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「何をしたいいいのかわからない」。そんな状態からフラワーロス問題解決のためのバスソルトの作成へ!

 現在聖学院高校2年生の高橋巧己さんは、グローバルイノベーションクラスの起業ゼミに所属しており、環境活動家としてフラワーロス問題の解決を目的としたバスソルトの開発に取り組んでいる。またQWSチャレンジ#22では、『リリース・リボーン』という名前で地元民しか知らない地域資源の魅力発信に取り組んでいる。

 起業ゼミに入った時から、環境にはものすごく興味をもっていた巧己さん。当初は、廃棄食材を使った非常食の作成に挑戦しようとしていたが、加工が大変とのことで断念。その後も環境をテーマに色々アイデアを考えたが、どれも現実的に難しかったそう。このプロセスを何回か繰り返した巧己さんは、最終的にバスソルトという形に辿りつたと言う。

 巧己さんが解決を目指しているフラワーロス問題について聞いてみると…

 「フラワーロス問題とは、生産・流通・販売において花が廃棄させれてしまうことで、年間約10億本が廃棄されています。この問題意識を持ったのは、僕の家がお花を飾る家だったことで。お花って10日間くらいしかもたないんです。それをすぐゴミ箱に入れるっていうことが、なんか勿体無いなって思い始めました。」

 バスソルトの制作にあたって、廃棄された花を回収する業者とそれを加工してくださる会社のリサーチを行ったそう。バスソルトを作る上で重要となってくる「匂い」の部分は、インターネット上で匂いのいい入浴剤を自分なりに調べ選定したと語る。巧己さんが作成したバスソルトには、『ダマスクスバラ、カーネーション、千日紅花』の3種類が入っているそう。

巧己さんが開発したバスソルト

 活動していく中であった失敗談や諦めたことについて聞いてみた。

 「今のところ悔しいことって、多分コンテストなんですよ。コンテストの資料とか、高1の時はもっとこうすればよかったなって。時々過去に作ったプレゼン資料とか開いたりするんですけど、なんか甘いなとか思っちゃったりするんで。」

 「今こうしてふりかえると、1年生の時からたくさんプレゼン資料を自分で作っていたり、何らかのコンテストに応募しようとしてきたからこそ、今の自分がある。ある意味準備期間だったのかもしれないですね。ちょっと他のクラスメイトと比べたら遅かったけど。」

 これまで色々と方向転換をしてきた巧己さんにとって、ターニングポイントになった出来事について聞いてみた。

 FSCアワードっていうコンテストに出た時、そこで最優秀賞を受賞したことですかね。今のプロジェクトの中で結構自信がつきました。FSC(Forest Stewardship Council®︎)は、森林保全を促している会社で、商品などにFSC認証(FSCマーク)を与えている。FSC認証は、森林の管理を認証するFM(Forest Management)認証と、加工・流通過程の管理を認証するCoC(Chain of Custody)認証の連鎖から成り立っている。(この文章は、下記のウェブサイトの文章を部分的に引用しています。)

FSCマーク(上記のウェブサイトより)

 巧己さんの取材を通して、突然プロジェクト型(PBL)学習の環境に身を置かれた時の難しさを感じた。そんな中でも、思考を止めず、アイデアを何回も練り直していたことは、とてもかっこいいなと思った。また、自分自身を成長させるべく、自らコンテストに応募したり、過去の自分を振り返っている姿勢は、誰もが真似できることではないのかなと思った。中高生がよりプロジェクト活動を始めやすくしていくために作成している村人Aのデータバンク(記事)だが、今後これを拡大していく上で、今回の取材が少しヒントになったような気がする。

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