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【MIL】Crew's CLUE ~TDLまとめ&7月総括~

ブルワーズ担当のあなんです。

今回は7月の振り返りをサクッとした後、TDLについてお話します。

7月の戦績

24試合で13勝11敗。
地区首位をキープしています。

総評

オールスターブレイクを境にチームがガラッと変わりました。

オールスター前:6勝9敗
オールスター後:7勝2敗

何が変わったかというと、打線。オールスターブレイクが明けて突如、打線が働き始めました。

7/1 ~ 7/18 (15試合)
.234/.315/.393  (NL9位 / 5位 / 6位)
wOBA:.312 (6位)
wRC+:98 (8位)

7/23 ~ (9試合)
.291 / .377 / .522  (2位 / 1位 / 1位)
wOBA:.379 (1位)
wRC+:145 (1位)

この変貌を支えているのがYelichRenfroe、そしてWong

後半戦9試合でYelichは.351/.478/.541、Wongは.419/.472/.677と絶好調。Renfroeはホームラン6本。これはJudge(9本)に次ぐHR数です。7/23のCOL戦では2点ビハインドの延長10回に値千金の同点2ランを放ちました。

そのほかレギュラー陣が期待通りの働きをしていて""ようやく""打線が繋がりはじめています。これまで得点圏にランナーを進めては凡退するを幾度となく繰り返していていましたが、後半戦に入って長打でランナーを返せています。


そのほか先発とリリーフについて。

6月に崩壊しかけたローテは立ち直りました。ローテにはAshbyを含む5人しかいませんが、変わらず安定したピッチングをみせています。

問題はブルペン陣。Devin Williamsは30試合連続無失点と絶好調ですが、そのほかの勝ちパが軒並み調子を落としています。そして、少ないリードを守れず敗戦する試合が増えてきました。6月の総括でブルペンについて「少しずつHPが削られている」と評しましたが、7月は「崩壊寸前」と表現してよいでしょう。

Hader
6月:8.0イニング  3失点 ERA 3.38 WHIP0.88
7月:9.1イニング 13失点 ERA12.54 WHIP2.25

Boxberger
6月:10.1イニング 1失点 ERA0.87 WHIP0.77
7月: 9.2イニング 5失点 ERA4.66 WHIP2.07

Gott (6月ほぼIL)
5,6月:14.2イニング  7失点  ERA4.30 WHIP1.22
7月 :10.1イニング 8失点 ERA6.97 WHIP0.97

Haderに関しては、休養たっぷりとった後は本来の投球を戻しつつあります。4~6月ほどの支配力は感じませんがなんだかんだ抑えるのがHaderですからね。信じていますよ。

TDLではHaderを放出し、McGeeBushRosenthalのベテランリリーバーを次々に獲得しました(後述)。今後は疲弊しきったブルペン陣を支える活躍に期待します。


ここからはTDLのおはなし。
今年の補強ポイントについて明確にしたあと、誰を獲ったかお話しします。


TDL2022まとめ

・ MILの補強ポイント

ブルワーズの補強ポイントは言うまでもなく打線でした。その根拠がこちら。

前半戦の野手成績
打率 :13位
得点 :8位
出塁率:9位
長打率:5位
OPS :8位
wOBA:8位
wRC+:7位 (101)
順位はリーグ順位

前半戦はとにかく打線が足を引っ張りました。長打率以外は全て下から数えたほうが早く、打率に至ってはARIとPITの次。地区首位に立ってるのは紛れもなく投手陣のおかげです。

さらに、「左投手に強い打者」が補強ポイントでした。

 左投手 (960打席) vs 右投手 (2532打席)

打率 :13位 (.225) vs 11位 (.239)
出塁率:11位 (.311) vs 7位 (.315)
長打率:13位 (.364) vs 3位 (.423)
OPS :13位 (.675) vs 3位 (.738)
wOBA:12位 (.301) vs 3位 (.322)
wRC+:12位 (91)  vs 3位 (105)

FanGraphs参照

MILは左投手に滅法弱い。こうした数字から「打率の残せる」「左投手に強い」打者が何としてでも必要でした。選手名を挙げるとJosh BellTray Mancini (個人的にはAguilar)ですね。

あとは、疲弊しきったブルペンにもう1,2枚追加できたらよいという感じでした。


さて、こうした事情を踏まえて。

・ TDL結果発表!!!!!

獲得・放出した選手は以下。

【獲得】
選手名(利き手 / 元所属先) 契約年数
・Jake McGee (LHP / SF) 残り0.5年 
・Taylor Rogers (LHP
 / SD) 残り0.5年
・Matt Bush (RHP /
 TEX) 残り2.5年
・Trevor Rosenthal (RHP / SF) 残り0.5年
・Dinelson Lamet (RHP / SD) → 8/4 DFA
・Robert Gasser (LHP / SD)  → AAへ
・Esteury Ruiz (OF / SD) → AAAへ


【放出】
・Josh Hader (LHP) → SDへ (残り1.5年)
・Mark Mathias (IF)
  → TEXへ (残り4.5年)
・Antoine Kelly (LHP) → TEXへ (残り6年)
・Tristan Peters (OF) #19 → SFへ (残り6年)


・ 第一印象

ブルワーズファンの誰もが思ったでしょう。

“野手をとってないだと!!???”


Why Stearns, Arnold & Attanasio!!!???



