詩:『イマジンとエウレカ』
『イマジンとエウレカ』
未来は輝いて待っていた
ピカピカしている学校と
ニコニコしている先生たち
学び 考え 自制し 自立し
夢に手が届く理想の社会
昔ジョンが歌ったのと全く
違わない争いも宗教も無い
マイナス要素の全く無い
あらゆる人が幸せな世界
男たちは鍛錬を怠らなかった
女たちは自らを研ぎ澄ました
その日々は充実していて
夢は現実になると信じられた
エウレカ!エウレカ!エウレカ!
勉学に於いて本質を捉える技能を
磨いていった女たち男たち
気付けば世界の有り様を
遥か後方に置き去っていた
世界はエウレカと無縁だった
甲:「withウイルスがこれからの
newスタンダードだよ」
乙:「旅費を安価にして
皆を幸せにするよ」
甲:「地球温暖化の
対策が急務だよ」
乙:「電力供給が足りず料金も
上がるので節電必須だよ」
甲:「先進大国の大統領が
隣国に戦争を仕掛けたよ」
乙:「戦争は女の顔も男の顔も
そもそも人間の顔もしてないよ」
甲:「男が学習塾で爆弾を爆発させて
少女たちの学ぶ意志を殺したよ」
乙:「女が賢いと男は
色々不都合なんだよ」
甲:「サッカーの試合で暴徒化した
男たちがいっぱい死んだよ」
乙:「おっとこれは
自業自得だよ(笑)」
こんなイマジンが延々と連なる
そんな有り様を見つけたのだ
ただその事実だけで
死んでゆくには充分だ