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【詩】月にて

廃墟から廃墟へ
時に熱射病のような
或いは低体温症のような
息を吸って息を吐いて
美味いか不味いかの
判別が不可能な
大量の生命いのちを喰って眠り
目覚めては見る白昼夢

学校だ会社だ老人ホームだ
勉強だ仕事だリハビリだ
満天の星空が綺麗
満点のテストが自慢
孫が笑ったじいじがボケた
奴は天才だあいつは馬鹿だ
野球だラグビーだ阿呆踊りだ
仏像だ抽象画だコミック雑誌だ
ピルだスキンだバイブレータだ
愛してるもう愛してないまだ好き
一神教か多神教か無神論か六道輪廻りくどうりんね
満たされ喪失しオレは不死鳥様だ

そんな風に資源を浪費するだけの
只生きて死ぬだけのシンプルな
何処へ行っても
この世界でしか無い
そんな一様いちような世界の青さ

それを見上げている君の横顔
無慈悲な夜の白痴美

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