Hiura、J.Peterson、M.Brosseau、P.Reyes
外野控え:T.Taylor
内野に関しては、Wong・Adames・UriasがDHに座る可能性はほぼゼロです。外野に関しては、怪我持ちのYelichとCainがローテーションでDHにつく可能性が考えられます。
チーム内で補う
現時点の有力候補はKeston Hiura。
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ここ2年は空振りを量産していてメジャーとマイナーを行ったり来たりですが、デビュー初年度は84試合で.303/.368/.570 OPS+138を残しており、潜在能力はあります。今オフはジュニア時代のコーチとマンツーマンで打撃改善に取り組んでいるそうで(the Athleticより)、この成果が挙がればDHの座を十分確保できます。守備がいまいちな点も候補に挙がる理由のひとつです。もし打撃が向上したら、オフに「ユニバーサルDHの恩恵を最も得た選手」として最初にピックアップされるでしょう。
キャンプ招待選手として獲得したDavid DahlやTBからトレードで獲得したBrosseauも候補ですが、こちらはスプリングトレーニング次第といったとこでしょう。
FAで獲得する
FAで獲得すべき選手をピックアップする前に、獲るべき選手のタイプと年俸について考えていきます。
まずタイプは個人的には外野手 or 右のファーストです。外野手が必要なのは、スタメンにYelichとCainが常に入れるような柔軟性を保つため。一部記事(こちら)ではNelson CruzやKhris Davisが候補に挙げられていますが、DH専門の選手はブルワーズにはフィットしないと思います。たとえ年俸を低く抑えられたとしても、スタメンのやりくりを難しくするリスクがあって効果的な補強といえません。
右のファーストを挙げたのは、左打ちのTellezとの併用を目論んでいます。昨年の成績は不思議にも対左>対右ですが、対右に専念させる意味で右打ちの一塁手の獲得を考えるべきです。さっきの記事で挙げられてたMorelandは左打者なので、この時期の補強としてはあまり好ましくないですね。
次に年俸ですが、単年なら$12MM、複数年なら$8MM~$10MMあたりでしょう。単年契約ならある程度奮発できますが、複数年契約ではそれができません。22年オフにBurnesやHaderなどコアメンバーの年俸調停が控えているためペイロールに余裕を持たせる必要があります。一方でプロスペクトはまだまだメジャーでプレイできないので、それまでの穴埋めとして複数年契約を結ぶべきだと思います。こうした事情とMILがスモールマーケットなことを含めると、$8MM~$10MMが妥当です。
※Cainとの契約(5年$80MM)が今季限り&Hader放出の可能性が高いため、球団は打線の補強にケチらないかも?と思ったりも。難しいとこです。
以上を踏まえてブルワーズがFAで獲得すべき選手は、Jorge Soler、Kyle Schwarber、Michael Conforto、Eddie Rosario、Tommy Phamあたりではないでしょうか(安パイ)。どの選手も長打力がある、外野を守れる、$8MM~$10MM/年で獲得可能という点でMILに適しています(Schwarberには足りない気もする)。私のおすすめはSolerとSchwarberですね。2人とも連れてきたら万々歳!
トレードで獲得する
多くの記事でトレード候補として挙げられている選手がオリオールズのTrey Manciniです。
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Manciniは、闘病で全休した20年を除いて毎年20本以上のHRを打っているパワーヒッターで、昨年は打率.251でHR21本打点73。22年オフにFAとなりますが、ロックアウト前に契約延長の交渉が行われなかったため放出の可能性大と見られています。
守備は主に外野と1Bですが、外野のOAAが17年以降、-5、-11、-7と平均を大きく下回っているので、もしMILに入団した場合はTellezと併用で1Bにつくでしょう。
個人的に薦めたい選手はヤンキースのLuke Voit。昨年は怪我で頻繁にIL入りしましたが、20年HR王に輝いたパワーに疑いはありません。年俸が$5.4MM(予測)とかなりリーズナブルな点やTellezと併用できる点も魅力的です。
レイズのAustin Meadowsも候補のひとつだと思います。レイズは年俸調停前の放出に前向きですし(出典)、レフトを守れる外野手はYelichの保険としてもMILにフィットしそうです。Adamesとの再会も果たせますね。
まとめ
ユニバーサルDH導入に向けてMILがどのように立ち回るべきか考えてきましたが、ロックアウトが明けたら速攻で外野手獲得に向かってほしいの一言に尽きます。いかんせんブルワーズはパワー不足。大砲と呼べる人が少ないです。Hiuraが覚醒すればMILの未来はだいぶ明るくなるんですけどねぇ。Solerとの複数年契約に期待するとします。
今回は以上です。
さいごまでありがとうございました。