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【MIL】ギリ開幕ダッシュ成功のブルワーズ【3, 4月振り返り】
ブルワーズ担当のあなんです。
日本時間4/30現在、ブルワーズは17勝11敗でNL中地区2位。首位カブスとは0.5G差です。開幕から5カード連続勝ち越して、同地区相手にも7勝3敗ときっちり貯金を作るも、得点力不足でカブスに首位を譲りました。
それでも、オフに主力が相次いで移籍&離脱し、明らかな戦力ダウンでシーズンを迎えたことを考慮すると十分すぎる結果といえるでしょう。
ちなみにブルワーズのスタートダッシュはここ数年良く、2021年以降の3, 4月成績は66勝36敗(4/28時点)でMLBトップです。
The @Brewers own a .653 winning percentage (62-33) across March & April since 2021, by far the best mark in baseball. https://t.co/ExI95gsCyH
— MLB Stats (@MLBStats) April 20, 2024
では、各ポジション別に4月を振り返ります。
○ 先発
信頼できる投手がPeraltaのみでは苦しいという予想は的中しました。
Burnesの見返りで獲得したHallは4/5試合で5回持たず降板し、現在はILに入っています。昨年までリリーフだったとはいえ、先発として著しく球速低下しているのが気がかり。
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ジャイアンツから獲得したJunisは開幕4戦目に登板後、右肩の故障でIL入り。さらに試合前の打撃練習で、外野でランニング中のJunisの首に打球が直撃し救急車で搬送されました(幸いにも大事には至らず)。
Brewers pitcher Jakob Junis was hit in the neck by a batted ball during batting practice. He is conscious, alert and responsive. He was sent to the hospital for further evaluation.
— Milwaukee Brewers (@Brewers) April 22, 2024
Mileyは昨日トミージョン手術が決定しシーズン終了。Ashbyも復帰登板で滅多打ちに遭い即日オプション行使されました。
Bad news for Wade Miley and the Brewers: The 37-year-old lefty needs Tommy John surgery. He’ll spend the next 10-12 months rehabbing and then decide whether to continue his career.
— Adam McCalvy (@AdamMcCalvy) April 26, 2024
そんなこんなで早くも再編されたローテがこちら。
①Freddy Peralta
②Colin Rea
③Joe Ross
④Bryse Wilson
⑤Tobias Myers
現在計算できるのはPeraltaとReaのみ。Peraltaは4試合で防御率1.90/33奪三振と、エースという名に恥じない投球をしており、Reaも毎試合5回を投げ切りきっちりゲームメイクしています。
しかし、それ以外は慎重な運用を求められる投手ばかり。
3年ぶりにMLBに復帰した元ナショナルズのJoe Rossは制球にばらつきがあり、調子の波が大きい。Wilsonは開幕こそロングリリーフでしたが、先発の相次ぐ離脱でお鉢が回ってきたかたちで投げており、現在は5, 60球が関の山という状況です。
このため、先発の平均投球回は4.85回とホワイトソックスに次ぐMLB2番目に少ないイニング数となっています。当然リリーフにしわ寄せがきており……。
唯一の光は現在5番手のTobias Myers。ルーキーの25歳右腕です。2016年にドラフト6位でオリオールズに入団した後、レイズ、ガーディアンズを渡り歩き、昨年からブルワーズでプレーしていました。
デビュー登板では先頭のMcCutchenに初球を被弾するも、それ以降は無失点に抑え、5回83球4安打4奪三振1四球と上々のデビューを飾りました。
Tobias Myers bounced back quickly from giving up a homer on his first Major League pitch.
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) April 24, 2024
The @Brewers prospect showed resilience in not allow another run over his five innings: https://t.co/r9jwCohMkz pic.twitter.com/Q1TJDfteTP
特筆すべきは速球。ホップ量がフォーシームは平均+24%でMLBトップ、カッターは平均+16%で全体10位の数値を誇ります。
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○ リリーフ
要介護な先発投手が多い分、ブルペンは負担を強いられました。開幕4連勝した期間、リリーフの投げたイニングはなんと17回。そしてそのしわ寄せは早くも到来し、Uribeは4月中盤制球に苦しみクローザー剥奪。Pegueroも失点を重ねると、一時的に勝ちパターンから外されました。
開幕当初クローザー候補だったMegillは不幸にも、食中毒で転倒した際に後頭部を打って脳震盪に(現在は復帰)。キャンプで輝きを放ったBukauskasは広背筋の張りでILに下がりました。
Add this to the pantheon of weird injuries: Trevor Megill had food poisoning in NYC and when he returned to Milwaukee went to a phone store. While there, he fainted and all 6-foot-8 fell to the floor. He ended up with a concussion and is now on the IL. Scary injury.
