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湯沢移住してから2年経過しての所感

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コロナが明けたことによる変化

ようやく、新型コロナウイルスによる移動自粛ムードがなくなり、ほうぼうへ出張する機会が増えてきました。職業柄、学会にいって大学の先生方と定期的にあっていたのですが、オンラインの学会では雑談ができず、学術的ではないコミュニケーションが途絶えていました。
久しぶりに会った先生方から「なんかすごいところに移住したんだって?」とよく聞かれます。「思い切ったねー」とか「うらやましい」などの声があるなか、特によく聞かれるのが「どうして越後湯沢なの?」という話です。
確かに、移住先を越後湯沢と見定めてから、詳しくリスクを検討した内容は過去記事にまとめてありますが、なぜ越後湯沢を選んだのかは余り書けていなかったし、皆さん気になるところということがわかったので、まずはそこから書いて行こうと思います。

職場までドア2ドアで2時間。移動中も仕事をしたい。消去法で考えたら湯沢。

移住を決めた当時(ギリギリコロナ前)は通勤する気まんまんだったので、家を建てる場所を探す基準をまずは決めました。まず人口動態を考えると今後30年は高齢者は減らない=居住に適した便利な場所の地価は下がらない、と考え、新興住宅街/マンションを検討しました。しかし、やはり既にこれまでの人口増加で数々の地区が開発されたあと、いま開発している地区というのは通勤時間が長くなってしまい、住宅開発会社が今現在に手を付けているところが良い選択であると思えなくなりました。特に自分は人が多いと頭痛がしてくるので、長く満員電車に乗るというのは考えられません。

そこで、発想を転換し、住宅開発会社が今手を付けている土地より、もっと遠くで良い場所を先回りして確保しよう、というように発想を転換してみました。特に自分は昔から新幹線でものすごく集中して仕事ができることがわかっていたので、新幹線で通勤することで「フロンティアの先回り」が実現できると考えました。

ではどれくらい離れることができそうでしょうか?ネットでググると通勤時間が2時間を超えてくるとかなりストレスになるという話がよく見つかりました()。そうすると職場の場所の兼ね合いもあり「新幹線で東京駅まで1.5時間以内」というのが基準として見えてきました。実質的にこの移動時間内で仕事ができないのは東京駅(or上野駅)から職場までの区間だけなので新幹線で通勤することで仕事の効率がむしろあがる未来すら見えてきました。

新幹線で東京から1.5h、夫婦とも雪国育ち。なら湯沢がコスパ良い。

東京駅発着の新幹線は東海道、北陸、上越、東北の4つです。このうち、東海道線は既に先人たちが新幹線通勤を実施しており、座席の確保が難しいようでした。このため、東海道新幹線はそうそうに候補から外れます。

残った3つの新幹線沿線で東京から1.5時間くらいなのは佐久平、軽井沢(北陸新幹線)、越後湯沢、高崎(上越新幹線)、那須塩原(東北新幹線)あたりです。このうち地価が高いのは避暑地として知られる軽井沢あたり、逆に地価が安いのは越後湯沢、那須塩原あたりでした。高崎、佐久平はそれなりに都会なので安心感はあります。しかし、特に新幹線駅の近くにすまないと「ドアツードアで2時間」が達成できないのですが、新幹線駅周辺の土地はそもそも空いていないか、価格的にわざわざ遠方に住むお得感が薄い印象でした。
このため、候補は駅チカに家を建てられる越後湯沢か那須塩原に限られました。しかし那須塩原は新幹線の発着本数が少ないという問題がありました。一方、越後湯沢はそれなりの本数が停車します。特に始発駅なので確実に座れる、かつ、終電の終着駅なので帰宅時の乗り過ごしも避けられます。

最後に那須塩原に住む場合と越後湯沢に住む場合の娯楽の違いを考えました。よく「子供のために移住」というイメージがあるかもしれませんが、移住した先に長く住むのは親の方で、子供はさっさと大学あたりで東京で一人暮らしをして独り立ちしていってもらうイメージでいるので、親にとっての娯楽を重要視しました。また、子供が大きくなった後で実家に帰ってきてくれる頻度が高くなりそうな町、という基準も考えました。このような長期的な視点に立った場合、子供向けの遊園地的な施設が有名な那須塩原とスキー場で有名な湯沢を比較して、湯沢に軍配があがりました。

もちろん、スキー場の近くに住むということは雪かきなど克雪対策が重要になります。雪かきは男手である自分がやることを想定しました。北海道人の自分にとって、水で雪を溶かすことができるのはほとんどズルをしているようなもので、そういった設備にお金をかけた家を建てられるなら、なんの問題もないと感じました。むしろ、東京でジムに通ってエクササイズするのは有料ですが、雪かきによるジョセササイズは無料です。しかも、サボれないので運動が長続きしない性格の自分には向いていそうです。
そんなわけで私のいくつかの性質(新幹線で仕事ができる、人混みが苦手、雪が平気)を条件に検討した結果は「消去法で湯沢」が最適な移住先として選定されました。

