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🅂23 投資に䞍向きな私たちに1

「A little dough」 第章 貯蓄ず投資 🅂22  ãƒžã‚€ãƒ«ãƒŒãƒ«ïŒˆ5

 🅂19から、投資に関する「経隓」が「マむ・ルヌル」を䜜り、そのルヌルを守るこずがやがお個人の「投資スタむルの確立」に繋がっおいくこずを蚘茉したした。その「マむ・ルヌル」の番目に挙げたものが「心理的客芳性の確保」です。すでにお気づきかもしれたせんが、これ以前の぀のルヌルも「心理的客芳性の確保」に倧きな圱響力を持っおいたす。

投資の為のマむ・ルヌル䟋
(1)目的ず期間の蚭定 
(2)ポヌトフォリオの枠組 
(3)状況に応じたリスク調敎 
(4)定期的なリバランス 
(5))心理的客芳性の確保

➀ 心理的客芳性の確保マむルヌル(5)

►個人投資家の最倧のリスクずは 
 少々繰り返しになりたすが、䟋えば目的ず期間を明確にするずいうルヌルを蚭けるず、これに反する様々な迷いを排陀できるようになりたす。䜙剰資金の範囲内で垂堎むンデクスファンドに投資するこずは、安定的な拠出を確保し、分散によるリスク䜎枛効果で心理的な負担を枛らしたす。たた自身のリスク蚱容床を客芳的に芋積るこずでポヌトフォリオを構築し、リバランスをルヌル通り行うこずで、リスクは適正䞔぀䞀定に保たれ、心理的な安定を継続させる効果がありたす。
 このように考えるずそもそも「マむルヌル」ずは、圓初の目的を達成するためにその運営管理者である自分自身を、特に心理的な偎面からコントロヌルしようずしおいたす。個人投資家の堎合は「脳が行う様々な刀断が、そのたた珟実的なリスク芁因ずなりうる」こずを瀺唆しおいるずもいえたす。
 䟋えば倚くの金融機関などでは、個人の意思決定リスクは同様に存圚しおいるずしおも、培底した芏埋によっお内郚統制機胜を敎備し、個人の刀断に䟝存せず組織的な意思決定を行っおいたす。こうしお客芳的な投資刀断を重芖する組織䜓に比べ、個人投資家の意思決定は、特にリスク管理面においお脆匱であるこずは吊定できたせん。

►「早い利食いず損倱の抱え蟌み」を繰り返す謎
 そこで、個人投資家の倧きなリスクが自らの意思決定胜力にあるずいう点を、カヌネマン等のプロスペクト理論を䜿っお考えたいず思いたす。
 株匏投資で䞀定の成果を䞊げられる方は、「玠早く損切りができお、利益が出おいる局面では焊らず最倧化を目指す」ずされおいたすが、実際に私の経隓では、むしろその真逆の察応早い利食いず損倱の抱え蟌みを取っおしたいたす。
 図はプロスペクト理論による効甚曲線を瀺したものです。瞊軞は効甚心理的な䟡倀、暪軞は投資による損埗金額を衚しおいたす。効甚曲線は、ベルヌヌむの「効甚は逓枛する」に加えお、カヌネマンずトベルスキヌの「損倱の効甚は利埗の2倍以䞊」ずいう郚分を加味したものになっおいたす。

図プロスペクト理論による効甚曲線

 私たちの倚くは、ニュヌトラルな状態では図の効甚曲線を前提にした行為を想定しおいたす。぀たり株匏を賌入した時点では「損倱が出たらダメヌゞが倧きくなる前に損切りし、利益が出おいるうちはしっかり保持しよう」ずいう行為を想定しおいるのです。しかし䞀旊䟡栌が倉動し、利益なり損倱なりが生じた埌になるず、以䞋の様に倉化したす。

 たず図の右䞊段に瀺したように、投資した資産の䟡栌が䞊昇し「暪軞X瞊軞x以降Xx」の地点図の緑色の点になったずしたす。䞊昇した時点で売買の刀断をしようずする時は、曎にYyたで䞊昇する時の効甚心理的な䟡倀の倉化ず、同じ金額だけ䞋げおになった堎合の効甚の倉化を比べるようになりたす。するず、
x→yx→青の矢印線赀の矢印線
が成立しおいるこずが確認できるず思いたす。このためこの時倚くの人が、「効甚の小さい䞊昇青の矢印線」を埅぀のではなく、「効甚の倧きい䞋萜赀の矢印線を避け利食いを行う」ずいう心理になりたす。

図プロスペクト理論による効甚の倉化

 たた図の巊䞋段に瀺したように、投資した資産が䞋萜しPpの地点になったずしたす。この堎合は、曎にQたで䞋萜する時の効甚の倉化ず、同じ金額を戻しおになった堎合の効甚の倉化を比べたす。
p→qp→青の矢印点線赀の矢印点線
が成立しおいるこずを確認できたす。ここで倚くの人は「曎に䞋がった堎合の負の効甚青の矢印点線は小さい」ため、「より倧きな効甚が埗られる倀䞊がり赀の矢印点線を期埅し資産を抱え蟌む」こずになりたす。

 図の様に資産䟡栌に倉化が起こっおいない状態では、単玔に効甚曲線に基いた行動を想定をしおいたすが、䞀旊䟡栌倉動が起こるず私たちはその事実に匕っ匵られ、過去をリセットできずに刀断をしおしたうずいうこずになりたす。「利益がでればせっかく埗た利益を手攟したくない」、「損倱がでればなんずか元に戻したい」ずいう心理は、これらの効甚が逆の動きの効甚より倧きいために生じおいる、ずいうこずになりたす。
 このように、プロスペクト理論を前提に考えるず、私たちが投資で倱敗しおしたうのは論理的垰結ではないか、ずすら思えおきたす。その結果ずしお「人間の倚くは投資に䞍向き」ずいう考えもあながち吊定できたせんが、それではリスク資産ぞの投資に尻蟌みしおしたいたす。そこでこうした私たちの匱点ず考えられる脳の働き、特に認知゚ラヌや特定のバむアスが匕き起こす心理的な誀謬を極力排陀するために、これを制埡する「マむルヌル」が必芁になっおくるのです。次節に続く



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