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アングレーム国際漫画祭訪問記4:フランスの鉄道とバスを使いこなす

Coucou à tous, vous avez passé un bon week-end?
2016年、ワーキングホリデーでフランス滞在中に行ってきたアングレーム国際漫画祭(以下:FIBD)の訪問記録、第4章です。

 先日27日日曜日に、2019年のFIBDは幕を閉じました。
 各受賞作品も発表されましたが、FIBDにはたくさんの賞があり、何が何の賞やら把握しきれないかもしれません。正直私も全部正確に説明できる自信がないので、海外コミックの熱い情報を発信してくれる「ComicStreet」さんから、受賞作品のものすごくわかりやすいまとめ記事を紹介させていただきます。各作品の詳細ページや、ノミネート作品一覧へのリンクもあり!!!! ぜひご覧ください!!!!

 ノミネート作品の中には日本人作家さんの作品も多く含まれていますし、どれもこれも表紙を見ただけでも惹かれる作品ばかりで、ますます読みたいものが増える一方…。

 さて、訪問記の第4章は、フランス国内の移動手段についてです。

4:フランスの鉄道とバスを使いこなす

 まず「アングレームってどこ?」という話ですが、フランスの南西部、このあたりにある人口4万人(※1)ほどのコミューン(市町村にあたる単位(※2))です。

 代表的な観光地とは言い難く、私が2012年頃に買った「地○の歩き方」では本当にさらりとしか触れられていなくて(ちょろっとしたコラム的な扱いだったような気が…)、情報ないじゃん!!と悲しくなった覚えがあります。

 日本から行きやすいルートとしては、
いったんパリに行って、電車などで行く。
ボルドーなど大きめの都市にどこかの経由便で入って、電車などで行く。
あたりかなと思います。
 そのへんの入国ルートは予算やらタイミングで色々あると思うので、ここではひとまず「パリからアングレームに電車などで行く。」という設定でいきたいと思います。

 フランス国内の移動手段としては、大きく「高速鉄道」と「長距離バス」の2つが挙げられます。(LCCもあると思いますが、私は仏国内の移動で使ったことが無いので省きます。)

01 ――――――――――――――

高速鉄道で行く場合

仏国内移動で使う電車関連の代表的な用語は下記の通りです。
―――――――
[SNCF]エス・エヌ・セー・エフ
→フランスの国鉄

[TGV]テ・ジェ・ヴェ
→SNCFが運行する高速鉄道。新幹線のイメージ。

[TER]テ・ウ・エー(ル)
→TGVの通っていない地域に走る、地域圏ごとの高速鉄道。
―――――――

 さて電車の予約ですが、これもFIBDのチケットと同様、日本からオンラインで可能です。
 こちらがSNCFの予約ページです。

 久々にアクセスしてみたらちょっと様子が違っていて驚いたんですが、ヘビーに使っていた2015年当時は「voyages-sncf.com」という名称で、こんな感じのレインボーなやつだったんです。

↑※2016年当時のニュースレターのスクショ。

 どうやら2017年の11月に「Oui.sncf」にリニューアルしたようです。よりいい感じになっている印象。

 この予約サイトは、英語版(https://en.oui.sncf/en/)をはじめ、主にヨーロッパ内の多くの言語に対応しています。

が、せっかくですからここではフランス語版でいきたいと思います。
 ためしに、「行き:2019年2月20日(水)8時発、帰り:2019年3月22日(金)19時着」で予約していきましょう。

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希望条件を入力する
*****

まず必要な部分のみ、単語を見ていきます。

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【1】[Train / Vol / Bus / Voiture / Hôtel / Vol+Hôtel / Séjour Ski]電車 / フライト / バス / 車 / ホテル /フライト+ホテル / スキー滞在
【2】[Aller simple]片道
【3】[Aller-retour]往復
【4】[Départ:gare、adresse、lieu…]出発地:駅名、住所、場所…
【5】[Arrivée:gare、adresse、lieu…]到着地:駅名、住所、場所…
【6】[Aller:dates et horaires]行き:日時
【7】[Retour:dates et horaires]帰り:日時
【8】[Rechercher]探す
【9】[Les petits prix]ロープライス(→運が良ければキャンペーン特別価格のチケットをゲットできる。ここでは詳細は割愛。)
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 ご覧のようにこのサイトでは航空券やホテルなども探せるのですが、とりあえず電車のみを見ていきます。
 片道か往復かを選びます。ここでは往復で探してみます。
【3】[Aller-retour]にチェックを入れ、【4】[Départ:gare、adresse、lieu…]に「paris」と入力します。
すると、このように選択肢がプルダウンで出てきます。

