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【詩】色欲(大罪詩篇④)

わぁぁーーむ わぁぁーーむ
真っ黒な雲が唸っている
街路樹が風に吹き晒される
道路に面して6機並列された
室外機たちがフル回転している
走るバスの最後部の私の隣席に
若い女がうずくまって眠りこけている
先の停留所で乗り込んできたのだ
とてつもなく美しい女だ
この上なく無防備な女だ
私は身を乗り出し女に
覆いかぶさって髪に触れ
彼女の唇をぬめりと……
女が目を覚ます
「今、何をしようとしたの?」
とてつもなく美しい女だ
この上なく無防備な女だ
真っ黒な雲が唸っている
わぁぁーーむ わぁぁーーむ

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