(追記: 2023.11.6)
もちろん、上記は我が家の選択であって、他の地域の方がよい!という人も多いと思います。最後に書いたように、湯沢の雪深さは地元の人が「冬になるたびに閉じ込められる気分になって逃げ出したくなる」というほどですから。北海道人的には谷川岳のトンネルを抜けたら雪がなくなるのが逆に新鮮でした。北海道だと飛行機に乗らない限り逃げ出せないので(笑)。
特にいま、この記事を見直しながら佐久平を調べ直していたのですが、中なか条件良いなと思いました。以前調べた時は駅チカの住宅用地はこんなに無かった気がするのですが、もしかしたらコロナ禍の間に状況が変わったのかも?と思ったり。移住関連の記事も見つかります。雪が好きか嫌いかで選択がわかれそうな雰囲気ですね。ちなみに、前述の記事にガソリン代のことがありますが、湯沢は新潟県で比較的ガソリン代は安い方だと感じます→調べたら全国で2番目に安いようです(2023年11月4日現在)。

若干のギャンブル要素

正直、子供がスキーorスノーボードを好きになってくれるかはギャンブルでした。結果的にこの賭けには勝つことができました。上の子も下の子も雪が降るのを9月末くらいからずっと楽しみにしているほどです。
また、この先、高校進学についても若干の不確定要素があります。しかし、そのあたりは町の移住相談に問い合わせれば色々教えてくれると思いますがちゃんと進学校も通学圏内なので大丈夫なようです。

2年目にあった出来事

2年住んだ所感と言いながら、ほぼ、なぜ湯沢を選んだかの話になってしまいました。2年住むとそこそこ面白い出来事もありました。まず、子供が2回もテレビにでました(ローカル局ですが…)。上の子は東京でおかあさんといっしょにも出られたので8歳にして3回もテレビに映っています。すごい。
こちらでの2回は移住の取材で1回、地方でオペラをやる、というのでカルメンの舞台に出たところ、そのカルメンの舞台裏を取材いただいて映ったのが1回です。

また、冬になると同僚がスキーをしにやってきてくれます。スキー場で駐車場に止めたとき、近くの車のおじさんが「相模から下道を6時間かけて来たわー。君らはどこから来たの?」と聞かれ、「湯沢です…10分で来ました」と答えた時はめちゃめちゃびっくりされました。スキーをさんざん滑ってすぐに家でくつろげるのも最高です。

毎年、春は桜でいっぱいになります。六日町あたりと湯沢と苗場で時期がずれるので長く桜が楽しめます。長い冬が終わって色々なものが芽吹いて(まだ蚊もいなくて)とても気持ちが良い季節になります。

去年の夏は雨で川があふれていてなかなか川遊びできなかったのですが、今年の夏は川遊びもできました。子供は校内の抽選にあたってフジロックにも連れて行ってもらえました(会場が広すぎて子供向けイベントではないなーと思いましたが…)。

今年の秋は出張や締切が多くてまだ何も満喫できていません。今年はこのまま秋は満喫できずに冬に突入しそうです。まぁ、長く住むので急いで名所を巡るよりは、タイミングがあったときに近さを活かしてちょっとずつ見て回ろうと思っています。

子供が遊ぶ穴場も見つけました。道の駅の建物で、実はモーター付きの子供用自動車が30分100円で借りられます。走り回れるスペースもそれなりに広いです。子供が遊んでいるのを見ながら、親はカフェでゆっくりできます。東京ならイベント会場などで10分500円くらいな気がします…。
こちらは穴場というわけでもないですが、道の駅には白いふわふわのジャンプをする奴もあり、東京と違って延々に飛び跳ねていられます。子供らは自動車とジャンプのコンボで体力を使い果たしてくれます

観光地なのでイベントごとも多いです。事あるごとに出店やキッチンカーが集まるイベントがあり、夏も駅前で花火大会があります。冬は各スキー場で持ち回りで、ほぼ毎週花火が上がっています。
町内でも場所によっては熊にかなりの注意が必要ですが、今のところうちの周りは何事もありません。夏場にブユが多いのは悩みかも。水がきれいだからしょうがないかと思っています。あと、家の窓にカエルがかならず1,2匹ひっついてますね。窓そうじがやや面倒です。窓拭きロボットをレンタルしてみましたが、本格的に導入を検討しても良いかもしれません。

色々と消去法で湯沢を選んだにも関わらず、結果はリモートワークになっています。しかし、出張も増えてきて東京経由で色々なところに行くことも増えてきました。だいたい、東京に21時くらいに帰れるスケジュールになることが多いので、もうひと頑張りするだけで毎回延泊なく湯沢へ帰ることができています。
そんなわけで、2年経った現在も、満足して楽しくくらしています。
次の水曜は上の子供のスキーチームの今シーズンの説明会に行ってくる予定です。今年の冬も楽しみです。

(2023.11.3. noteの記事を書くのはいつも空港の中…オタワ空港にて)


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