電車に乗りたい。

今日はリモートの日だ。だから朝は遅く起きたし、今はダラダラしている。雨だし何処かに行きたいとも思わない。けど、乗り物には乗りたい気分。

わたしは割と電車が好きだ。もちろんこの時期の電車は人いきれが酷くて嫌だけど、それでもこの時間帯なら電車に乗りたい。バスでもいい。目的地がある乗り物に、なんの目的もなく乗りたい。

この時間帯なら人の数も少ないはず。電車に乗って本を読みたい。リハビリみたいなものだ。課題が多くてもう2ヶ月ぐらいちゃんと本を読んでいない。大学に行く時はスーツや制服だらけでつまらない。この時間なら黒くないカラフルな服を着た人もいるはず。そういう人を小説の一文を噛み締めながら、つい目を向けてしまいたい。小説を読んでいると、凄い良い!みたいな文章と出会う。それは心情についてだったり、それとないまぜになった風景かもしれないけど、そういう文章と衝突すると急に小説世界から突き放されて、目線を上げることがままある。あの感じになりたい。幸運なことに今読んでいるアンナカヴァンの「氷」は生半可な集中だと読み進められない。没入に近い状態にならないと、読めない(といっても必ずページを戻してしまう)。けど、その分、衝突の具合が良い。電車に乗って小説を読みたい。

あの感じになりたい。

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