ショートショート短編小説『させこ犬』

 超人気アイドル『ビードロー』の握手会。
 そこでは未成年を含めたメンバーが、女性ファンに、過激な誘い文句によるファンサを行っていた。

 「今夜、キミを、ボクの愛の巣へご招待」
 「二人のために、ラブホ借りといたよっ」

 このような下劣なセリフは、実際に、国民的アイドルグループのジュニアたちが、マジで言っていたらしいので、どうか作者の品性と想像力を疑うことは止めてほしい。
 そこで、熱烈なファンの主人公は、握手会の時に推しのメンバーからこっそり手紙を受け取る。

 「君に一目ぼれしちゃった」

 その一言と共に渡された手紙には、ホテルの住所が。
 安売りド腐れビッチの主人公は、舞い上がってウキウキの気分で即日ベッドイン。
 ピロートーク中に「俺、お前にしか頼めないことがあるんだ」と持ち掛けられる。
 それは主人公も楽しみにしていた推しの新番組のスポンサーが降りそうになっていて、このままじゃ中止になるというのだ。
 そのスポンサーは業界でも有名な色好き男で、枕した女子アイドルの番組に制作費を回そうとしているのだという。
 落ち込む演技をする推しの姿と、(推し君の素晴らしい番組がそんな雌豚アイドルなんかの為に潰れるなんて許せない)という妬み恨みによって突き動かされた主人公は、そのプロデューサーと寝て説得することを了承する。
 やった後、密かにそのプロデューサーと密会する推し。

 「いやぁ推し君またありがとね。今度も上玉回してくれちゃって」
 「いえいえ、Pさんのためなら一番の収穫を優先して回しますよ」
 「今度の奴とはおまえもやったの?」
 「ああ、あいつ中古のヤリマンだったからやっちゃいました。ああいうのはセックスしたくてしょうがない淫乱なんで、やんないと納得しないんすよ。まあそういう女を選別するために、あんなキショイ台詞吐いてんすけどね。もし処女の勘違いメルヘン女がきたら新品のままPさんにまわしますから。手を出さないのが俺の愛なんだ、とか言っときゃあの手の女なんてイチコロっすよw」
 「本当にそういうバカさせこ女が腐るほどいんだよなぁw 愛してる女に枕させる屑男が居るかっつーのwww テメーらはただの雌犬にすぎないって分かんねーのかなw 男性アイドルが好きな女は、脳みそお花畑のアホビッチしかいねーのかなw」
 「うわ、ヒデーけど事実だから反論できねーwww フェミフェミ言っといても、あいつら淫売が俺らに噛みついてくることなんてないから楽勝っすよw まあPさんが裏切ったらどうなるか分かりませんけどw?」
 「枕失敗したときだけ振るうポリコレ棒やめてー! まあそれも俺らが外部にハニトラさせて言いなりにさせる効果高めるためにプロパガンダしたんだけどなw あ、うちの若い技術屋どもがちょっとブー垂れてんだよなぁ。男アイドル番組なんて作っても俺だけが得するじゃんって。だからちょっとあいつらにも回してくんない?」
 「ああ、お安い御用っすよ」
 「ありがとね。まあランク低いブスで良いよw 技術屋なんて底辺のキモオタみたいな奴しかいないから、適当な女で満足するんでw」

 実際に、この手の連中の感性は、マジでこのレベルなので、くれぐれも作者の品性と想像力を疑うことはやめるように。
 一方でさせこ主人公は同じファン仲間や、クラスの可愛くて従順な女子も、殆ど強引に誘ってグルーピー部隊を設立。
 『ビードロー』はスター街道を突っ走り、大満足で業界人たちと寝まくった。
 他のライバルとなるアイドル達が躍進してくると、ある時は焦って更に枕営業に励み、ある時は気分変えに浮気してホクホクだった。
 たまに他のバカが彼らの工作に釣られてまんまとイケメンコンテンツを作ると、彼らはグルーピーに自分たちの工作のお陰だとアピールして更に支持を集め、自分らは大資本をバックに遥かに媚びた上に制作費もかけまくったイケメンコンテンツを作って、独占しているメディア群で垂れ流すだけでよかった。
 この成果を見て、グルーピーたちは工作するやる気を増幅し、他の工作員も接待しまくり、自分たちもより騙そうと工作に参加した。
 酷い捨てられ方や扱われ方をして、場合によっては消されたという娘の噂を聞いても、彼女は自分さえ幸福ならどうでも良いと思った。
 年を取って容姿が落ちると、彼女はもっと下っ端のスタッフを性接待する立場になったが、そこで枕した男と結婚し、今までしたことは一切口外しない契約を交わしてグルーピーを引退。
 推しは別のさせ子を見つけて営業させ続け、いつまでもテレビで推しの姿が見られることに主人公は後悔することはなかった。
 夫は、度々自分が使い捨てのグルーピーの後始末をさせられたことに気付き、何かあると暴力を奮ったが、それを見て大人しくさせようとテレビ局が他の推しのさせ子たちとセックスさせてやると、家においてやってるだけの家政婦として主人公のことを納得し、暴力はストレスがたまった時にサンドバッグにする程度に収まった。
 正に彼は妻を危険なほど殴ることによって、他のさせこ犬たちとのセックス権を得たのである。

