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【MIL】Justin Wilson獲得

現地2/18、ブルワーズはJustin Wilson(ジャスティン・ウィルソン)と単年契約を結んだと発表しました。

年俸は今季$0.85Mで、来季のクラブオプションが$2.5M(buyout$0.15M)。つまり今季は年俸$1.0Mが保証されている形になります。

Wilsonは昨年6月にトミージョン手術を受け、現在もリハビリ中。開幕には到底間に合わず、戦列復帰は早くても7月と予定されています。そのため、翌年の契約にはクラブオプションが設定されており、復帰後の調子次第で来季の契約が決まるという流れになっています。

〇 スペック

Wilsonは現在35歳のベテラン左腕。短縮シーズンの20年を除く2013-21年で毎年40試合以上に登板したタフなリリーバーです。キャリアで6球団を渡り歩くジャーニーマンで、通算防御率は3.41、奪三振率は平均を上回る、非常に安定した活躍を続けています。左右もあまり苦にしないタイプで、キャリア通算では対左打者が.241/.324/.349、対右打者が.216/.308/.333。やや対右のほうが良い数字を残しています。

キャリア成績

一方で、ここ数年は健康面に不安があり、昨年はトミージョン手術を受けたほか、21年は序盤にハムストリングを故障しています。21年のWilsonはこの影響で打球管理能力が大きく低下。常に0点台だったHR/9が1.6になっただけでなく、HardHit率も20%後半から36%へ上昇、FIPも5点台に悪化しています。


球種は、95mph弱のフォーシームと90mphのカッターの2つ。この2つで投球の90%以上を占め、たまにスライダーも投げます。20代ではシンカーやカーブなども投げていましたが、30代に入った現在は速球をゾーン内にどんどん投げ込むスタイルで、年齢を感じさせない強気の投球を貫いています。


フォーシームの球速は年々低下していますが、伸びは抜群で、縦変化量は平均を大きく上回っています。回転軸が12時近くを指し、アクティブスピンが100%に近いというのが要因でしょう。カッターとスライダーは縦に鋭く落ちるのが特徴です。

baseball savantより


〇 いろいろ疑問の残るムーブ

長らくブルペンを牽引したHaderとSuterが去った現在、ロースター内にいるリリーフ左腕はMilnerのみ。FAやトレードでの獲得が絶対でした。しかし、蓋を開けてみるとリハビリ真っ只中のWilson。開幕に投げられない左腕の獲得は不可解です。


NRIの3人(ベテランのClaudio・若手のPannoneGasser)を昇格させる方針であっても疑問は残ります。実績的にClaudioが筆頭候補ですが、スペック的にMilnerの下位互換。Pannoneは19年を最後にMLB登板がなく、Gasserは昨年の終盤AAAへ昇格したばかりです。


既にAshbyの開幕絶望が決定しているのも含めて、なぜリハビリ中の左腕を獲得したのか理解できません。昨年右リリーフのみで日本シリーズを制したオリックスを引き合いに出して、"リリーフに左右は関係ない"という見方もできますが、Counsell監督は左vs左の構図にこだわる監督です。どう見てもMilnerのみでは苦しいでしょう。


また、夏以降のWilsonに期待を寄せるのもなかなか難しい。数年前まではfWARではプラスを生み、Bチーム(勝ちパ以外)のリリーフとしては十分な成績でボールの威力もありました。


しかし、現在は

①最後に162試合制でフルに投げたのは4年前
②衰えが隠しきれない年齢(復帰時点で36歳)
③トミージョン手術明け

とあまりにネガティブ要素が強すぎます。手術後もゴリ押しスタイルが通用するのか、フォーシームの球威は戻るのかといった不安は尽きません。


まぁネガるのはこれくらいにして、まとめると
さすがに開幕ベンチにはMilner以外も座っていると思うけど、それがClaudioじゃ物足りないでしょという話です。Ashby開幕絶望に始まり、Burnesの調停などネガティブな話題が止まらないブルワーズにそろそろ吉報がほしいです。


以上です。
最後までありがとうございました。

見出し画像:reviewing the crewより

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