 パリをはじめそれなりに大きな都市では、TGVの発着駅もいくつかあるので、該当する駅をピンポイントで指定することができます。(東京駅か上野駅か品川駅か、というイメージ。)ただ、どの駅からどこ行きの列車が出るのかを事前に把握するのは我々には困難なので、一番上に出てくる[toutes gares intramuros]「市内の全ての駅」を選択しておけば間違いありません。

 【5】[Arrivée:gare、adresse、lieu…]には「angouleme」と入力します。
 正確な綴りは「angoulême」ですが、この「ê」「é」などの記号(アクサン記号)は検索ワード入力時には省いても問題ありません。

 アングレームは大きな駅が一つしか無いので、迷うことなく一番上を選びます。
 後ろについている「Nouvelle-Aquitaine」は、アングレームがある地域圏の現在の名称です。(「東北地方」とかそんなくくりのイメージ。)

 続いて希望日時を入れていきます。【6】[Aller:dates et horaires]には自動で現在の日時が入る仕様なので、クリックしてカレンダーを出し、日付を選択します。

 カレンダーの下に時間を選ぶ欄があります。
【10】[Arrivée à]〜時に到着。
【11】[Départ à]~時に出発。
【12】の「h」は時刻を表す「heure」の頭文字で「○時」という意味です。「8時間」ということではありませんのでご注意ください。
【13】[Je valide cet aller]「この行き(の日時)を確定する」を押して、行きの日時設定はOKです。

【7】[Retour:dates et horaires]帰りも同様に入力します。

 では次に、下記の部分を入力していきます。

―――――――
【14】[Trajets directs]直行便
【15】[2ème classe / 1ère classe]2等席 / 1等席
【16】[Nombre de voyageurs]旅行者の数
【17】[voyageurs]旅行者
【18】各種割引やメンバーズカードの有無などの入力欄。
―――――――
【14】[Trajets directs]を選択してしまうと、地方都市の場合は該当する列車が無かったりするので外しておきます。
【15】で席のクラスを選べます。1等席はちょっとお高めだけど快適な感じで、予算が潤沢な場合はアリかもしれません。新幹線の普通車/グリーン車のイメージです。とりあえずここでは2等席にしておきます。
【16】で乗車する人数を選びます。ここで2名以上を選んだ場合は、【17】の入力欄がその数にしたがって増えます。

【17】のプルダウンで、乗客の年齢を選びます。年齢によって安く利用できる場合もあるようです。また、アカウントを作って生年月日等を登録しておくと、画像のように名前が出てきて、年齢は自動で反映されます。何度か使う予定のある場合は登録しておくのも良いかもしれません。
【18】は、各種割引が適用される何かを持っていれば選択します。carte de fidélité というメンバーズポイントカードみたいなものがあって、それらがあると割引されたりするようです。(私は使用したことがないのでこの欄は今回は省きます。)
 全部入力したら、オレンジの[Rechercher]ボタンをクリック!

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希望の便を選ぶ
*****

ずらっと選択肢が出てきました。まずは行きの電車です。

 右の金額表示にご注目ください。下は10€代から上は100€代まで、ものすごい価格差がありますね。
 これは、列車の種類人気の時間帯かどうか、変更・払い戻しの可否などによるものです。このへんは日本の新幹線とは様子が違うところですね。
 また、右端に並ぶ赤字表記のものは、「ちょっと良い席だけど今なら安めの価格設定のがあるよ」というものです。
 当然のことながらお得な席から売れていきますので、バカンス時期などはあっという間に無くなって、出遅れると割高感のあるものしか残っていなかったりします。
 前章で述べた宿の件と同じで、イベント事などがある時期は電車も早めに予約しておいたほうが無難でしょう。

 俄然おすすめなのは、上から2番目に緑のラインで強調されている「OUIGO(ウィ・ゴー)」というものです。(※ただし条件付き。下記「※OUIGOについて」もお読みください。)
 LCCの電車版とでもいいましょうか、国鉄公認の激安ラインで、画像を見てもわかるように破格の安さです。
 私は2015年夏の旅行で、マルセイユからパリまでの復路でOUIGOを使ってみたのですが、手続きなどを簡略化している分雑多な雰囲気はありましたが、「あやしげ」とか「汚い」などということもなく、快適に乗車できました。そしてそのお値段、なんと10€!!
 マルセイユ-パリ間といえばおよそ750kmくらい。東京からだと青森県の北端、マグロで有名な大間町くらいまでの距離です。その距離を10€、千数百円で新幹線的高速鉄道で直行移動できるなんて、ちょっとにわかには信じがたい価格設定です。

