詩:『蜘蛛』
『蜘蛛』
月の物の匂いのする
年頃の少女たちは
原始の要求に従い
蜘蛛たちの罠に堕ちた
水蜜桃のreflexology
妖精王のlegislation
女王蜘蛛が統べる
八角形の
雄蜘蛛が群れる
腐った住みか
よってたかって襲いかかり
入り乱れ弄っては
唇を奪い
羞恥心を嘲る
純潔を奪い
自尊心を破壊する
統率のとれた
雄蜘蛛の精鋭たち
奴らは手際良く
自分の仕事をする
堕ちろ堕ちろ
どこまでも
溺れろ溺れろ
欲望を刻み付けろ
おまえたちはもう
子供ではない
おまえたちはもう
正気ではない
我々が汚した
我々が消費した
おまえたちは初めから
我々のはらからだ
そして少女たちは
もう一人もいない
そして僕たちは
美しさと醜さの本質を思い知る
蜘蛛の巣が秋雨に濡れて
今日もピカピカ輝いている