「揺れるパールの煌めきを」
初めに、
藝祭2023、アートマーケットの３日間を無事終えることが出来ました。
暑い中にも関わらず沢山の方に足を運んでいただけたことに、
最終日から２日経った今も胸がいっぱいのままこの文章を書いています。
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今回、新作ジュエリーの主として使用したのは「淡水パール」です。
卒業制作を控え、素材研究として今年の３月に三重県の鳥羽に一人で旅行したことをきっかけにパールの魅力に心を奪われました。
私の物作りの中心にはいつも「愛情」があります。
自分の中に芽生えた感情に、ゆっくりと時間をかけ経験が重なり大きくなる愛情と、
貝の中に入り込んだ核に、時間をかけ層を重ねて美しく成る真珠。
大きさも形も人それぞれな真珠と、私が作品の中で表現したい愛情が重なり、
真珠を主としたジュエリーを作りたいと思い、今回の淡水パールシリーズを制作しました。
３月に制作し、完全受注生産という形で制作した「広がる愛情のパールリング」は、シルバーの土台にアコヤの本真珠をあしらったもの。
丸みを帯びたフォルムと、白の中にも何色もある色味を感じられる組み合わせがお気に入りの一点です。
藝祭では値段の規則に引っかかってしまう為、出品できませんでしたが、自身の初めてパールを使用したジュエリーとして、これからも制作していきたいデザインのうちの一つです。
藝祭での新作として一番最初に制作した淡水パールのピアス。
白を基調とした落ち着いた雰囲気のものと、ピンクを基調とした可愛らしい雰囲気のもの。
淡水パールは２つとして同じ形がなく、それぞれの形が合わさった時に心地よく感じるような組み合わせを探して制作しました。
お花から羽が生えてるように見えたり、ダイヤの表面に小さくハートがくっついていたり。お気に入りの色味や形のものを選んでいただけたら嬉しいです。
そして今回のシリーズで最後に制作した「揺れる気持ちのフックピアス」
シルバー棒材のしなりと、ランダムに配置されたパールが風に吹かれると揺れるデザインで制作しました。
熱して丸めたシルバーの先端が、パールから垂れた雫のような印象になり、夏の耳元に涼しさを与えてくれるジュエリーに仕上がりました。
そのほかにも、ネックレスやブレスレットなど、ヴィンテージビーズを使用したアイテムも、一点物として制作し、昨年の藝祭よりもバリエーションが増えた３日間になったのではないかと感じています。
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今年の３月のHOW TO VENUSさんでのお取り扱いから半年ぶりの対面のイベント。
久々の新作で忘れられていないかな、あの時好きだと言ってくれた人にまた好きになってもらえる物を作れるかな。なんて心配と共に藝祭準備の期間を過ごしていましたが、
あの場で初めてジュエリーを手にとってくださった方のキラキラした瞳や、
SNSで見ていて、実際に足を運んでジュエリーを買いに来た！と声をかけてくださった方々との会話で、私自身も自分で作ったジュエリーに惚れながらも不安な気持ち包まれつつ制作した時間は無駄ではなかったと思い、藝祭を終えることができました。
藝祭自体が４年ぶりの完全体開催ということで、昨年のアートマーケットよりも来場者数が多く、狙いを定めてご来場いただいたのにも関わらず会期中にsold outが出てしまったこと、申し訳ありませんでした。
沢山の嬉しい気持ちと共に、自分の未熟な部分も知ることができました。
今回の反省を活かして、また次の制作に取り組んでいこうと思います。
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最後に、
今回初めてジュエリーを手にとってくださった方、
再び私のジュエリーを迎えてくださった方、
沢山あるお店やインターネットの渦の中から私の作品を見つけて好きになってくださった方、
皆様、本当にありがとうございました。
年内にもう一度、藝祭よりも縛りのない空間で、
皆様にお会いできる機会をいただけるかもしれません。
また素敵だと思っていただけるような、
誰かの心に触れることができるようなジュエリーを作り続けられるよう、
日々精進したいと思います。
2023.9.5 nanai.
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