※OUIGOについて

 OUIGOの注意点としては、発着場所が、代表的な大きい駅ではなくちょっと外れにある駅であることが多い、という点が挙げられます。
 上の画像でもわかるように、他のものは全て「GARE MONTPARNASSE(PARIS)」、モンパルナス駅からの発車であるのに対し、OUIGOは「MASSY TGV」という聞き慣れない駅に設定されています。 モンパルナス駅は、数々のガイドブックにも情報が載っていて日本からの旅行者にも馴染みのある、地方方面の列車がたくさん発着する大きな駅です。対してMASSY駅は、パリの南方、オルリー空港と同じくらいの郊外にあります。

 発着駅がど真ん中じゃない分、めっちゃ安い設定になっているというのもあるかもしれませんね。私が利用したときも、発車はマルセイユの大きな駅からでしたが、到着はパリ東方の郊外、RERのA線(パリを貫いて東西に走る郊外鉄道)の最果て駅でした。ディズニーランドがあるあたりです。
 こんなとこどうやってたどり着けばいいのか…と思うかもしれませんが、パリからであればRERで接続されている駅であることがほとんどなので、MASSY駅の場合はB線に乗れば乗り換え無しで行けます。
 RERのB線といえば、シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へ向かう線としてご存知の方も多いと思いますが、治安が良くないことで悪名高いですね。私はフランス滞在中のほとんどの期間、このB線沿線の南郊外に住んでいたのですが(ちょうどMASSY駅とパリの中間くらい)、個人的な経験から言うと、通勤などで郊外とパリを行き来する地元の人も頻繁に利用する線ですし、「夜に一人で乗らない」「やむを得ず夜に一人で乗る場合は眼光を鋭く保つ」「いかにもお金持ってそうな浮かれた旅行者っぽい格好・振る舞いをしない」「荷物は常にしっかり抱えておく」「最新のスマホを人前でいじらない」といった基本を守れば、そんなに怖いこともなく、さらに言えば治安面で懸念があるのはシャルル・ド・ゴール空港のほうの北郊外であることが多く、南はわりと歴史ある雰囲気ののどかな住宅街だったりして、危なげな雰囲気はあまり無いように感じました。正直パリ市内のメトロのほうが雰囲気は悪かったです。臭いし。
 とはいえ、いきなり郊外線に乗るのはハードルが高い場合も大いにあると思いますし、何が起こるか誰にもわからないのが旅行、そしてフランスという国ですから、少しでも不安を感じる場合は数十€をケチらずに、発着駅に行きやすいものを選択するという自己防衛も絶対に必要かと思います。

【1/30】OUIGO注意点追記
●乗車時は身分証明になるもの必携。(パスポートなど)
●OUIGOの乗客は他のTGVとは別にホーム端に集められ、乗車前にチェックイン手続きが行われるため、「発車30分前までには駅に到着するように。」というお達しが出ています。余裕を持って駅に向かい、「OUIGO」の案内板・スタッフなどを見つけて待機しておく必要があります。

 もし、「ある程度の渡航経験があって最低限の自己防衛はできる」「現地をよく知る同行者がいる」などの場合は、希望の時間帯にOUIGOがあったら選択しない手は無いのではと思います。FIBDで買いたい本数冊分は交通費を削減できるんですから!!!!

 ここでは、OUIGOの下にある、8時27分にモンパルナス駅を出発する便を選んでみることにします。
 先程述べた「変更・払い戻しの可否」について、左から下記の順に並んでいます。
―――――――
[Non modifiable]
変更も払い戻しもできない
※ただし、不測の事態による欠便の場合は100%払い戻しを保証する保険が付けられます。(「不測の事態」がどこまでを指すのかは調べきれていません…。)

[Modifiable sous conditions]
条件付きで可能。出発30日前から5€、前日と当日は15€手数料で変更・払い戻し可能。ただし、変更後と変更前のチケットに価格差があれば料金は上乗せされる。発車後は変更も払い戻しもできない。(素人の意訳ですが、要は手数料かかるよということです。)

[Modifiable]
手数料無しで、発車前まで変更・払い戻し可能。出発駅窓口に直接来れば発車2時間後まで可能。電話かモバイルアプリ上であれば発車1時間後まで可能。
―――――――
フレキシブルな設定のものは高い、ということですね。
 ここでは「絶対にFIBDに行く」という想定ですから、左端のものを選びます。クリックすると詳細が出てきます。

