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【詩】希望(美徳詩篇③)
仮説に於て運命が既に定まっていたんだ
少ない共通点を愛の証だと錯覚したんだ
少なくとも先週末ぼくはそう思っていた
実のところ全ては行ったり来たりしていた
内省からスタートしたきみの仮説が
思いがけない心証の展開を見せたのだ
何が起こっているのか解らない
ぼくは口元を抑え唾を呑み込む
きみは上目遣いにぼくの喉を見ている
きみは眠れなくなっているらしい
きみは何事も手につかないらしい
きみは妄想に五里霧中らしい
躰中をアドレナリンが駆け巡る
ぼくは先程から栗の香りのする
研究室内を行ったり来たりしている