微睡む頭上に夢は咲く——『Somnolence』怪文書
眠れ、眠れ、小さな若草
過ぎゆく乙女の一瞬はあまりに儚い
ならば午睡にその身を浸し、過ぎ行く時間を引き留めよ
安らけき正午 木々のかげ
揺れる陽射しのまどろみに
花はひっそり咲き誇り
夢は静かに産声を上げる
夢の中なら自由に踊れる
夢の中なら全てが叶う
あなたはどんな願いを抱く?
あなたはどんな世界を望む?
その手で描いて見せて欲しい
脇目も振らず
縛られもせず
色とりどりのあなたの色で
さあ始まりました怪文書!
いよいよクリスマスも過ぎ、年末になってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
ファンとしての拙者を知るフォロワーの大半から「愛が重すぎて引かれそう」と思われているオタクこと荒斑泥です。事実は時として棘だぞ。
それはさておき最近、いろいろなコスプレイヤーさんを見ていて「好きな衣装を好きに着て、自由に自己表現をできる土壌がある。現代ってとてもいいものだなぁ」と思いました。
オタクは、イトウさんには幾つになっても好きな服を胸を張って着て笑顔でいて欲しいです。
さて、今回の写真集は赤と青の2色ですね!
余計なことばっかり考えてるオタクとしては「エグ○イドに出てくるパ○ドと同じ色の組み合わせじゃん……!」と思ったり思わなかったりしました。そんな……
でもイトウさんの可愛さにオタクがパーフェクトにノックアウトされるって意味じゃだいたい合ってる。
青いリボンは蝶のように、赤い薔薇は情熱的に僕の思考を奪うのだ。
余計なことついでにもう一つ言うなら、怪文書のタイトル考えてる時に『夢は夜ひらく』がずっと脳裏をチラついてました。昭和歌謡じゃないんだから。やーねーほんとにオジン臭くて嫌んなっちゃうわ〜!
さて盛大にスベったところで本題。
怪文書を書くために、pharfaiteさんの販売ページを見てみたら、赤の方の商品名に"クリスマス"と入っていました。そういえばイトウさんがアンケートを取っていたのもクリスマス。
「一年はもう来ていたんだな」なんて『夢十夜』の100分の1みたいなことを思いつつも、あの時のことを思い返すと、色々と謝らねばならないような、お礼を申し上げねばならないような、本当に色々なことが頭蓋の底から滲み出てくるものです。
まあそれはいずれ、追々。
ただ一つ書いておくべき……というよりどうしても書きたい事がある。
イトウさんへの感謝だ。
先日、フォロワーの鳴海ユキさんとのお話にも上がったのだけれど、イトウさんは僕たちファンにとっての幸せの源。
鳴海さんの言葉を借りるなら、幸運の女神様で、色んな人に頑張れるパワーをくれる人。
イトウさんのファンをやるのが楽しいから、そのために仕事も頑張れる。
イトウさんのファンでいるのが誇らしいから、少し前の自分よりちょっとだけ胸を張っていられる。
イトウさんのファンでいると楽しい事がたくさん起こるから、何気ない毎日がラメを薄く塗したみたいに少しずつ輝き出したように感じる。
イトウさんのお写真は本当に綺麗で素敵で、それを見る度に生きてる事が嬉しくなる。
それに、日々の嬉しかったことや楽しかった事をツイートにして、明るい気持ちをお裾分けしてくれるのも本当にありがたい。
もう何もかもに"ありがとう"の気持ちが溢れてるんです。
ところでこの話で一番重要なのは、僕達は"勝手に救われて"、"勝手に感謝している"ことだ。
好きな曲の歌詞を替え歌して言うなら「You'll never know, Dear, How much I appreciate you」という感じか。
こう書くと冷たく感じるかもしれないけれど、一番重要なこと。
だってイトウさんは変に肩肘張らずに自由にしているのが一番素敵だし、一番みんなを幸せにできるんだもの。
ただ毎日を楽しく生きていてください。
僕達はそんなあなたの後ろ姿を追ってここまで走ってきたし、まだまだその背中を見続けていたいから。
ちなみにオタクのチップ投げ芸とか、リスト公開時に気合い入れたりするのはそんな思想の一環です(台無し)