左のオレンジ[Détails du voyage]乗り換えなどの詳細を確認。アングレームまではTGVで直通所要時間は2時間です。

右のオレンジ[Votre place]座席の詳細を選択。

―――――――
[Fenêtre]窓側。
[Couloir]通路側。
[Duo côte à côte]隣同士。(2名以上の場合)
[Voyager dans le sens de la marche]進行方向に。(後ろ向きに進む形になりたくない場合はチェック。)
―――――――
選んだら、下のオレンジ[Choisir cet aller à 37€]「この行き(の列車)37€を選択する」をクリックします。

すると今度は帰りの電車の選択画面になるので、

行きと同じように希望のものを選択していきます。
 時間帯をずらすとちょっと安いものが出てきたりするので、予定がみっちりでない場合は数時間単位で見てみると良いかもしれません。
 時間は2倍かかるけど15€のものが出てきたので、これにしてみます。


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内容確認と必要事項の記入
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行きと同じように座席詳細を選択して、緑の[Choisir...〜...15€]のボタンを押すと、

このような確認画面になります。行き先や時間に間違いがないか、ここでしっかり確認します。さきほど述べた払い戻しの保険もここで選択できます。
 SNCFがレンタカーを薦めてきますが、無視します。
 間違いがなければ、一番下の[Valider]「確定する」ボタンを押します。
 このような画面になります。

―――――――
[Votre billet]あなたのチケット。
Eチケットなので、アプリでダウンロードするか、印刷してきてねということが書いてあります。

[Qui fait la réservation ?]予約者は誰?
予約した人の名前、メールアドレス、携帯電話番号を入れます。
携帯番号は、SNCFから遅延などのお知らせSMSが届いたりするためのものなので、「SIMフリーのスマホを持っていって現地のSIMカードを買って使用する」などの場合以外は、入力しなくてもOKです。

[Qui voyage ?]旅行するのは誰?
実際の旅行者の名前を入れます。
―――――――
最後に、一番下の[Valider ma commande]「注文を確定する」ボタンを押します。

すると、

支払い情報を入れる画面にたどり着きました。あとはカード情報を入力して[Payer 〇〇€]「〇〇€を支払う」を押せば、予約完了です!

 保険を入れても56.58€※、およそ¥7,000ちょっとくらいで、アングレームまでの往復TGVを予約できました!
(※検索時(2019年1月28日)の金額。)

 Eチケットの案内は、予約者情報欄に入力したメールアドレス宛に届きます。SNCFのアプリを入れておけばスマホ上で表示でき、電車の種類によっては印刷が不要な場合もあるので(※3)大変身軽です。英語表記に設定できますので、入れておくと便利かもしれません。


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TERについて
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 冒頭で言っていた「[TER]テ・ウ・エー(ル)」はどこで出てくるんだ、という話ですが、これは例えば、パリ以外のどこか地方都市などから向かう場合、TERを利用する機会があるかもしれません
 
私の2016年の旅では、バイヨンヌというバスク地方の街からボルドー経由でアングレームに向かう旅程でした。その際のSNCFからの注文確定メールを掘り起こしてみました。

BAYONNE→BORDEAUXの部分の中央右あたりに「TER」の表記がありますね。
 また、アングレームのあとはリモージュという街に向かったのですが、その際もTERでした。
 TERもSNCFの管轄なので、乗車のルールなど基本的なところはTGVとほぼ同じ。車両の作りなどは地域によって様々で、車内の雰囲気もちょっとローカル感があったりして面白かったです。
 TGVで結ばれていない地方都市間の旅行など、旅の範囲も広がりますし、高速直行旅とは一味違う時間を楽しめると思います。機会があればぜひ。


02 ――――――――――――――

バスで行く場合

 フランス国内は、というかヨーロッパ内は長距離バスが充実しています。電車の項で述べた「OUIGO」と似た感じで「OUIBUS(ウィビュス)」というお手頃価格の長距離バスがあり、仏国内はもちろんのこと、オランダ、ドイツ、スペインなど、その路線は近隣国まで延びています。

OUIBUSの予約サイト↓

 さっき電車を検索したSNCFのページでももちろん探せます。

 しかしながら、アングレーム行きで使う場合は、正直あまりメリットが無いかなと個人的には思います。
 さきほど出てきた検索結果の画面で、電車と同時にバスの選択肢も見られるのですが、

ご覧のように、5時間以上かかる上に、到着時刻が微妙です。夜着だと前乗りする必要が出てきますし、早朝着だと寝不足&着いても手持ち無沙汰で体力も時間も勿体無い感じ。値段も安い電車とさほど変わりません
 「割高すぎる電車しか残ってなかった。」「前乗りする時間的余裕がある。」などの場合でしたらバスもアリかもしれませんが、そうでない場合は電車でするっと行ってしまったほうが、現地で目一杯動きやすいのではないかなと思います。