あれだけ味方投手陣を苦しませてた打線に、フロントは一切手をつけていません。
それどころか、9回の男Josh Haderを放出したのです。

いやぁ驚きました。Stearns編成部長とArnoldGMは何を考えているのか。このメンツでNYM・LADを倒せるとは到底思えない。


各トレードの詳細

・ Jake McGee獲得

TDL1週間以上前の7/23に左サイドスローのJake McGeeを獲得。

McGeeは今年、24試合で防御率7.17と成績を大きく落とし7月上旬にDFAされていました。
現在左のリリーフにはSuterとMilnerがいますが、Suterは開幕からピリッとせずMilnerの孤軍奮闘が続いていました。なのでこの獲得はとても良いです。金銭面でも最低年俸の日割り分で済みます。


・ Josh Hader放出

周りは「Haderのバリューが落ちる直前に放出できて素晴らしい」だの「MILの勝ち」だのやたらMILを称賛する声が大きいですが、私からすれば1番好きな選手が放出されたらそのトレードは負けです。以上(放棄)。

ちなみに、このトレードはSDサイドから持ちかけられたそう(引用元)。StearnsはSDの提示したパッケージがMILの現在と未来双方に利益をもたらすと感じ、Haderの年俸調停を控える今こそ売り時と判断したそうです。

なお8/4にLametをDFAした件は、以下の3点が取り上げられています。

・26人ロースター枠に入れない
・SuterをDFAして26人枠に入れても、モップアップ(敗戦処理)しか任せられず、球団のLamet再生プランに沿わない
・Lametにはオプションを拒否する権利を持っている

このようか理由からLametをDFAしたとみられます。MILの投手再生工場で復活する姿を見たかったですね。


・ Matt Bush獲得

8/2正午、TEXからBushを獲得。見返りに左投手のKellyと内野ユーティリティーのMathiasを放出しました。

Bushは平均97mphのフォーシームとカーブ、カットボールを投げる右のリリーフ。今シーズンはここまで36回2/3を投げて防御率2.95、45奪三振でした。

コマンドは荒いですが期待値指標がどれも上位5%前後に入っているので、力で押して打球管理するタイプと見てとれます。今後はBoxbergerやGottらと共にハイレバレッジな場面での起用が見込まれています。

Antoine KellyはMIL傘下16位の左投手で、今年のFuture Gameに参加しています。

今シーズンはA+で19試合に先発し防御率3.86。BB/9=5.1K/9=11.8で、ハイシーリングな投手と評されています。

Kellyは今オフのルール5ドラフト対象選手。プロテクトする予定のなかったフロントは、オフに対価ゼロで移籍される前にトレードの弾にしたとみられます。

・ Trevor Rosenthal獲得

TDL終了1時間前にSFからRosenthalを獲得。見返りにTristan Petersを放出しました。

Rosenthalは昨年、(資金不足に苦しんでいたOAKが必死こいてかき集めた$11Mで1年契約を結ぶも)怪我で全休した鬼畜野郎ですが、7/21にSFと$4.5Mでメジャー契約を結んでいました。

今年はまだ1試合も投げておらず、それどころかハムストリングの怪我で現在ILに入っています。予定では8月下旬に復帰するとの見込みです。正直期待していません。

対価として放出したPetersですが、今シーズンA+で90試合に出場して.306/.386/.475。BB%=11.7%、K%=15.9%、BB/K=0.74とアプローチに優れた良打者です。


TDLの感想と展望

結局、今年のTDLはベテランリリーフのかき集め(とプロスペクト補充)で終わりました。Haderの放出によって、9回を投げれるのは現状Devinのみ。しかしそれでは心許ないため、クローザー経験のあるリリーフを3人獲得したのでしょう。


以下、お気持ち。

野手を1人も獲得しなかったのは考えられない!!後半戦直後こそ打線が活発ですが、そんなの上振れです。

野手獲得が叶わなかったことについてStearnsは「交渉はしたもののどれも納得のいく内容ではなかった(超意訳)」と述べていますが、まぁいかにも堅実家らしいというか。たしかにMILにはSDのようにアクセルべた踏みする力はないですが、「活躍の見込めない選手(例:Gallo)」を獲得してお茶を濁すチームでもありません。

しかしそれを差し引いても、野手をアップグレードしないのは理解できません。今年のTDLからは「ブルペン厚くしとけば地区首位は守れる」という腹が透けて見えます。しかし、Hader放出しといてブルペン厚くするもなにもないでしょと私は言いたい。Haderという存在自体が相手チームには脅威だったんじゃないの??他のリリーフを束にしてもHader1人には劣る。それくらいHaderは絶対的な守護神でしょ。そんな彼を放出しといて優勝を狙えるとでも考えているのか??

Haderの見返りでプロスペクトの補充をしたので数年後の未来は明るいかもしれません。しかし今年はもうあまり期待できません弱点を全く補わず、強みも少し減らして残りのシーズンを戦おうとしているんですから。ライバルのSTLは弱点の先発をピンポイントで補強しました。それもNYYからMontgomery(LHP)。MILの弱点お見通しですね。この先MILがどのように戦っていくのか違った意味で楽しみです。


さて、8月の日程はこちら。

中旬からSTLとLADという強敵との対戦が続きます。ここで勝ち越せればポストシーズンへの期待が高まりますが果たして。

今回は以上です。
最後までありがとうございました。


5年間ありがとうHader!!
君のことは忘れないよ!!!

パドレスでも頑張ってね!!








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