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“学会員”インタビュー⑱ハヤテさん

天海春香学会Vol.2出版記念企画として、「学会員」のみなさんへインタビューを行うシリーズ企画。

第18回は、ハヤテさんへのインタビューをお届けいたします。

インタビュー:そにっぴー/スタントン

文:スタントン

———

くぎゅのファン

ハヤテ:
お願いします!

——宜しくお願いします。ハヤテさんがそもそもアイマスにハマったきっかけはなんでしょうか。

ハヤテ:
きっかけといいますか、初めてアイマスに触れたのが社会人になってからだったので……13年ほど前ですかね。

——13年というと、かなりのベテランさんですね。

ハヤテ:
ベテランというほどでは……ただゲームをやってるだけでしたし。「アイマスにくぎゅ(釘宮理恵さん)がいる」と聞いて、友人の家でやったのが最初でした。当時はくぎゅのファンだったので、実は、最初にプロデュースしたのは伊織なんです。だから、"元伊織P"って感じなんです。今の自分からしたら想像つかないと思いますけど(笑)。

——春香Pとか伊織Pとか、現在のハヤテさんを見ても “そういう感じ” は受けないですよね。結局、最終的には伊織Pにはならなかったのですか。

ハヤテ:
伊織Pにならなかった、というより、SPをやるまではアイマスに手がつかなかった、って感じでしたね。色々やりたいゲームが——テイルズオブシリーズとか——あったので、SPをやるまでは(アイマス)グッズも買ってすらなかったんです。

——SPに、なにかハマるきっかけがあったのですか。

ハヤテ:
伊織がいる、という理由でワンダリングスターをやって、それから他の作品2つ(ミッシングムーン・パーフェクトサン)もやって、ストーリーモードは全員分終えました。

——全員プロデュースされるなんてすごいですね。まさに "小鳥担当"という感じがいたします。

ハヤテ:
小鳥さんを知ったのもSPからなんですよね。


あれ?この人アイドルよりもかわいくね?

——少し核心のお話をお伺いいたします。ハヤテさんは小鳥担当と名乗ってらっしゃいますが、小鳥さんのことが好きな方はいても、担当と名乗ってらっしゃる方はそういません。どうして、音無小鳥さんにそこまでハマっていったのでしょうか。

ハヤテ:
小鳥さん "も" 好き、という人はいても、小鳥さん "が" 好き、という人はなかなかいないですよね。IUを制覇したあとに、高木社長と黒井社長が、小鳥さんをめぐって争うシーンがあるじゃないですか。「音無小鳥をいつまで事務員にしておくつもりだ?」っていう。「あの黒井社長がそこまで気にするんだ、小鳥さんってどんな人なんだろう」って思って、小鳥さんについて調べていくうちに、「あれ?この人アイドルよりもかわいくね?」って思い始めたんです。アイドル並みの歌唱力があるうえに、まだ明かされていない秘密もあるんですよ。「もっと知りたいな」と好奇心が芽生えてきて、それでいま現在に至るわけです。

——例えば「春香Pです」という人がいたとしますよね。そういう人であれば、春香をゲームでプロデュースしたり、春香のガチャを回したり、春香グッズをたくさん買ったり……というのを "プロデュース" だとイメージされると思います。「小鳥さんをプロデュースする」となったときに、ハヤテさんはどんな活動をされているのでしょうか。

ハヤテ:
最低限、グッズは確保したいなと思っています。小鳥さんのグッズがあるなら喜んで予約しますし、ぷちますの予約特典に小鳥さんがいたら、最低でも5冊くらいは買っておきたいと考えていますね。特典でも、1つ、2つじゃ足りないんですよ、自分の中では。物足りないから、無理のない範囲で5つくらいは確保したいな、と。もちろん、買った本とか特典は売らずに保管してるんですよ。

——売らずに保管しているとなると、ご自宅は小鳥さんだらけじゃないですか。

ハヤテ:
小鳥さんだらけですね(笑)。小鳥さんのグッズ、ぴよぴよのグッズを含めると500個くらいはあるんじゃないですかね。いやあ、うちに帰るだけで眼福ですよ。


160冊くらい

——朝焼けは黄金色についてお伺いいたします。小鳥さんがお好きなハヤテさんにとってみたら、願ったりかなったりな作品だったのですか。

ハヤテ:
最初、小鳥さんのサイドストーリーをやる、という情報を聞いたときにはびっくりしました。後日、じゅりきち(滝田樹里さん)がニコニコ超会議のイベントに出て、直接告知をされたんですが、その時現地に居たんです。(イベントが)終わったときにはもう感情を失うくらい涙がボロボロ出ましたね。

