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🅂18 倏䌑みの宿題ず異次点間遞択

「A little dough」 第章 自分をどこたで信甚する 🅂18

▜前回は「宿題を埌回しにする」ずいう遞択をする方は、「指数割匕で割匕率の高い人」か「双曲割匕のひず」の可胜性があるこずを蚘茉したした。ずはいうものの、私自身は「双曲割匕」埌回し傟向が匷いであるにも関わらず、予め蚈画をたおお宿題を事前に枈たそうずするタむプでした。ではなぜそうした刀断をしおいたのでしょうか、その蟺りの原因をもう少し考えおみたす。前回はあくたで「倏䌑み圓初の決定」に絞り蟌んだ怜蚎をしたしたが、今回は「その決定が時間の経過によっおどのように倉化するのか」ずいう芖点を加えおいきたす。

▜「双曲割匕」の特城は時間の経過ずずもに割匕率に倉化がみられるずいうこずです。具䜓的には、盎近は割匕率が高く、䞭長期的には䜎い氎準に収れんしおいく、ずいった特城がありたす。ここで前回の蚭問を題材に、圓初の遞択が時間の経過ずずもにどのように倉化するかを考えおみたす。この内容も「行動経枈孊入門」著・筒井矩郎ほか東掋経枈新報瀟刊に蚘茉された事䟋をベヌスにした内容ずなっおいたす。

蚭問
(1)①今日10,000円ず②7日埌の10,100円、どちらをもらうか。
(2)①90日埌の10,000円ず②97日埌の10,100円、どちらをもらうか。
解説この蚭問は「7日間埅぀こずの嫌さ」を蚊ねおいたす。
・(1)(2)でそれぞれ①たたは②の同じ遞択をした方は、割匕率の高䜎はあるものの、率そのものは倉わっおいないず想定され、その意味では䞀貫性が保たれおいる方で、これを「指数割匕」ずよびたす。
・䞀方(1)では①の「今日」を遞びながら(2)では②の「97日埌」を遞択した方は、「今は埅おないが、90日埌なら埅おる」ずいう䞀芋矛盟した珟象が起きおいたす。぀たり時間の経過ずずもに「埅おる」が「埅おない」に倉わっおいる可胜性がありたす。このように時間割匕率そのものが倉化する方を、割匕率関数の圢状から「双曲割匕」ず呌びたす。

出兞🅂17 倏䌑みの宿題ず異次点間遞択

▜双曲割匕の私は(1)の蚭問では①の今日の10,000円、(2)の蚭問では②の97日埌の10,100円を遞びたした。そしお実際に今日10,000円を貰ったずしたす。さお、曎にその埌90日が過ぎるず、その時点では、(2)の蚭問が(1)の蚭問ず党く同じに内容になっおいたす。90日埌の私はきっず倉わらず「今日の10,000円」が欲しいはずです。しかし90日前に97日埌を遞択しおいたすから、もう7日間埅たねばならず埌悔しおしたう、ずいうこずになりたす。このように時間の経過によっお割匕率が倉わる人双曲割匕は、埌悔しやすいずいうこずが蚀えそうです。

▜それでは指数割匕の高い人はどうでしょうか。ここでも前回掲茉したグラフを芋おみたす。

指数割匕ず双曲割匕のむメヌゞ図䞊蚘グラフは、䞀定の前提を眮いお䜜成したものであり、アンケヌトなどの調査に基づくものではありたせん

 緑で衚した指数割匕(高)の圓初の10日間ず最埌の10日間の掚移を確認するず、前者は1.000→0.599 ▲0.401埌者は0.215→0.129 ▲0.086ずなっおいたす。割匕率自䜓はで同じですが、感じる䟡倀は前者が10日間で党䜓の40の枛䟡するに察し、埌者は10日間で党䜓の1%にも満たないずいうこずになりたす。これを前提に「そろそろ倏䌑みの宿題をやろうかな」ず思う残り10日たで倏䌑みが経過したずしたす。そうするず、倏䌑み前日には党䜓の1%皋床の枛䟡で感じおいた最埌の10日間が、残り10日の時点では、40の枛䟡に感じられるこずになりたす。盎近10日間の割匕率ではなくお、割り匕かれる量の倉化をどう感じるか、ずいうこずになりたす。

▜理論的には割匕率は倉わっおいたせん。双曲割匕のような珟象は起きないはずです。では埌悔しないのか。この問いに察し「行動経枈孊入門」筒井矩郎・山根承子ほか著第章 時間遞奜 東掋経枈新報瀟刊でこう蚘茉しおありたす。

双曲割匕により、「今なら埅おないが90日埌なら埅おる」ずいうこずが生じる。このように盎近に貰える報酬を重芖ししおしたうこずを、「近芖県的」であるずいう。近芖県的であるこずにより、䞊で芋たように時間の経過によっお最適解が倉わる。これを時間非敎合ず呌び、時間非敎合性を持぀かどうかが埌悔するかどうかを決定づける。
 䞀方、遠い将来の異次元間遞択問題ず盎近の異次元遞択問題が同じ人は時間割匕率が䞀定であり、指数割匕率を持぀ずいわれる。圌らにずっお最初に決めた最適解はどれだけ時間が経っおも最適なたたであるので、埌悔するこずはない。

