【COOインタビュー】時価総額1000億円の会社をつくるために。事業戦略、人材育成・採用にかける思いに迫る
出嶋 翔さん(Sho Dejima)COO/最高執行責任者
新卒で入社した大手アパレル企業を1年で退職。大学時代の友人4名で起業するも、3年で倒産。
その後、テニスコーチなどを経て、2018年に株式会社Aに創業メンバーとしてジョイン。2020年よりCOO/最高執行責任者に就任し、現在に至る。
「5年後時価総額1000億」に向けた、ダイナミックな打ち手の設計
ーー出嶋さんは株式会社A(以下、A Inc.)の創業メンバーです。あらためて、現在の業務内容を教えてください。
特定の決まった業務というよりは、各フェーズで優先順位の高い領域を横断的にサポートしています。経営戦略の設計、事業開発、事業推進、財務、採用まで幅広く携わってきました。最近はボードメンバーが増えたことから、私の管掌領域は意図的に狭め、得意領域である人間関係構築やアライアンスづくりに力を入れています。今掲げている目標「2028年までに時価総額1000億円の会社をつくる」を目指し、足りないピースを揃えているところです。
たとえば、インフルエンサーマーケティングツール「Astream」のグローバル展開を見越し、各国の広告代理店とのアライアンス構築に取り組んでいます。すでにタイではAstreamが売れ始めており、それもまた関係性づくりの成果の一つです。とあるアパレル企業役員の方のインフルエンサーマーケティングに関する相談に乗ったことがきっかけで、現地の広告代理店の代表とつながりができ、そこからAstreamの販売に関する提携に至りました。
最大限に強みを発揮させることを考えると、私の役割はアライアンス構築のきっかけづくりまでで、その先は他のメンバーに任せる動き方がよいと思っています。今後も、あらゆる場所で「A Inc.ができること」「A Inc.が目指す世界」を発信し続け、次の一手につながる基盤づくりを進めるつもりです。
インフルエンサーマーケティングから、ブランド立ち上げまで、幅広い支援
ーーA Inc.の現在の事業内容を教えてください。
現在は、大きく3つの事業を展開しています。
1つ目は、インフルエンサーマーケティングツールAstreamの提供です。Astreamは国内で初めてサイコグラフィック分析を実現したSNSマーケティングツールです。Instagram・YouTube・TikTokの合計103万以上のアカウントデータが蓄積されています。自社のPRに最適なインフルエンサーの発見、インフルエンサーマーケティングの効率化、アカウント運用のサポートなどに活用可能です。
2つ目は、Astreamを使ったデータドリブンなインフルエンサーマーケティング支援です。長年培ったパイオニアとしての経験とマーケティングノウハウをベースに、仮説立案から、キャスティング、施策実行、効果検証まで一気通貫したマーケティング支援をおこないます。
3つ目は、インフルエンサーマーケティングに限らず、その上流の戦略立案から支援する、ブランドコミュニケーション事業です。デジタルマーケティング施策やイベント開催といったオフライン施策まで、あらゆる選択肢から、お客さまの課題に対してぴったりのソリューションを提案します。場合によってはブランド開発から携わることもあり、実際にA Inc.がゼロから立ち上げたブランドもあります。
もともとは「インフルエンサーマーケティングのリーディングカンパニーになる」を目標に、同領域にまつわる事業を中心に展開していました。不確定要素が多く、取り組みづらかったインフルエンサーマーケティングの地位向上に貢献できたのではと自負しています。
しかし、効果的なインフルエンサーマーケティング企画立案のためには「そもそもインフルエンサーマーケティングは最適か」「マーケティング戦略全体が正しい設計になっているのか」まで、視野を広げて考えなければなりません。場合によっては任された業務範囲を越え、戦略自体の見直し提案をおこなってきました。その結果、クライアントからさらに頼ってもらえるようになり、入り口はインフルエンサーマーケティングでも、徐々にその上流までのサポートを任されるようになったのです。
会社のためだけでなく、日本の国力を上げるため、人材育成にも力を入れる
ーー出嶋さんが関係性構築の他に力を入れている業務はありますか?