——先ほど、グッズについてたくさん買っていると仰っていました。朝焼けのコミックスについてはどのくらい買ってらっしゃるのですか。

ハヤテ:
そうですね……各特典に5冊ずつだから……1巻だけで63冊くらい2巻と3巻で50冊くらいだったかな?だから、うちにある朝焼けのコミックスを集めると160冊くらいになるんですよ。

——(スタントン)こち亀みたいですね(笑)。
——(そにっぴー)角川の在庫かよ、って感じですね(笑)。

ハヤテ:
朝焼けだけで、壁ができるくらいありますね。のちに出るだろう4巻、5巻、6巻も、特典が付くならまた50冊ずつくらい買うんじゃないかな。楽しみです。


春香さんと小鳥さん

——ハヤテさんは小鳥Pにも関わらず、どうして春香学会にご参加いただいたのでしょうか。

ハヤテ:
春香学会へ参加する気は、最初全くなかったんですよ。春香さんどころか、アイドルを担当していない私が参加したところで何を書けばいいんだよ、と思ってたくらいなんです。そんななか、Vol.1を興味本位で買って読んでいくうちに、「春香さんと小鳥さんって結構接点があるのに、なんで誰も書いてないんだろう」って思ったんです。考えれば考えるほどムカムカしてきまして、「だったら殴り込んで書いてやらあ!」と思ったのがきっかけですね。

——熱を持って書いていただけて、運営としてはありがたい限りです。

ハヤテ:
学会誌では、MA FINALE(THE IDOLM@STER MASTER ARTIST FINALE)をメインで書いたんですが、それ以外でも(春香と小鳥さんの接点は)一応あるんですよ。アイマス2のプロローグでもありますし、生っすかスペシャルでもあります。ただ、直接的に絡んでるわけじゃなかったんですよね。だから、MA FINALEをメインに書かせていただきました。


——文章中でも書いていただいたのですが、アニマスでは要所要所で春香と小鳥さんが絡んでいますよね。

ハヤテ:
1話から絡んでましたからね。小鳥さんって基本的に、765のアイドルと仲がいいから、どのアイドルに対してもフレンドリーに接していてほのぼのしますよね。他のアイドルからも、お姉さん的な関係で接してるイメージもあります。


ハイスペック

ハヤテ:
ちなみに、OFAの小鳥さんは不憫なんですよね。パソコンのデータが毎日のように消えたり、プロデューサーを食事に誘っても話を聞いてもらえなかったりします。だからもう、"小鳥さんの話すら聞いてない俺"は俺じゃないんですよね。OFAの世界のハヤテPと解釈違い起こしてるんですよ。グリマス以降、小鳥さんの特技に「料理」が追加されたんですけど、ステラステージでようやくお弁当作るシーンが出てきたり、朝焼けにもそういうシーンがあります。

——小鳥さんについて、これもお伺いさせてください。私(スタントン)が会社で事務職をやるようになってから思ったのですが、小鳥さんって一人で色々なことをされていてすごいですよね。

ハヤテ:
そうなんですよ。小鳥さんってハイスペックなんです。765プロの事務処理を1人でやってる場面が多いですからね。律子さんが手伝ってはいると思うんですけど、あくまで竜宮小町のプロデューサーですし。ゲームによって多少違うんですけど、アイマス2だと(プロデューサーに)メモを届けるためだけに遠征してますからね。行動力が高いんですよ。

——小鳥さんってまさにハイスペックですよね。それでいて美人ですし。

ハヤテ:
何気に、機械にも強いんですよ。カメラの使い方を千早に教えるくらいですからね。

——小鳥さんって経理事務もやってるから、エクセルの関数とかも詳しいんでしょうね。

ハヤテ:
だと思いますよ。あれだけの事務処理をこなすくらいですから。

——なぜ、小鳥さんはこんなにハイスペックなのだと思いますか。

ハヤテ:
うーん……なんて言うんでしょうか、小鳥さん自身はアイドル好きなところがあるので——小鳥さんは好きなことの欄に「アイドルのみなさん」と書いているくらいなので——アイドルに関する資料を収集するときに、そういうの(事務処理能力)を得たのではないでしょうか。あと、アニマスでは小鳥さんの部屋に録画したビデオや機材が並んでいる描写もありました。「ゲロゲロキッチン」や「お料理さしすせそ」みたいに、料理番組を中心に録画しているみたいです。
(料理する)描写自体はなかったんですけど、料理が得意だと思われる描写があるんですよ。プロデューサーが入院するシーンってあるじゃないですか。それで、小鳥さんが病室でリンゴの皮をむくんです。一見、何気ないシーンに見えるんですけど、リンゴの皮をキープしながらむくのって難しいんですよ。

