アーニャはみんなのボンド!?
1 スパイファミリーの魅力・個人の集まりから家族へ
今年(2022年)も、もうすぐ終わりを迎えます。今年に流行したアニメといえば、スパイファミリーではないでしょうか。あなたはもうご覧になりましたか?私はいつも流行に乗り遅れるほうなので、アマゾンプライムで一気見しました。今回は、スパイファミリーを見た感想とその魅力を共有します。
スパイファミリーを一言でいうと、スパイ(父)、殺し屋(母)、超能力者(子)という血のつながらない3人が、ひょんなことから家族になり、トラブルに巻き込まれながらも、幸せな生活を送ろうと奮闘するギャグアニメです。
アーニャたちが生きる世界は、東西の冷戦下にあり、戦争を防ぐ重要なミッションがスパイである父・ロイドさんに課せられているわけですが、スパイ、殺し屋、超能力者の3人(後に犬・ボンドが一匹増える)の血がつながっていないことや、お互いに隠し事をしていることなど、そういった異質な設定を忘れてしまうほど、個人の集まりが家族になろうとする奮闘記に、私は魅力を感じています。
2 アーニャの役割・個人と個人を結ぶ
ロイド(スパイ)、ヨル(殺し屋)、アーニャ(超能力者)という3人の中でも、今回はアーニャに注目したいです。(今回は…といったけど、次回は無いかもしれない。)なぜならば、アーニャが家族ひとりひとりを個人として扱う見方を私たちに促した上で、個人と個人を結ぶ、家族の結び目・接着剤という役割を担っているように見えるからです。
アーニャは、この3人ってもともと個人なんだよという見方を私たちに促します。スパイ、殺し屋、超能力者と聞くと、架空のキャラクターといった印象を受けますが、彼女が自身の動物の心を読む超能力を使って、キャラクターたちの心を見せてくれます。そうすることで、家族になろうとしているけれど、もともとは個人だよねという見方を示してくれます。個人だから、それぞれの想いや都合は当然あるよね。個人が集まった家族だから、時にはうまくいかないこともあるし、集まったことで悩んだり悲しい思いをしたりすることだってあるよね。そういった前提に立ち返らせてくれるのが、アーニャというキャラクターの良さです。
例えば、アーニャが、父と母の心の声を聞いて、わざとらしく自分の言動に移すシーンは、物語の中で何度も登場します。時には、落ち込んでいる母を励ますように演技したり、父の仕事のため・ステラという優等生のバッチを獲得するために、学校に関わる活動を頑張ったり。このように、アーニャは、個人としての親を尊重しながらも、家族になろうよと両親の手を取り合うように、自ら行動できる女の子です。
3 アーニャのように人々とのつながりや時間を楽しみたい
集団内での立ち振舞や他人とのコミュニケーションに関して、苦手意識をもっている私ですが、アーニャをきっかけに、「他人と関わるのってめんどくさい」だけではなく、「挑戦してみてもいいかも」という気持ちが生まれました。自分が心地よい毎日を送るためには、自ら行動して心地よい人間関係をつくっていく、そういった姿勢で、アーニャのように、人々とのつながりや時間を楽しめるといいですね(未来の自分へ圧力)。きっとそれが自分の人生になるのでしょう。『アーニャをしると、せかいがへいわに!?』に騙されて。