43%の片想い

23歳になった。

いつの間にか大人になっていた自分。

それなりにやってきた23年間の中で、10年間というのはどの程度の重みだろうか。単純に計算すれば約43%であるが、1年の重みは毎年同じでは無い。0歳から1歳の1年間と22歳から23歳の1年間では何倍もの差があるだろう。

ーなどということが言いたい訳では無い。

つまり、10年経ってしまったのだ。彼のことを好きになってから。

23歳にして10年間片想いを続けているだなんて、我ながら何と一途なことか。

始まりは中学1年生の春だった。


中学校入学初日、新しい環境に緊張はあるが生徒の顔ぶれは小学校の頃と大して変わらない。そういう学区だった。

だから貼り出されたクラス分けを見ればほぼ全員知っている名前だし、どんなクラスになるのかも想像がついた。

新しい顔は増えないものの、他の中学に行った生徒がいるので人数が減り、2クラスになったため50%の確率で1番仲の良かった友達と同じクラスになり、喜び合いながら教室へ向かった。

黒板には席割りが書いてあり、確認すると男女別出席番号順であった。私は真ん中の列の1番後ろ。友人とは出席番号が離れているので席も離れてしまった。

そして隣の席になった男子生徒の名前を見て「え〜最悪…」と呟く。最悪も何もほとんど話したことがないのに。いわゆる思春期というやつだろう。この後10年間、彼に心を握られ続けるとも知らずに。

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