— Curt Hogg (@CyrtHogg) April 3, 2024
現在クローザーを務めているのはPayampsですが、Devinが復帰するオールスター明けまでに持てば十分といったところです。
ただこんな誤算続きのブルペンでもなんとかなるのがブルワーズの強み。ヤンキースと戦うまでのリリーフ防御率はNL2位でした(ヤンキースに滅多打ちされ現在は8位)。
Brewers bullpen the last 12 games:
— Dominic Cotroneo (@Dom_Cotroneo) April 25, 2024
50.1IP, 1.43 ERA (1st in MLB) https://t.co/13uWaJiMZH
一番のサプライズはBryan Hudson。オフにドジャースからDFAされたサイドスロー左腕は、11試合に登板して17奪三振/防御率0.73。バルクガイからワンポイントまで幅広い起用に応えています。引き継いだランナーをまだ一度も返していない点も魅力です。
Bryan Hudson Painting. 🖌️🎨 pic.twitter.com/uzSi4QF5Tv
— Rob Friedman (@PitchingNinja) April 21, 2024
○ 野手
序盤は打線が非常に活気づき、4/7から6試合連続7得点を記録。しかし、とある選手の離脱で貧打に逆戻りし、直近9試合の平均得点は3.4点にまで落ちています。
The last time each franchise scored 7+ runs in 6 consecutive regular season games in the same regular season:
— Codify (@CodifyBaseball) April 13, 2024
2024 MIL (their last 6 games!)
2023 SF
2021 PHI TB
2018 CLE
2017 STL
2014 LAA
2011 TEX
2007 NYM NYY
2006 ATL CWS
2005 BOS
2004 COL HOU
2002 SEA
2001 CIN LAD
2000 OAK TOR… pic.twitter.com/4tS1H4xtdz
トッププロスペクトのChourioは開幕戦に1番ライトで先発出場し、初ヒット/初盗塁を記録。しかし現在は直近10試合で打率.172/OPS.536と非常に苦しんでいます。それでもfWARがギリプラスを保っているのは守備のおかげ。Fielding Run ValueはライトでMLBトップです(参照)。
Jackson Chourio comes a looong way to make a diving catch for the @Brewers: pic.twitter.com/Itek3RYi3L
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) April 24, 2024
ContrerasとAdamesはいずれもfWARでNLトップ15にランクイン。Hoskinsもまずい守備とチャンスでの併殺は目につくものの、6HR / SLG.457と一定の期待には応えています。
Swing timing: perfect-perfect@rhyshoskins https://t.co/qJR75A2Ltr pic.twitter.com/NHRi6jRDbh
— Milwaukee Brewers (@Brewers) April 22, 2024
野手のサプライズはBlake PerkinsとBrice Turang。ともに2年目の二人は昨季打撃に苦しみましたが、今季はここまで目を見張る数字を残しています。
Blake Perkins
21試合 89打席 3HR 10打点 2盗塁
.280 / .393 / .440 / 140wRC+ 0.8fWAR
Brice Turang
26試合 100打席 2HR 9打点 13盗塁(NL2位)
.300 / .360 / .422 / 122wRC+ 1.1fWAR
特にPerkinsの活躍には大変驚きです。昨年外野4番手だったスイッチヒッターは、フルタイム中堅手としてその座を確保。WARはなんとTroutと等しく、現在MLBトップのセンターとなっています。守備でもNootbaarのホームランボールをキャッチするなど、印象に残るプレーも残しています。
Blake Perkins parks it in the seats and gives the @Brewers the lead! pic.twitter.com/A68HU8cqlT
— MLB (@MLB) April 27, 2024
HE'LL TAKE THAT, THANKS@theBlakePerkins pic.twitter.com/2bw5AZTIly
— Milwaukee Brewers (@Brewers) April 21, 2024
さて、先述のとある選手というのはこの男。
YELIIIIIIIIII BOMBBBBBBBB!!!!#BREWERS // #THISISMYCREW pic.twitter.com/WRn0yEUHh7
— Bally Sports Wisconsin (@BallySportWI) April 2, 2024
やはりブルワーズの打線を引っ張るのは彼です。
今季から3番に座ったYelichは開幕戦で左のQuintanaから同点HR含む3安打を放つと、11試合で5HRの暴れっぷり。この期間のスラッシュラインは.333/.422/.744で、wRC+はBettsに次ぐNL2位。かつての打棒が完全に蘇ったのでした。
He's simply on another level@ChristianYelich pic.twitter.com/FCoZJvXz32
— Milwaukee Brewers (@Brewers) April 10, 2024
しかし、4/12に腰の張りで途中交代すると3日後にILへ。そして打線も一緒に下降していくのでした。
現在は軽いランニングをするまでに回復しています。もともと背中に爆弾を抱えているYelich。まだシーズン序盤であることから回復に急ぐ必要は全くなく、慎重に治療してもらいたいところ。5月から再び猛打をふるうことに期待です。
Christian Yelich’s first 10 games by year
— The Brew Crew Scoop (@BrewCrewScoop) April 11, 2024
‘18: .342/.444/.526, 1 HR, 6 RBI
‘19: .361/.489/.889, 5 HR, 13 RBI
‘20: .125/.255/.375, 3 HR, 6 RBI
‘21: .353/.463/.382, 0 HR, 1 RBI
‘22: .242/.395/.455, 1 HR, 6 RBI
‘23: .231/.348/.333, 1 HR, 2 RBI
‘24: .316/.409/.737, 5 HR, 11 RBI pic.twitter.com/pL0BALM74C