嘆きの街

団地の駐車場に車を停めて煙草を吸っていた。
5階に住むお婆さんが買い物袋を片手にゆっくりと階段をあがってゆく。
ディサビリティーズをいじめていた子供は彼らに囲まれて、俺たちと同じようにしてやると滅多打ちにされていた。

車の窓から煙草の煙が流れてゆく。
ドリンクホルダーのコーヒーが冷めていく。

噂話が大好きなおばさん達が道の真ん中にいた。
補助輪付きの自転車に乗った子が行く手を阻まれている。
お婆さんはまだ階段をあがっていて2階にいる。
その後ろを太った大きな男が大声で電話をしている。

車の窓から煙草の煙が流れてゆく。
ドリンクホルダーのコーヒーは飲みほした。

隣の階段から待ち人が降りてきた。
黒づくめに濃い化粧の人が降りてきた。
彼女はリリーと名乗っている人で
紙幣を2枚渡された俺は彼女を乗せて喜びの街へ送ってゆく。

エンジンをかけて車を走らせる。
コンビニに寄ってコーヒーを2つ買った。

お婆さんは5階に着いただろうか。
少しに気にしながら車を走らせた。
パトカーと救急車がサイレンを鳴らしている。
嘆きの街へと向かって行った。

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