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10年ぶり3度目「ストレイテナー武道館」という概念

ストレイテナーが今年バンド結成25周年、メジャーデビュー20周年ということで大変めでたい!パチパチ!!!3度目の武道館をやるというので、喜び勇んで参加しました。

テナーのライブを初めて見たのは2003年、ELLEGARDENの企画イベントでした。2人編成のバンドを見たのが初めてだったので、今でも強烈に記憶に残っています。ホリエくんの独特のユーモアのあるMCがツボって、公式サイトの日記を読むのが楽しみになりました。

常に全力で追いかけていたわけではありませんが、私が最も多くライブを見て来たバンドです。付き合いが長い。いろんなバンドが解散したり休止したりメンバー脱退したり時に亡くなったりもする中、2人→3人→4人とメンバーが増えるという、極めて稀有なバンド。音楽性は緩やかな変化もあり、自分があまり興味を持てない時期もあったことは事実です。それも全部ひっくるめて彼らと自分の歴史があり、今のストレイテナーがすごく素敵だなと、しみじみと嬉しく頼もしく誇らしい気持ちで満たされたライブでした。ずっとファンでいて良かった。

どのバンドに対しても「一生付いていきます!」という気持ちにはなったことがなく、それは今後も変わらないと思いますが、テナーは私にとって大切なホームのバンドとして、これからもずっと近くにいてくれるのだと予感しています。


全体の感想

2ndアルバム「TITLE」や3rdアルバム「Dear Deadman」に思い入れがあるし、このような機会であればインディーズ時代の曲を期待してしまうのがファン心理ではあります。しかし、4人編成になった2008年以降の楽曲からファン投票で選ばれたベストアルバム「フォーピース」を発売したばかりということもあり、セットリストも4人体制になってからの曲が多いのだろうと予測していました。

結果的にやぱり4人体制になってからの曲がほとんどだったのですが、「あれをやって欲しかった」という気持ちは一切ありませんでした。前回武道館ではやった「YES, SIR」のような飛び道具的な曲はありませんでしたが、「ROCKSTEADY」や「TRAVELING GARGOYLE」のような昔の大切な曲や新曲も含め、今の最強のストレイテナーが詰まっていると感じる、説得力のあるライブでした。どっしりしていて、かっこ良くて、美しかった。

会場が大きいせいか、音のボリュームもしっかりくっきりしていて、いつもは聞こえにくいSEを意識したり、それぞれの楽器の響きに聞き惚れました。「Little Miss Weekend」でうねるベース、「Toneless Twilight」の終盤で前のめりになるドラム、「FNTD」のクリーンに響くギター、武道館の天井に力強く響き渡るボーカル。好きなポイントがたくさんあったな。
なにげに、ひなっちの後ろにいつも通りトミー(ローディーさん)がいて、いつも通り楽しそうに口ずさんでいる姿もめちゃくちゃ和みました。トミーいつもありがとう。

oioi(オイオイ)し過ぎて、翌日右腕の力こぶが筋肉痛に。令和になってすっかり衰退したと思われる文化ですが、テナーやエルレのライブでは昔と同じく全力で拳を突き上げたい衝動に駆られます。落ち着く。

セットリスト

01. ネクサス (Nexus/2009) ☆
02. Little Miss Weekend (9th sg/2008) ☆
03. 泳ぐ鳥  (TITLE/2005)  ★
04. Melodic Storm (5th sg/2006) ★
05. Ark (Nexus/2009) ☆
06. Graffiti (23th sg/2020)
07. DAY TO DAY (20th sg/2015) ☆
08. タイムリープ (22th sg/2018) ☆
09. Braver (配信4th/2018) ☆
10. Toneless Twilight (Man-like Creatures cw/2010) ☆
11. 宇宙の夜、二人の朝  (Crank Up/2021)
12. 246 (配信8th/2023) ☆
13. From Noon Till Dawn (15th sg/2012) ☆
14. シンデレラソング (Resplendent/2013) ☆
15. OWL (CREATURES/2010)
16. DONKEY BOOGIE DODO (CLONE cw/2009) ☆
17. 群像劇 (Crank Up/2021)
18. インビジブル (新曲/2023)
19. シンクロ (SOFT/2012) ☆
20. Silver Lining (配信9th/2023) ☆
21. REMAINDER  (TITLE/2005)  ★
22. 冬の太陽 (17th sg/2014) ☆
23. シーグラス (21th sg/2016) ☆
24. 叫ぶ星  (配信6th/2020) ☆
25. ROCKSTEADY (SKELETONIZED/2002)  ★

en.
01. STNR Rock and Roll (Blank Map/2019)
02. 羊の群れは丘を登る (14th sg/2011) ☆
03. MARCH (LINEAR/2007)  ☆★

en2.
01. 彩雲 (Behind The Scene/2014)  ☆
02. TRAVELING GARGOYLE (LOST WORLD'S ANTHOLOGY/2004)  ★

