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文学フリマ広島7で買った本
みなさまへのレビュー(と作者さまへの感想を兼ねて)てきな温度感で、なるべくネタバレ無しで(といっても多少は触れますすみません)、書いていきたいと思います。
『ゆくあてのない蒲公英』南野やぎざ
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2023年10月から2024年3月9日までの日記。一日一短歌つき。前回の文学フリマ広島6に参加された日のことや、木下龍也さんの短歌教室に参加された日のこと、その他にもいろんな所へ行きいろんなことをされた日々のことが記された一冊。
日記本というジャンルの作品をちゃんと読むのは(たぶん)初めてだったんですが、文章が心地よくてどんどん読んでしまいました。テンション高すぎず、けどアツいところはアツく、さらっとしたところあり、シュールなところあり、緩急が飽きさせません。完全なる独断と偏見なんですが、シュール部分は漫画『女の園の星』みを感じてめちゃくちゃ好きでした。
好きだった短歌も一首引かせてください。
「アホちゃう」の糖度のたかさ いつのまにきみはあの子に恋していたの
いやもう、切ない。「アホちゃう」がほんとに甘すぎて、しんどい。とても好きな一首。他にもいろんな読み味の短歌が収録されています。
『僕らは星の下で』元田光
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二十代の男女三人のある夜を描いた短編小説。
軽やかな語りで紡がれる丁寧な描写は、知らない感覚を体験させてくれたり、逆にいつかの記憶を呼び覚ましてくれたり。二十代半ばの、青春の儚さに浸らせてくれる作品でした。
短編ということもあって、前情報はできるだけ無しで読んでもらうのが一番楽しめるのではないかと思います。てなわけでこの辺で。
『窓をあけたらアートが見える』わたのはらさゆ
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玉野競輪に泊まり直島を訪れる旅のあれこれを記録した旅行記。
玉野競輪や直島の様子はもちろん、クレジットカード等のお得情報が出てきたり、親子旅ならではの想いが語られていたり、といった部分もとても面白かったです。
お子さんにカメラを持たせようと思って調べて買いに行くくだり、いいなー。買いに行くのも旅の思い出だし、スマホじゃないカメラで撮るって特別感も旅の味になるだろうし、お子さんがどんな風に世界を見ていたのか垣間見ることが出来るかもだし……!
玉野競輪のレトロでポップなホテルの様子が、直島の人とアートに関する考察が、道中のトラブルやタクシー運転手さんとのやりとりが、勢いのある語りとたくさんの写真で記録されていて、臨場感がありました。
旅に、行きたい! そう思わせてくれる、旅の魅力がぎゅぎゅっと詰まった一冊でした。