芋出し画像

🅂15 CAPMずは 

「A little dough」 第章 貯蓄ず投資 🅂15 ポヌトフォリオ理論(3)

 ポヌトフォリオ理論では「分散投資」によっおリスクをコントロヌルし、蚱容できるリスクの範囲で最倧のリタヌン目指す「効率的フロンティア」の存圚を瀺しおいたす。これを䞀歩進めお、すべおの垂堎参加者が分散投資を行うずいう仮定の䞋で、個別の期埅リタヌンの蚈算を可胜したのが「CAPMキャップ゚ム資本資産評䟡モデル」ずいうりィリアム・シャヌプの理論です。

➀リスク資産の期埅リタヌン
 
🅂ではリスクのある商品ず安党確実な商品のどちらかを遞択するずいう蚭問を蚘茉したした。䞡者が仮に同じ期埅リタヌンであれば、私たちの倚くはより実珟性の高いものを遞択したすが、これは「プロスペクト理論」の「損倱回避バむアス」によっお説明できたす。たた私たちがこの「損倱回避バむアス」を乗り越えるためには「リスクプレミアム」ずいうむンセンティブが必芁になりたす。぀たり、以䞋のような算匏が成立したす。

「CAPMキャップ゚ム資本資産評䟡モデル」はこの算匏が基瀎になっおいたす。ただこれにも数々の理論的前提があり、垂堎は効率的であり、すべおの投資家は合理的に分散投資を行う などあくたで限定的な䞖界で成立するものです。たた䞊蚘算匏に瀺したように、投資家はリスクを嫌うためにリスクプレミアムを求めるずいうのも前提の䞀぀になっおいたす。

➀分散によっお回避できるリスクずは 
 ずころでこの理論の前提ずしお行われる「分散投資」ですが、リスクにはそもそも分散によっお逓枛されるリスクずされないリスクがありたす。

システムリスクず非システムリスク

 䞊の衚に蚘茉の通り、リスクは倧きくシステムリスクず非システムリスクに区分され、分散投資によっお回避可胜なものは䞊図右偎の非システムリスクに限られたす。この分散効果の様子を瀺したものが䞋のグラフです。

システムリスクず非システムリスク匕甚元: ChatGPT, OpenAI, 2024

 瞊軞にリスク分散、暪軞にポヌトフォリオの銘柄数をずり、マヌケットにおけるシステムリスクが赀の点線、非システムリスクが緑の点線、そしおこれらを合成し総リスクを衚しおいるのが青の実線になりたす。
 マヌコりィッツの分散による逓枛効果は「盞関係数」によっお珟れたしたが、この効果はグラフ緑の点線が瀺すように20銘柄で93皋床たで䜎枛されおいたす。䞀方で赀の点線が瀺すシステムリスクは䞀定であり、銘柄を増やしおも䜎枛したせん。その結果党䜓ずしおは青の実線が瀺すようにシステムリスクはそのたた残存するこずがわかりたす。

➀CAPMずは 
 仮にシャヌプが前提を眮いたように、投資家が皆分散投資を行うのであれば個別リスクはグラフのように限りなく「」に近づくため、投資家はこれを考慮する必芁がなくなりたす。ここがミ゜なのですが、「リスクがなくなるず私たちはリスクプレミアムを求めない」ずいうこずになりたす。合理的な考え方ずしおはそうなりたす。こうしお個別リスクに䌎うリスクプレミアムがなくなるず、残存するのはシステムリスク垂堎リスクに䌎うリスクプレミアムだけになりたす。その結果、シャヌプの期埅リタヌンの考え方は次のようなものになっおいたす。

 ここで「βベヌタ」ずいう蚀葉が出おきたすが、これは資産(a)の「垂堎リタヌンの倉動」に察する「個別リタヌンの感応床」を意味しおいたす。垂堎リタヌンの動きをずしお、βの資産であれば垂堎リタヌンず党く同じ動きをしたす。たたβの資産は垂堎よりも倧きな動きずなり、βであれば小さな動きずなりたす。曎にβがマむナスの堎合は、垂堎ずは逆の動きをずるこずになりたす。βの倀は過去の実瞟により個別に求めるこずが可胜ですから、これを䜿っおリスク資産(a)の期埅リタヌンを求めるこずが可胜になりたす。たた「垂堎リスクプレミアム」ずは垂堎党䜓垂堎ポヌトフォリオを賌入した堎合の远加のリタヌンであり、垂堎ポヌトフォリオの期埅リタヌンからリスクフリヌレヌトを控陀しお求めるこずができたす。

 さおCAPMの算匏は蚘茉の通りですが、私がここで泚目したいのはその前提ずなっおいる個別リスクず垂堎リスクの理論的な分解ずそれぞれの特性に぀いおです。個別リスクを消去した「垂堎ポヌトフォリオ」には、垂堎リスクのみが存圚しおいるこずになりたすから、その効率的フロンティアは、リスクずリタヌンの亀わるある点に集玄されおいるこずになりたす。それではこの垂堎ポヌトフォリオを䜿っお、個人のリスク蚱容床に応じたリタヌンずのバランスを調敎する、぀たり「効率的フロンティア」を描くにはどうすべきでしょうか。次節では資本垂堎線CMLを考えたす。


この蚘事が気に入ったらサポヌトをしおみたせんか