——そういえば、帯状になるように綺麗にむいていましたね。

ハヤテ:
意外とあれって難しくて、しかも、手元を見ていない状態で普通にむいているんです。特技に料理が書かれていることの端緒なのかな、とも思いました。


締切

——ハヤテさんの文章を読んでいて、読みやすいと感じました。ハヤテさんは文章を書く経験がおありだったんでしょうか。

ハヤテ:
全くないです。

——全くなかったのですね。ブログとかもないのですか。

ハヤテ:
はい!全く。

——それは驚きました。この文章を書く時に、気を付けたことはなにかありますか。

ハヤテ:
自分のなかで一番注意したことは……締め切りに余裕を持っておくことですね(笑)。

——締め切り。

ハヤテ:
小鳥さんの誕生日(※9月9日)の3日か4日前に原稿を完成させて、そのあとに提出したので。締め切りには余裕を持っておきたいな、というところだけ意識していましたね。

補足:天海春香学会Vol.2の提出期限は9月30日でした。


冷房効いた部屋で鍋焼きうどん食ってるみたい

ハヤテ:
春香学会の作品を一通り読んだあとに、自分のを改めて読んでみたんです。他の人と比べて、自分のだけ温度差違うんですよね(笑)。春香さんについて「あ、こういう見方もあるんだ~」ってわかる考察とかが並ぶなかで、自分のを見ると……「はる○○」ってタイトルをつけてるのに、開幕5行目くらいでネタバレしていたり、ところどころ顔文字が入っていたり……ギャグかよ!温度差がありすぎるんですよ!冷房効いた部屋で鍋焼きうどん食ってるみたい。

——学会誌の他の作品で、気になったものや面白かったものを挙げていただいてもよろしいでしょうか。

ハヤテ:
ペペロンチーノさんの文章。春香と伊織の会話時間を書かれているじゃないですか。計測してまでやってる、というところに「すごいな!」と感じました。


ハヤテ:
あと、かどさんですね。私も箱で春香さんのプロデュースをしたことがあるので、色々思い出しました。


ハヤテ:
それから、らぁーたさんの作品(『私にとっての天海春香』)ですと、アイマスに入ったばかりの人の視点が分かって新鮮な気持ちになりました。内容についても興味を注がれました。
なかやまさんの本棚についての考察もすごかったですよね。色々な人から言われているように、着眼点がすごいです。背表紙を見ただけで本のタイトルを把握してるのもすごいんですよね。もしなかやまさんの考察通りだったら、春香さんってインテリアイドルとしてやっていけるんじゃないかなって思うんですよね。クイズ番組で律ちゃんと組んで賞金獲りにいけるんじゃないかなと。

ハヤテ:
あと、この人と酒飲んで話したいって人がいます。

——おお、どなたですか。

ハヤテ:
司令官さんです。私も小鳥さんの等身大ポップを持っているので、記事にあったおすすめの置き場所を読んで「あ、わかる!ほんとそれ!」みたいに思いました。等身大ポップを持っている人なら、みんなわかる話なんですよね。
実はね……等身大ポップの究極的で理想的な設置場所があるんですよ。
その設置場所はですね……「天井」なんですよ。

——天井ですか!?

ハヤテ:
等身大ポップを天井に貼り付ければ、電気の光によるダメージが少ないですし、ホコリもたまりにくく、(生活)スペースを圧迫しないんです。
ただ、あくまで理想なんですよ。設置するのがすごく大変なんです(笑)。天井から落ちないようにしないといけないんですけど、強力な両面テープを貼ってしまうと天井やポップが傷ついてしまう可能性が高いので。