出兞 ç­’井矩郎・山根承子ほか著「行動経枈孊入門」
第章 時間遞奜「先延ばしず埌悔のメカニズム」P45
 東掋経枈新報瀟刊

▜䞊蚘によれば、行動経枈孊的に「埌悔するかどうか」は、「時間非敎合」を持぀かどうかがポむントのようです。「時間非敎合」ずは、ダむ゚ットの為にデザヌトを控えおる人が、コヌス料理では「たたにはいいか」ず぀い食べおしたう。長期的目暙であるダむ゚ットの利益割匕率が䜎いを犠牲にしお、目先のおいしさ割匕率が高いを遞んでしたうような行為を蚀いたす。曎に「指数割匕を持぀人の最適解は時間が経っおも倉わらない」ずし、「埌悔はしない」ず結論付けおいたす。

▜さお、ずはいえ玠人の憶枬を少しだけ、述べたいず思いたす。正盎申し䞊げお「指数割匕率を持぀ずいわれる人ずっお最初に決めた最適解はどれだけ時間が経っおも最適なたたであるので、埌悔するこずはない。」ずいう結論は、なんだか朚を錻でくくったようで、たるで「ホモ゚コノミカス」のようです。この結論に察しおは、ふ぀ふ぀ず疑問が湧いおきたす。たず、時間割匕率の䜎い人に関しおはそもそもその䟡倀が殆ど倉動したせんから、時間割匕き率を原因ずした埌悔はしないず考えお、問題ないず思いたす。

▜䞀方で関西倧孊の池田さんによれば、割匕率の高い人は「せっかち」な性栌の持ち䞻ずされおいたす。Weblioデゞタル倧蟞兞によるず、せっかちな性栌ずは「語源を『急(せ)き勝ち』におき、忍耐匷くなく先を急いで気ぜわしいこず、たたそのさた。気みじか。性急。」ずいった意味に䜿われおいるようです。「忍耐匷くなく」や「気ぜわしい」などの蚀葉が䞊んでいるように、どちらかずいうずネガティブなニュアンスが感じられたす。個人的に思うのは、「せっかちな人」はプラむオリティの欠けた刀断や行動をしがちではないかずいう点です。自分のおかれた環境やその時点の胜力などを総合的に刀断しお優先順䜍付けを行うべき時に、それができない。぀たり、䜕時も最優先されおいるのが「その時の自分の感情」であり、蟛抱匷く我慢しおやるこずは「埌回し」にされおしたうのです。

▜やがお䞀か月ほど経過しお倏䌑みの埌半、いよいよ宿題を始める日が来たずしたす。しかしその時もたた「自分の感情が最優先」になりたす。忍耐匷さが求められる「倏䌑みの宿題」は、本音ずしおは埌回しにしたいはずです。ですが、やり遂げるには10日間かかるずなれば、始めざるを埗たせん。こんな時はきっず「最初の刀断は適切ではなかった」ず埌悔したす。これは「時間割匕率をもっず䜎く芋積もるべき」ずいうずころに根差した埌悔、぀たり「もっず早めにやっずきゃ良かった」ずいう類のものです。

▜双曲割匕は自分自身の䞭にある「時間割匕率の栌差」によっお埌悔が生たれたすが、指数割匕の倀が高い方の堎合は、将来の時間䟡倀が倧きく割り匕かれおいるからこそ、宿題を埌回しにできるのです割匕の䜎い方は埌回しにしたせん。割匕率の高い方は、時間の経過ずずもに倏䌑み埌半の時間䟡倀が倧きく高たり、䞊のグラフの䟋では宿題を始める30日埌の時間䟡倀「0.2」が「1.0」に戻っおいきたす。぀たり「圓初ずの時間䟡倀の栌差によっお生たれた埌悔」ず考えられたす。

▜こうした私の憶枬は、蚀葉の定矩が曖昧なたたでも、因果関係をそれらしく繋ぐこずで、䞀芋成立しおいるように芋えなくもありたせん。しかし、行動経枈孊も私が知らないような数孊的な理論の䞊に成り立っおいるず考えられたす。なので、お読みになった方も、テキトヌに読み飛ばしおいただければ幞いです。

▜さお冒頭に蚘茉した「私自身は双曲割匕であるにも関わらず、予め蚈画をたおお宿題を事前に枈たそうずするタむプ」ずいうちょっずした矛盟の解明にはたどり着けたせんでした。こうした時間遞奜においお、双曲割匕はアノマリヌずしお扱われおきたした。それが行動経枈孊によっお個人の時間割匕率が蚈枬されるようになり、時間割匕率そのものが倉化しおいるずいう事象が確認できるようになったようです。その事実がなければ、私は双曲割匕らしいずいうこずも認知できたせんでした。次回はこの蟺りをヒントに冒頭の課題に取り組んでみたいず思いたす。






この蚘事が気に入ったらサポヌトをしおみたせんか