 長距離バスが威力を発揮するのは、経験から言って、
【1】国をまたぐ移動時。(※4)
【2】1〜2時間以内の距離での仏国内移動時。
であるように思います。

【1】の一例として、たとえばアムステルダムに行こうとした時、電車だとこのような感じ。

時期にもよりますが、70€〜130€代が出てきます。
一方バスの場合は、

こんな感じで10€代の値段設定になっています。夜行だけでなく、朝出て午後早めに着く便もあります。
 フランスに行ったついでにどこか近隣国にもお得に旅行を、という場合などは利用してみるとおもしろいと思います。

 OUIBUS以外にも、もっと広範囲をカバーしているこんなバスもあります。

ユーロラインズ

 私はOUIBUSよりもこのeurolinesを多く利用しました。ロンドンに行く時はバスごとフェリーに乗り込んだりして面白かったし、ミュンヘンのオクトーバーフェストに行くときは車内がみんなビール目当ての陽気な雰囲気で、お尻は痛いけどなんか楽しかったです。どちらも片道40€いかないくらいでした。

【2】1〜2時間以内の距離での仏国内移動の例としては、私の場合はFIBD訪問時の周遊旅行で、最終目的地オルレアンからパリへ帰る時は、OUIBUSにして正解でした。乗車時間は1時間半くらいで電車とそこまで変わらず、金額は5€と半額以下でした。
 近距離旅行の際はぜひ探してみると、手頃なものが見つかるかもしれません!

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日本語で探したい
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 SNCF関連の電車は、実は下記日本語サイトでも予約できます。


ただ、よほどの事情がない限り私はおすすめしません。
何故かというと、英語版のようにSNCF直下のページではないため、
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・選択肢が少ない。
・割高。
・予約手数料がかかる。
直訳っぽくてわかりにくい部分があるし、詳細説明は結局英語
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という特徴があるからです。
 OUIGOなどお得な便は検索結果に出てきませんし、「変更・払い戻し不可」のものしか選べないのに、SNCFの[Non modifiable]版よりもちょっと高めの金額になっています(追加料金を払うことでフレキシブル版にすることはできる)。
 ですから、英語交じりの日本語サイトで予約するくらいなら、SNCFの英語版で探したほうが避けられる不利益が大きいと思います。

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 このように、フランス国内の移動の選択肢はたくさんあります。旅程と予算と、せっかくだからOUIGOやバスも使ってみようという好奇心。諸々の事情と照らし合わせ、最適なものを調べ尽くして選んでみるのも楽しいのではないでしょうか。

 余談ですが、フランスが提供するサービスやシステム的なものを、私は正直あまり信用していませんでした。様々な公的手続きに関する嘆きの声や、店員さんなどから受けた仕打ちなどの噂を、ワーホリ準備期間中にたくさん目にしていたからです。しかし、旅行関連のサービスに限って言えば、さすがバカンスを大事にするお国柄、と感服しました。このSNCFは、JRとは比較にならない使いやすさではないでしょうか。国内も国外も含んだ複数の選択肢を一括で探すことができ、ほぼ完全なチケットレス体制、アプリも充実、そして安い。またいつかフランス地方都市めぐりをしに行きたい、と思わせてくれます。

 一度予約に関する単語や手続きに慣れてしまえば、近隣国の田舎旅行でもローカルな路線バスでも、様々な情報が調べやすくなり、よりいっそう旅が楽しくなると思います。
 地方都市アングレームへの個人旅行の計画は、多少の言語的な不安はあるとしても、途方もなく大変なわけでは無いかも、といった点がなんとなく伝われば嬉しいです。

 移動の話で一章にまとめるつもりが、また長くなってしまいました。
次は、アングレームに着いてからの移動手段について書きたいと思います。

ありがとうございました。

----  注釈など  ----

※1:下記より抜粋。

※2:下記より抜粋。

※3:便によっては事前の発券が必要。大きな駅の発券機のほか、街中にあるSNCFショップなどにも発券機がある。

※4:2016年11月、欧州渡航情報認証制度(ETIAS:エティアス)の導入が発表されました。2021年以降(開始予定時期)、これまではビザ無しで渡航可能だった「シェンゲン協定国であるヨーロッパの一部の国に(ドイツ、イタリア、フランスなど26ヶ国)」に入国する際に、事前に申請する必要があります。渡航準備の際はETIASについての日本語サイトなどをよくお読みください。