ハヤテ:
あと、司令官さんのインタビューでは「担当」の概念についての持論を語られていたのですが、すっごく共感できました。「他のアイドルも好きだけど、担当というのは違う」という内容でしたが、自分のなかでも近い定義があるんですよ。デュオやトリオみたいに、アイマスのゲームって複数人をプロデュースできるじゃないですか。それでレッスンや営業をしたときに、片方の子だけ構っているともう片方の子のテンションが下がっちゃいますよね。だから、(ゲームの場合)それを平等にする管理が大切ですし、実際、複数人をプロデュースするなら平等に接したいんですよ。
気にいっているアイドルは小鳥さん以外にもいるんです。シンデレラだったら松本沙理奈、久川颯、ミリオンなら百瀬莉緒、SideMはBeit、Legendersが好きですし、シャニマスだったら園田智代子みたいな。気にいってはいるんですけれど、担当か?と言われたら違うんですよ。小鳥さんの誕生日には祭壇を組んでいるんですけど、もしその子達を担当にするなら、小鳥さんと同じような祭壇を組みたい。それが私なりのプロデュースなんです。ただ、それをする自信がないんですよ。


——ありがとうございます。イラストについてはいかがでしょうか。

ハヤテ:
もう、安心と信頼の落ソヤさんですよ。
それから、表紙も担当しているななみんさん
あと、ミワのいぢさんですね。ミワのいぢさんに関しては、Vol.1の文章でも参加をしていたじゃないですか。実は、私がVol.1を読んでいて一番よかったのがミワのいぢさんの文章なんですよね。

——「天海春香とは何者だったのか?」ですね。


ハヤテ:
そうです、それです。興味本位で春香学会Vol.1を買ったんですけど、ミワのいぢさんの文章を読んで「良かった~!」って心から思えました。特に、あとがきの部分が良かったんですよ。

(前略)単純に私の中で無理をしてまで向き合いたいコンテンツではなくなっていたというだけの話かもしれないです。ただアイマスを嫌いになったという訳じゃないのです。「正直なところ公式に付き合うの疲れてきたよね?」という状態なのです。(後略)

ミワのいぢ著『天海春香とは何者だったのか?』、天海春香学会Vol.1、PP149-150、天海春香学会 より

ハヤテ:
ずっと思ってたことなんですが、私って、公式に対する向き合い方が他の人と比べると違うんです。以前、ゆくM@Sで765ASの単独ライブの発表があったじゃないですか。あれを見て周りの人はすごく喜んでいたんですけど、「コンセプトも出演者も決まってないのに、なんでそこまで喜べるんだろ?」ってモヤモヤと思ったんです。その後、ミワのいぢさんの文章を読んで、「ああ、(自分の考えは)それだったのか!」と思ってました。

——寄稿いただいた文章の最後で、「春香学会を通して他の方々がどんな考えなのか、どんな気持ちを抱えているのかを勉強させていただく所存です」と書かれていました。Vol.2を読んでいかがでしたか。

ハヤテ:
春香さんに関しては、元々ゲームで少し触れた程度で深くまでは見ていなかったんですよね。だから知らないことも色々あったんですけれど、学会誌には古参から新人まで、色々な人の見方があって、(春香に対する人々の)思いも知れたのが良かったです。自分の知っている春香像だけでなく、他の人の視点や意見を見られたので新鮮な感じになりました。

共通点を

——仮にVol.3の企画があったとして、参加されますか。

ハヤテ:
今回参加したのも気まぐれだったので……参加するかどうかはその時の気分次第だと思います。ただ、仮に参加するとしたときのテーマはあるんですよ。Vol.3では他の作品——アイマス、アイカツ、ラブライブ——を交えた文章を書きたいです。アイカツなら星宮いちご、ラブライブなら高坂穂乃果というように、センターのアイドルに共通する部分を探していこうかな、と。

象徴的な存在

——あなたにとって天海春香とは。

ハヤテ:
春香さんについて、どこがいいのか自分の言葉で言えない部分が多いんですよね。うーん、悩むなあ……どういえばいいのか本当に悩みます。

——……この質問については、答えていただくまで我々はいつまでも待ちますよ。

ハヤテ:
明日でも、明後日でも、100日後でも?

——もちろんです。逃げたとしても、地の果てまで追いかけていきます。

ハヤテ:
執念がすごい……えー……アイマスが何かとコラボするときに春香さんがよく選ばれるじゃないですか。今でもアイマスを知らない人が当然いるので、初めてアイマスに触れる人からすると、天海春香は知らなくても、「このアイドルは見たことがある!」ってなると思うんです。だから、天海春香は「象徴的な存在」だと思います。

———

音無小鳥に対する熱意を持ちつつ、春香学会へ参加いただいたハヤテさんのインタビューでした。

天海春香学会Vol.2は現在完売しております。

再販・増刷時にはツイッターにて宣伝いたしますので、いましばらくお待ちくださいませ。



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