 主人公は自分がやってたことがやってたことだし、夫のことなどキャッシュディスペンサーくらいにしか思ってなかったので、特に何とも思わなかった。
 代理店とテレビ局はこの話を聞き、夫をキャッシュディスペンサー扱いするCMを作り、このゴミ処理スタッフに、世間も同じだよと納得させた。
 また、させ子たちにもっとやる気出させるためにのみ、度々スキャンダルやライバルコンテンツとの対立を捏造したり、別のさせ子を集めた女子アイドルを盛り上げて嫉妬させたりしたが、その度ごとにまんまとグルーピーたちは奮起して売春に勤しむのだった。
 そのためこうした当てつけの文化がいくら人気が出ても、グルーピーたちさえ奮起すればすぐに廃れるのだった。
 それらはただ枕させるために作られたからだ。
 これらのイケメンコンテンツによって男たちの性的価値も相対的に下がり、世の女たちは一般の男たちに興味を示さず、益々男性アイドルだけに夢中になっていった。
 マスゴミの工作員が男オタを異性に興味がない、などと擦り付けるのも、実は自分たちのせいで世の女たちが男性に興味を失っていることを正当化させるためだったのだ。
 そしてより性的に抑圧された男たちが増え、彼らは女とやるためならこの悪魔どもに魂でも売り渡すほど必死になった。
 そのために作るイケメンコンテンツによって、本来ならもっと幸福に付き合えた女とも、イケメンアイドルのお零れに預かることでしかセックスすることも出来なくなるのである。
 そしてイケメンアイドルのために何でもする淫売と、ヤルために何でもする底辺男の投影として、女のために必死な主人公像が作られたのだった。
 そしてマスゴミはマスゴミ以外に人気を得ようとするコンテンツは、自分たちの金にも売春にも役に立たないという理由において、排除しようとするのである。
 またコロナの不安を煽りながら、自分たちの傀儡である元ニュースキャスターやタレント弁護士の政治家たちに、全く有効な手を打たずいつまでも長引かせて利用させ、自粛を煽り、風俗を取り締まらせ、より彼らの売春させこ組織による枕の効果を上げるのだった。
 また安売り中古ハニトラ工作員であるさせこ部隊が嫌われるわけにはいかないので、連中はネット上でいわゆる処女厨をあらゆる薄汚い工作で叩きながら、一方でビッチ女も叩いてその罪を処女厨に擦り付け、連中の工作以外で女たちが男とタダでセックスしないように誘導しながら、世間から白眼視させることによって更にさせこ女たちを自分たちに依存させ、叩かれた腹いせに働かせた。

 やがてさせこ犬は娘を産み、結婚させられた夫は腹いせに、この娘を幼少期から性奴隷にすることを企む。
 夫が子供をレイプしていることを知ったさせこ犬は、誰に相談してもうやむやにされる。
 何故なら夫は技術者として、権力者たちにまだ有用だったからだ。
 特に推しのイケメンから遠回しに気にするな、下手に荒立てたら殺すぞというメッセージを送られたさせこ犬は、子供のことなどどうでも良くなった。
 そのイケメン俳優は未成年の少年と性的関係になった主婦のドラマに出演し、嫉妬した夫が二人の仲を引き裂き、二人は悲劇的な最期を遂げ、理解者を気取ったイケメン俳優がこの夫に復讐して殺す役を演じたのだ。
 この嫉妬した夫が、正に自分の事だと気づいたさせこ犬は、娘をレイプする夫を嫉妬によって妨害しようとする自らの心の狭さを恥じ、推しのためなら子供だって犠牲に出来る自らの愛の深さが、きっとイケメンをいつか振り向かせるに違いないと妄想する。
 歳と共に、夫の技術者としての有用性も、させこ犬の利用価値も減滅すると、マスゴミは自分たちの番組を使って、この家族を後始末することを計画する。
 そこでは正に彼女の推しのイケメンが、夫を毒殺した妻と逃避行する姿が描かれていた。
 させこ犬は有頂天になり、ドラマと同じ方法で夫を毒殺する。
 もう既に利用価値のなくなっていたさせこ犬自身も、消すためにマスゴミは働きかける。
 彼らは娘が夢中になっている少女漫画ドラマに、娘が父親に犯されるのを見殺しにする母親を出して、イケメンと一緒に親に復讐する話を挿入した。
 SNSを通して正にそのイケメンアイドル俳優と知り合った少女は、母親のことを相談。
 イケメン俳優は言葉巧みに、母親を殺せば君と付き合いたいというようなことを吹き込む。
 少女は有頂天になって母親を刺殺。
 逮捕されて少年院に送られたが、出所するとイケメン俳優から誘いを受ける。
 新たなさせこ犬が誕生したのである。

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