詩:『美馬』
『美馬』
ガラスの破片で
指を切って
固く交わした血判状
相補契約の友情は
判ったよご破算だね
冷たいパドックから
同僚たちは暗渠へ
ゲートが開いて
よーいスタート!
あなたの末脚に
握りしめた愛情は
ずっと傍らに寄り添って
黒い蹄鉄を鳴らすように
血統書には華も添えてね
周回コースを何度廻れば
本意のコースを取れる?
視界を前方に矯正して
目の前に餌をぶら下げて
身体を太腿で締め上げ
臀部に繰り返し鞭を打って
ストイックに疲弊し
純度を増してゆく
わたしの狂気は
終わらない濾過だ