episode3 言葉たち
小学校6年生の時
図書委員だった私は
同じく何人かの委員の子たちと
自分達で雑誌を作ることになった
その名も「北斗七星」
なんでそうなったのかはわからないけど
星が好きなのはその頃かららしい
一人はおすすめの本紹介
一人は表紙の絵を描く
一人は小説を書き始めた
そして、私は詩を書いた
それぞれが持ち寄った原稿を
職員室で数部コピーしてもらい
水色の表紙をつけて
数冊作ったものを
図書室に置いた
6年生にしては
なかなかの出来だったんじゃないかと思う
担任の先生や友達にも
褒めてもらった記憶がある
その頃から
私は
言葉というものに
魅了されるようになった
この世界を
どんな風に切り取るか
この想いを
どんな風に表現するか
これだと思った言葉やフレーズを
書き留めては
見よう見まねで
自分で書いてみたり
なんか違うなって思ったり
そして
それは
間違いなく
ayuの影響
歌詞を書き写すことは
日常茶飯事だったから
ayuになりたいと思った私は
ayuのような言葉を
紡ぎ出すことに
夢中になった
難しい言葉も
分かった気になって
使ってみたりした
ただの
真似事だったかもしれない
それでも
言葉の世界が
一気に私の世界を
広げてくれたのは間違いない
言葉一つで
気持ちが動いたり
人が感動したり
それがどういうことなのか
どんな言葉が人の心を動かすのか
それを考えるのに
夢中だった
見よう見まねで
書き綴ったノートたちは
何冊あっただろう
小説を書き始めた子も
今思えば
6年生にしては
妙に落ち着きのある子で
私が初めて
人に自分の書いた詩を
読んでもらった時
その子から
言われた
「いいじゃん!」
その一言が
めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えてる
その後「北斗七星」は
3冊ほど作られ
その度に
私はドキドキしながら
新たに生み出した詩を
お披露目し
その反応に
一喜一憂した
不思議なことに
書こうと思って
机に向かって
書いた詩よりも
ふっと浮かんだ言葉を
書き留めた詩の方が
喜ばれることが多かった
そういうもんなんだなって
アーティストになった気分で
言葉が降りてくるのを待ってみたりしてたかな笑
言葉は今でも
大切にしている
自分の一部みたいなものだと思う
口にする言葉には
責任を持ちたい
思ってもいないことを
ペラペラと話すことはしない
それは昔からそうだと思う
ayuが昔
「万人のハートを軽く撫でるのではなく
一人の心にグサリと刺さる表現がしたい」
と言っていた
どこかでそれを
ずっと覚えていて
私も
もし
言葉で何かを
伝えることができるのなら
同じように
伝えたいそのたった一人に向けて
嘘のない
真っ直ぐな言葉を
届けたいと思っている
ayuの世界を
自分の言葉で
表現したいと
思ったのは
OFFICIALの
LIVE REPORTを
書きたいと
思ったのは
遠い昔に
言葉の持つ力に
ayuの生み出す
言葉たちに
魅了された
あの時から
始まっていたのかもしれないね
拙い文章だけど
それでも
ここに記す言葉たちは
嘘偽りのない
私の中にあるものであることは確か
そうか
書き溜めたノートの続きを
私はまた
書き始めたんだね
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