【MIL】ギリ開幕ダッシュ成功のブルワーズ【3, 4月振り返り】
ブルワーズ担当のあなんです。
日本時間4/30現在、ブルワーズは17勝11敗でNL中地区2位。首位カブスとは0.5G差です。開幕から5カード連続勝ち越して、同地区相手にも7勝3敗ときっちり貯金を作るも、得点力不足でカブスに首位を譲りました。
それでも、オフに主力が相次いで移籍&離脱し、明らかな戦力ダウンでシーズンを迎えたことを考慮すると十分すぎる結果といえるでしょう。
ちなみにブルワーズのスタートダッシュはここ数年良く、2021年以降の3, 4月成績は66勝36敗(4/28時点)でMLBトップです。
では、各ポジション別に4月を振り返ります。
○ 先発
信頼できる投手がPeraltaのみでは苦しいという予想は的中しました。
Burnesの見返りで獲得したHallは4/5試合で5回持たず降板し、現在はILに入っています。昨年までリリーフだったとはいえ、先発として著しく球速低下しているのが気がかり。
ジャイアンツから獲得したJunisは開幕4戦目に登板後、右肩の故障でIL入り。さらに試合前の打撃練習で、外野でランニング中のJunisの首に打球が直撃し救急車で搬送されました(幸いにも大事には至らず)。
Mileyは昨日トミージョン手術が決定しシーズン終了。Ashbyも復帰登板で滅多打ちに遭い即日オプション行使されました。
そんなこんなで早くも再編されたローテがこちら。
①Freddy Peralta
②Colin Rea
③Joe Ross
④Bryse Wilson
⑤Tobias Myers
現在計算できるのはPeraltaとReaのみ。Peraltaは4試合で防御率1.90/33奪三振と、エースという名に恥じない投球をしており、Reaも毎試合5回を投げ切りきっちりゲームメイクしています。
しかし、それ以外は慎重な運用を求められる投手ばかり。
3年ぶりにMLBに復帰した元ナショナルズのJoe Rossは制球にばらつきがあり、調子の波が大きい。Wilsonは開幕こそロングリリーフでしたが、先発の相次ぐ離脱でお鉢が回ってきたかたちで投げており、現在は5, 60球が関の山という状況です。
このため、先発の平均投球回は4.85回とホワイトソックスに次ぐMLB2番目に少ないイニング数となっています。当然リリーフにしわ寄せがきており……。
唯一の光は現在5番手のTobias Myers。ルーキーの25歳右腕です。2016年にドラフト6位でオリオールズに入団した後、レイズ、ガーディアンズを渡り歩き、昨年からブルワーズでプレーしていました。
デビュー登板では先頭のMcCutchenに初球を被弾するも、それ以降は無失点に抑え、5回83球4安打4奪三振1四球と上々のデビューを飾りました。
特筆すべきは速球。ホップ量がフォーシームは平均+24%でMLBトップ、カッターは平均+16%で全体10位の数値を誇ります。
○ リリーフ
要介護な先発投手が多い分、ブルペンは負担を強いられました。開幕4連勝した期間、リリーフの投げたイニングはなんと17回。そしてそのしわ寄せは早くも到来し、Uribeは4月中盤制球に苦しみクローザー剥奪。Pegueroも失点を重ねると、一時的に勝ちパターンから外されました。
開幕当初クローザー候補だったMegillは不幸にも、食中毒で転倒した際に後頭部を打って脳震盪に(現在は復帰)。キャンプで輝きを放ったBukauskasは広背筋の張りでILに下がりました。
現在クローザーを務めているのはPayampsですが、Devinが復帰するオールスター明けまでに持てば十分といったところです。
ただこんな誤算続きのブルペンでもなんとかなるのがブルワーズの強み。ヤンキースと戦うまでのリリーフ防御率はNL2位でした(ヤンキースに滅多打ちされ現在は8位)。
一番のサプライズはBryan Hudson。オフにドジャースからDFAされたサイドスロー左腕は、11試合に登板して17奪三振/防御率0.73。バルクガイからワンポイントまで幅広い起用に応えています。引き継いだランナーをまだ一度も返していない点も魅力です。
○ 野手
序盤は打線が非常に活気づき、4/7から6試合連続7得点を記録。しかし、とある選手の離脱で貧打に逆戻りし、直近9試合の平均得点は3.4点にまで落ちています。
トッププロスペクトのChourioは開幕戦に1番ライトで先発出場し、初ヒット/初盗塁を記録。しかし現在は直近10試合で打率.172/OPS.536と非常に苦しんでいます。それでもfWARがギリプラスを保っているのは守備のおかげ。Fielding Run ValueはライトでMLBトップです(参照)。
ContrerasとAdamesはいずれもfWARでNLトップ15にランクイン。Hoskinsもまずい守備とチャンスでの併殺は目につくものの、6HR / SLG.457と一定の期待には応えています。
野手のサプライズはBlake PerkinsとBrice Turang。ともに2年目の二人は昨季打撃に苦しみましたが、今季はここまで目を見張る数字を残しています。
特にPerkinsの活躍には大変驚きです。昨年外野4番手だったスイッチヒッターは、フルタイム中堅手としてその座を確保。WARはなんとTroutと等しく、現在MLBトップのセンターとなっています。守備でもNootbaarのホームランボールをキャッチするなど、印象に残るプレーも残しています。
さて、先述のとある選手というのはこの男。
やはりブルワーズの打線を引っ張るのは彼です。
今季から3番に座ったYelichは開幕戦で左のQuintanaから同点HR含む3安打を放つと、11試合で5HRの暴れっぷり。この期間のスラッシュラインは.333/.422/.744で、wRC+はBettsに次ぐNL2位。かつての打棒が完全に蘇ったのでした。
しかし、4/12に腰の張りで途中交代すると3日後にILへ。そして打線も一緒に下降していくのでした。
現在は軽いランニングをするまでに回復しています。もともと背中に爆弾を抱えているYelich。まだシーズン序盤であることから回復に急ぐ必要は全くなく、慎重に治療してもらいたいところ。5月から再び猛打をふるうことに期待です。