☆=「フォーピース」収録
★=OJ加入前の曲

・まず出囃子なしでの登場がレア。何か理由があるに違いないと思いましたが、アンコールで伏線が回収されるという憎い演出。

1曲目「ネクサス」から、アレンジにやられる。ホリエくんの弾き語りで「僕らはたまたま同じ船に 乗り合わせただけの赤の他人」からスタートするなんて。ファンとしてはいつも以上に言葉を噛みしめてしまいます。
メンバーが加わってからもゆったりバージョンで進み、2番からはいつも通りの速度に戻りましたが、25周年の記念ライブの幕開けにこの上なく相応しいアレンジだなと思いました。
大きな3面スクリーンは真っ白。ランダムに黒いポツポツ、古いフィルムを表現しているよう。メンバーの姿はシルエットでしか見えず、それがまたかっこ良かったな。

からの「Little Miss Weekend」「泳ぐ鳥」と、血沸き肉躍る曲に揺さぶられ、  ああもう今日のライブは優勝!という不思議な満足感に早くも見舞われました。イントロで歓喜の悲鳴が聞こえるって、いいよねぇ。

・座席がスタンド1階の真正面、ステージと同じ高さで非常に見やすかったです。しかもなぜか前のA列、B列の人が全員着席しており、視界が開けていた。歌っている人がたくさんいたけれど、少し離れたところから聞こえる感じで、私も隣が通路だったこともあり、迷惑にならない方向に思い切り声を出すことができました。耳元で歌われると最悪ですが、遠くからお客さんの歌声が聞こえてくるのって、むしろ心地よい。

私の座席から見たステージ

・スクリーンの映像で印象的だったのは、「DAY TO DAY」の空や雲、「シーグラス」の海(「メロスト」MVを思い出した)、「群像劇」「インビジブル」かな。「インビジブル」は、オレンジの花のようなアニメーションが流れて、和の雰囲気を醸し出していました。
数々の素敵な映像を演出してくれたのは田島さん。

ライブ映像の担当は野田さん。野田さんは他にも私の好きなバンドを担当されているので、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。

・「インビジブル」は初めて聞きました。ホリエくんが弾き語りで披露していたそうです。終わった後にメンバーが「こんな昔の曲あるんだ!って思った?」とMCをしていましたが、どう聞いても昔のテナーが作るような曲ではないので、新曲だと思ったよw
どことなく「スパイラル」の雰囲気を感じました。後日、「ホリエ堂」の武道館振り返り配信で「一番歌に入り込んだのはインビジブル」と話していましたが、思わず聞き入ってしまう歌ものですね。

・映像の演出で特大のインパクトがあったのが「OWL」です。「投票で87位だった、あまり人気のない曲をやります(笑)」とホリエくんが前置きしていた。申し訳ないけれどだいぶ忘れていた、いや好きなのよ!アルバム「CREATURES」好きだし!ただライブでやってくれないと忘れる。
光が四方八方から降り注いでくる演出で、ステージが全く見えませんでしたが、それがめちゃくちゃかっこ良かったです。「うわ照明すごいー!」「えっとこれタイトルなんだっけ、好きなやつなのにー!」「そうそう、ナナナナナー!」「わー照明きれいー!」と、あれこれ脳内が忙しく楽しかったです。

「OWL」はシンペイ発案だそう。声出し解禁だから「ナナナナナー!ってできるのでは?」と言われたが、以前もやってたっけ?とホリエくんは思ったそう。うん、やってなかったような気がする(笑)でも演奏していて、自分達がとても楽しかったと「ホリエ堂」で話していました。聞いている方も大変楽しかったので、またセットリストに入れて欲しいです。

・「Braver」と「March」は足元からもくもくスモークが出て来て、「彩雲」では特効でハート型のカードが降り注いでいました(4人のサイン入り)。ACIDMANの「SAI」で星型が降り注ぐのも良かったけど、ハートも可愛いね。残念ながら私のいるスタンドには届かずでしたが、アリーナにひらひら舞う様子が可憐だったよ。「ホリエ堂」の配信で、「ハートがステージ側に来ちゃって、ハートを交わしながら歌うのが楽しかった」と話していました。

