【MIL】Devin Williamsの放出を考える
ブルワーズ担当のあなんです。
世間はワールドシリーズで盛り上がっていましたが、ブルワーズは2点差の9回表ツーアウトから某一塁手に被弾されてシーズンを終えました。
というわけでオフの話題に入っていきましょう。
今回は、その一塁手にツーストライクから程よい高さのチェンジアップを投げたDevin Williamsのトレードを考えます。
○ 改めてキャリアを振り返る
2013年にドラフトでブルワーズに入団したDevinは2019年にデビュー。Haderの前を投げるセットアッパーとして定着し20年に新人王を獲得。Haderがトレードされてからはクローザーに就き65セーブを挙げました。
速球は94mphと決して速くないものの、エアベンダーという異名を持つチェンジアップを武器に20年以降228試合に登板。奪った三振はリリーフ5位の361個。同期間の防御率は1.70(2位)、FIP2.24(3位)、被打率.144(1位)、K%40.8(2位)、fWAR7.6(2位)と、トップレベルの数字をマークしました。また、2度のNL最優秀リリーフ賞も受賞しています。
今季のDevinは春に背中の骨折が判明し前半戦を全休。後半戦からチームに加わり22試合に登板。21.2イニングを投げ14セーブを挙げました。
Devinの保有年数は残り1年。昨年オフに1年$7M+クラブオプション(CO)$10.5M(バイアウト$250K)の2年契約を結んでいましたが、前半戦全休が響き来季年俸調停予想額は$7.7M(参照)。フロントはCOを破棄したうえで調停に持ち込むとみられています。
○ フロントの動向
シーズン終了後の記者会見でGMのMatt ArnoldはDevinの去就についてこのように述べています。
"never close the door on anything"はArnoldが頻繁に使用しているフレーズなのでこれだけではヒントになりません。足元見られるのを避けてこのような表現をしているのでしょう。
直近でこのフレーズを用いたBurnesとAdamesについてはご存知のとおり、前者は放出され後者は残留しました。GMのコメントだけでは何ともいえないところ。
しかしDevinは放出するというのが大方の見立てです。
○ 対価は十分得られそう
1年$7.7Mという額は支配力に疑いのないクローザーにしては大変リーズナブル。トレードに出せば間違いなく良い対価を引き出せます。来季以降のコアになりうる若手を得られる貴重な機会。Adamesの後釜を探すもよし、Myersに次ぐ次世代の若手先発を探すもよしです。
オールスター級かつ保有年数1年のリリーフをトレードに出すケースはあまりなく、近いところだと今夏のTanner ScottとLucas Ercegのトレードでしょうか。
この2件をもとにDevinのパッケージを予想すると、傘下トップ10から1人、30位以内で1人は得られるとみてよいです。ブルワーズはMLBデビュー済みの選手を獲る傾向にあるので、現実的にはトップ10×1人+MLS1.000未満×1人といったとこでしょう。
○ 次期クローザー候補
Devinが放出された場合気になるのが後釜。しかし心配ご無用。候補は複数います。
本命は、Devinが欠場していた前半戦にクローザーを務めていたTrevor Megill。昨季途中ツインズからトレードで加入した右腕は今季48試合に登板し防御率2.72。 MLBトップクラスのハイアングルから100mph近い速球とナックルカーブを投げ打者を制圧しており、昨年の両球種のStuff+は126と167でした。
来季が3年目になる25歳のAbner Uribeも候補の1人。今季は右膝の手術を受けた影響で5月以降登板のなかったUrbieですが、来季はスプリングトレーニングには間に合うとのこと。デビューイヤーの昨年は30イニングを投げ防御率1.76 / 39奪三振。100mph近いシンカーと曲がりの大きいスライダーのコンビネーションでばっさばっさ空振りを奪い、大きなインパクトを残しました。
さらにマイナーには私のイチ押しプロスペクトのYohoもいます。初のプロシーズンだった今季はチーム最優秀投手に選出されています。これだけ候補がいればDevinの穴はすぐにでも埋まるでしょう。
○ まとめ
ここまで2000字かけてDevinのトレードについて言及してきましたが、こんなに文字数かけて述べることではありません。「歴史が証明している」の一言でおしまいです。絶対的クローザーをスモールマーケットのブルワーズが対価ゼロで流出させるわけがありません。ありえません。来季の開幕ロースターにいたらびっくりですわ。