人材育成です。
私の一日のスケジュールは、ほとんど社外の人と会う予定で埋まりますが、どれだけ予定が入っても新入社員やインターンとの1on1の時間は確実に確保しています。実施の頻度や伝える内容は、社員かインターンかによって異なりますが、共通して2つの取り組みを実施します。
1つ目は、仕事に向き合ううえで意識すべきマインドセットについて伝えることです。とくによくお話しさせてもらうのは、有名な「3人のレンガ職人」や、私自身の人生に大きな影響を与えた名著『「原因」と「結果」の法則』の内容です。とくに『「原因」と「結果」の法則』については抽象度が高いので、たまにポカンとされることもありますが、それでもいいと思っています。A Inc.で仕事をしている最中やその後の人生のどこかで思い出してもらい、そのときに「そういうことか」と納得してもらえれば、それでいいと思っています。
2つ目は、自分のこれからの人生を「どう生きたいのか」について考えてもらうことです。その場で考えてもらうのではなく、宿題としてもって帰ってもらい、その内容を後日ヒアリングするかたちで進めます。「なぜそう思うのか」「具体的にはどういうことか」など質問を重ね、言化語をサポートします。自分自身の目標について自覚してもらうことで、A Inc.で働くモチベーションを高めてもらいたいという意図があるのです。
1on1をはじめ、教育に力を入れる背景には、当然A Inc.でハイパフォーマンスを出してもらうため、という意図もあります。ただ、一番の理由は、新しく仲間に加わるメンバーのこれからの人生に少しでもプラスの影響を与えたいというものです。社会で活躍できる人材に成長してほしいという気持ちが大きいですね。
A Inc.は「インフルエンサーマーケティングのリーディングカンパニー」を目標に掲げて走っていますが、その先には「日本の国力を高める」というさらに大きな目標があります。自分の生まれ育った国のために貢献をし、先人たちがつくり上げてくれた日本ブランドを守りたいという思いから生まれた、A Inc.の究極的なゴールです。若い人たちに成長のきっかけを与え、活躍できる環境をつくることは、これからの日本を強くするための人材を育てることであり、まさに「国力」に直結する行動だととらえています。
ーー創業時からインターンを多く採用しているのも、相手の成長に貢献したいという意図からなのでしょうか?
そうです。
加えて、志のある学生同士がつながる場所をつくりたいという意図もあります。私自身、学生時代に形成した人脈が今のビジネスに大きく影響を与えています。多くの人がさまざまな会社で重要なポジションを担っており、そのおかげで業界のキーパーソンを紹介してもらえたり、新しい仕事を生みだせたりしているのです。優秀な人材が集まる受け皿としてA Inc.が存在すれば、インターンにとってお金を稼ぐ場所であるだけでなく、将来役に立つ人脈形成のための場所にもなると考えているのです。そのような意識が強いので、インターンには何度も「ここでのつながりを一生大事にしてほしい」と伝えるようにしています。
ハイペースな会社の成長とともに、若手の活躍チャンスが増え続ける会社
ーーA Inc.の今後の展望について教えてください。
まずは、「2028年までに時価総額1000億の会社をつくる」を実現させるため、さらに多くの挑戦をしたいと考えています。現在取り組んでいるマーケティング支援事業に関しては、Astreamの世界展開を進める予定です。世界中で実施される、インフルエンサーマーケティングやKOLマーケティングを支えるツールとしてAstreamが認知され、「Astreamを導入していないとダメだよね」と言われるようなポジションを確立したいです。そのうえでツールの提供会社であるA Inc.の認知度も上がり、世界中でマーケティング支援ができるようになると理想的だと考えています。
加えて、Astreamを越える新規事業開発にもチャレンジする予定です。すでに今、着手している新規事業は3つほどあり、それぞれが大きな市場を獲得できる可能性があります。新しいサービスを短期間で次々にリリースし、互いにシナジーを効かせながらグロースさせる「コンパウンド経営」を推進する予定です。
いずれの戦略も、実現には多くの優秀な人材が必要であることは間違いありません。会社の成長に伴って、今後ますます多くの重要なポジションが増える予定です。実力やマインドが伴うならば、たとえ年齢的に若くてもどのようなポジションでも任せたいと思っていますので、「事業部長をやりたい」「子会社社長をやりたい」と考えている人には、ぜひたくさん出会えるとうれしいです。これまでも20代のメンバーに事業部長を任せたり、入社1年目で管理職に抜擢したりした事例があります。
ーーどのような人材を求めているのでしょうか?
「日本を変える」といった大きなスコープで仕事がしたい人にとってはフィットする環境だと思います。我々は「日本の国力を上げる」という壮大な目標を本気で追いかけており、自社よりも、クライアントや世の中にフォーカスをして、仕事をしています。それらに価値を提供できれば、自ずと会社の売上も上がると考えているのです。大きな夢にワクワクを感じられる人は、高いモチベーションで働けるのではないでしょうか。
A Inc.が目指す未来について、少しでもワクワクした人は、まずは一度お話しさせてもらえるとうれしいです。