・「ROCKSTEADY」の映像演出も泣けました。最初に2人時代の画質の悪い映像が流れる。それから3人、4人の映像に。もう20年聞いている曲なのに、聞く度に幸せで嬉しくて涙がにじむような高揚があります。エルレが復活して、「NANA-IRO ELECTRIC TOUR」でアジカンのゴッチも交えて歌ったりもしているから、思い出がどんどん積み重なって分厚くなっているせいもあるんだろうなぁ。
前回の武道館では、アンコールで2人時代の曲を2人で、3人時代の曲を3人で、4人で最新の曲を、と1人ずつ増えていく演出に感動したのですが、今回も同じような感動がありました。2人から4人に増えたバンドでしか成立しない演出です。

トム・ヨークに憧れて短髪だったホリエくん。TYPHOON24やART-SCHOOLも出演の懐かしMV。

・アンコール1発目の「STNR Rock and Roll」は、そういうことか!と。本編登場時のノーSEの伏線回収です。アンコールで持ってくるということは、そういうことしかないとファンは想像するわけで、果たして初めて生演奏で「STNR Rock and Roll」を聞くことになり、めちゃくちゃテンション上がりました。もはやテナーのアンセムだね。ホリエくんはハンドマイクで歌っており、まるで外タレみたいな風格がありました。

ホリエくん的には、本編でけっこう声がやばいと思ったそうです。「STNR Rock and Roll」は武道館でやりたかったから完璧な状態で歌いたかったのに、もうちょっと繊細に歌いたかったと「ホリエ堂」で話していました。
客からしたら、声の変化には特に気がつかず。張り上げるように力強く歌っていたので、確かにもう少し繊細に…というのはなんとなくわかるかもしれない。

スクリーンには、歴代のストレイテナーのロゴがいくつもバーン!と映し出されていました。ただロゴが映るだけなのに「STNR Rock and Roll」とめちゃくちゃ合っていた。テナーの歴史を表現するのに、こんなにも似つかわしいアンセムと映像はないのでは?と感動するぐらいピッタリだったな。

・出囃子と言えば、10年前もそうだったけど、開演前に歴代の出囃子が流れていたかと思います。BattlesのSZ2、好きだったわー。使われていたのは5:38頃からね。今聞いても上がるわー。

・MCはいつも通りゆるゆる。ただ、ホリエくんのいつもの「俺たちストレイテナーと言います!よろしくお願いします!」が過去一番ロックに聞こえたのは、25周年の重みのせいだろうか。

初めての武道館の時に、「俺は自分のために曲を作っています」と言ってしまったホリエくん。私は1回目の武道館は行かなかったのですが、まだまだ尖って斜に構えていた時期だから言いそう、と思う(笑)
ひなっちは「何言っちゃってんの?」と内心ドキドキしていたけど、涼しい顔をしていたと告白。ひなっち、可哀そうにw
ホリエくんは「ひどいこと言ったなと思って、この場を借りてすみませんでした!」と謝罪していた。大人になったね(笑)

「でも自分がこのバンドを誰よりも愛している自信があるし、このバンドを好きになってくれたあなたを誇りに思うし、あなた達が僕らの希望です」と熱く語ってからの「Silver Lining(希望の光)」はなかなかの流れでした。

「Silver Lining」は、ここ最近リリースされたテナーの曲で一番のお気に入りです。ファンになった頃の思い出の曲として「SILVER STAR」という曲もあるし、テナーは金というより銀って感じがするなぁ。ド派手に光るわけではないけれど、職人技が光る、いぶし銀、みたいな。

次に武道館をやる時は、この曲数(30曲)は無理かも、トークが長くなってチケット代も上がるかも、それでもまた来てくれるかい?というホリエくんの言葉に会場が沸きました。行くに決まってるじゃーん!

そして、いつもは無口なOJの一言がとても良かった。皆にお願いがある、と。普段耳栓をしているから、皆の声が聞こえない。「外すから、歓声を下さい!」と。会場大歓声。耳栓を外したOJの耳元で大声を出し、悪ふざけするホリエくん、「耳が痛いよー」のジェスチャーで苦笑いのOJ。
最後に「いい人生だ」ってOJが言ったの聞いて、OJの歩んできたバンド人生を思ってジーンとしてしまった。

・翌日10月16日がメジャーデビュー記念日ということで、メジャーデビューシングル「TRAVELING GARGOYLE」が締めでした。数えきれないほど聞いて来た曲だけれど、昔と全く同じテンションでオイオイしたりジャンプできる自分がなんて幸せなのだろうと思いました。
いつの頃からかホリエくんが最後「トラベリンガーゴーーーーーー!!!!!」と伸ばすようになったのがエモくて好き。アンディがどこまでも上昇していくような気がするから。

2023年のアンディは床にいた
2019年幕張メッセのアンディ
2013年のアンディは屋根にいた

アンディ、普段はどこに保管(保管って言うな)されているのかな、何でできているのかな(石?軽石的な?)と、どうでもいいことを友人と話す(笑)アンディ、また会う日までー!

仲間からのお花

先輩、同世代、後輩からたくさんのお花が来ていました。ファンとしても嬉しい。ただね、エルレガーデンからは来ていなかったのがちょっと残念だよ。細美さん、「武道館行きたい、日程ずらして」ってラジオで話してたのになぁ(別ライブで不可)。細美さんと言うよりスタッフが気がつくべきなんでしょうしね、まあ全然いいんですけどね、と言いつつ気にしてしまうオタクです。

GLAY、back number、the pillows、SPECIAL OTHERS、GRAPEVINE、ACIDMAN、木村カエラ、秦基博、手越祐也、ASIAN KUNG-FU GENERATION、THE BACK HORN、go!go!vanillas、THE ORAL CIGARETTES、My Hari is Bad、633、a flood of circle、Low IQ 01、NAOTO(バイオリニスト)、w.o.d.、Nothing's Carved In Stone

ソーセージ達からも来てたよー!また対バンして欲しいね!(笑)

SNSを確認すると、バンドマンも結構見に来ていたみたい。私はafocのなべちゃん(Dr)を見かけました。今までafocとは繋がりがあるようには感じませんでしたが、今年ホリエくんが「ゴールド・ディガーズ」をプロデュースしたのと、今度対バンするからでしょう。律儀だな、嬉しい。「ゴールド・ディガーズ」はとてもお気に入りの曲になったし、対バンも楽しみです。

いつも「ファン一同」で出してくれる人達、ありがとう。
企画しているとこに出会えた試しがない。
中山美六堂からも来てた

寄せ書き、既に書くスペースないし、書きたい欲はない。ので、この場で。「2人時代から今までずっと私の人生にいてくれてありがとう!これからもよろしくね!」

年明けにもツアーが決定したことが、武道館ライブ後に発表されました。残念ながら下北シェルターは当たりませんでしたが、次のライブを楽しみにしています。
スペシャの特番で箱根に行き、和装で撮影した写真が早速使われていた。理由を知らない人が見たら、唐突感があるのでは(笑)

FC「テナモバ」会員に配られた新聞、作り込まれていて読み応えがありました。メンバーが考える楽曲「ベスト5」で、シンペイが5位に「Wonderfornia」を上げていてとても嬉しかったよ。「演奏楽しい」って。私も聞くのめちゃくちゃ楽しいから投票しました。なかなか披露される機会がなくてとっても残念。またいつの日か!

私の初テナーライブ

2003年1月29日に行われたELLEGARDEN企画の「Live Like Sex!!(without condom)@ON AIR WEST(現・O-West)でした。しかしすごいタイトル、付けたのはもちろん細美さんです。意味もそのまんま、って話してた。会場がホテル街なだけに余計に笑えました。
メンツはStarboard、ストレイテナー、PEAL OUT、ELLEGARDENでした。ナツイー!

ストレイテナーセトリ
SILVER STAR
ROCKSTEADY
SENSELESS STORY TELLER SONY
THE MAN WITH A SILVER GUN
THE WIND DIED AWAY LONG LONG AGO
BOUNDER ADVENTURE

「THE MAN WITH A SILVER GUN」は、鍵盤の音がインパクトがあってすごく印象に残っています。時を経て再び聞けたらと思っていて、前回の武道館の時も投票していたけれど、なかなか難しいですね。それにしても「ROCKSTEADY」は今もなおキラキラと輝きを放っているのがすごい。

ホリエくんのМCも記憶に残っています。「ライブと関係ないけど、雑誌の『ELLE』で今表紙のキャメロン・ディアスがZIGGYの森重氏に似ている(笑)」と話していたので、気になって帰りにコンビニで見てみたら確かに似てたのよ。この時から、ホリエくんの絶妙なお笑いセンスのトリコになっている気がします。この日、会場では特にウケてなかったけどね!

ELLEGARDENセトリ ※曲順あやふや
My Favorite Song
風の日
(Can't Remember) How We Used To Be
45
Middle Of Nowhere
Under Control
Raindrops
サンタクロース

 
en.
Bare Foot

何このセトリ、やばい!この日に戻りたいー!復活してからエルレをライブハウスで見ることができていません。いつか叶う日は来るのか夢見る自分がいる一方で、もうあの頃みたいに純粋な気持ちでエルレを楽しむことはできなのだろうな、という諦めの気持ちもあります。

何にせよ、私にとって大事なバンド、テナーとエルレが今も活動を続けていて、切磋琢磨していることをすごく嬉しく思っています。


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