チップに関しては、おそらくイトウさんの稼ぎに比べたら雀の涙もいいところだろうけれど、食事や旅行を楽しんでもいいし、課金に使ってもいい。コスや日用品に使ってもいいし、なんなら相手がいるならデートに使ったっていい。とにかくイトウさんが楽しく生きることの足しになるのなら、それでいいんです。
なぜならイトウさんの人生はイトウさんのものなんですから。
なのでイトウさん(&ウトラさん)におかれましては、リストを用いたプレゼント等に関しては気にせずどーんと受け取っていただけたらオタクもすごく嬉しいなーって。
もちろん無理のない範囲でやってるし、むしろ感謝の気持ちを物理的に表すには足りないくらいですから。
まあこう言うところが重いオタクだって自覚はあるんだけど、金銭が関わる事だしそこは明文化しておかねばと思うので。
さて、ここでようやく赤と青の話だ。
どちらも美しいものがたくさん思いつく色。そして主役になることも多い色だ。
なのでそこから思いつく事を書き連ねてみることにした。
赤で思い浮かべる美しいもの。
夕焼け、篝火、柘榴石に赤薔薇 、情熱、恋、炎、そしてイトウさん。
では青で思い浮かべる美しいものはどうか。
蒼穹、青海、 菫青石にネモフィラ、静謐、涙、海、そしてイトウさん。
そう、この世の美しいものは全てイトウさんに収束するのだ。
そうなの?そうです。世界はそんな感じで出来てます。
だから今回も楽しく書いていきましょうか!
表現に悩むことも楽しさのうち!
それに尊敬する方が「続けることが一番大事」と教えてくださったので、ゆっくりでもちゃんと続けていきたいのです。
じゃあ、行ってみよー!(い○りや長助)
表紙について
白黒で描かれた草花のイラストが好きだ。
青の衣装の傍にそっと寄り添う花。
赤の衣装の背中から、ゆるりと翼のように伸びた花。
これが本編では詩文に添えられているところなど、全体の調和に思わず息を呑んでしまった。
アール・ヌーヴォー調を思わせる絵柄でありつつ、モチーフ故の華やかさと、モノクロームな簡素さ。それがシンプルな飾り付けとなって二つ(本編では一つずつ)の姿を引き立てる。ここにデザインの妙がある。薄いグレーで影を付けているのもさりげないオシャレ。そういう細やかさが好きだ。
土台となる部分はグレーの中に白い正方形を置いている事で、落ち着きがありながらも明るく目を引く色使い。
花の模様も透過具合を変えて置いてあって、まるで花の絨毯の中にいるみたい。
文字も大事だ。
タイトルの文字が背景色に合わせて色を変える所もかっこいいし、「Ito original」の部分を見た時にはそれだけで「そうだよね!これはイトウさんの本!世界で一番綺麗な人を、カメラマンさんやウトラさんのデザインでさらに飾り立てた魔法の本!」と高揚してしまうくらい重要だ。
そして衣装のメーカー名と商品名をそっと記載するリスペクトの精神が見ていて気持ちがいいのだ。
畢竟、デザインだけをとっても、僕がサークル110が好きな理由がたくさん詰まっている。
それにイトウさんの二つのお姿だ。
表紙のみで見られるこのお姿を見て思ったのは、やはりイトウさんご自身でも載せたいけど載せきれなかったお写真がたくさんあるのかな、という事。
今回、こう言ったデザインだったおかげでようやく気づいた。
当然と言えば当然なんだけど、イトウさんを撮影されるカメラマンさん方はみなさん本当に素晴らしい腕前をしていらっしゃる。
そんな方達が趣向を凝らして撮ったお写真の数々なんだから、そりゃ選ぶのも大変だろう。
だからこそ、そんなお写真の数々の中から悩んで選んで、構成でストーリー性を持たせたり流れを作り出したりするイトウさんは本当にすごいと思う。
では続いて肝心のお姿への感想といこう。
まずは赤。
ひだまりに眠る子猫のように安らかな眠り姿。
眠りとは無防備なもので、それ故に儚く、愛しい。
閉じた瞳の穏やかさと、ゆるやかに上がった口角。安穏を象徴するような無垢な表情からは、楽しげな夢が奏でる旋律すら聴こえてきそうで、見ているこちらも自然と笑顔になってしまう。
やはりイトウさんは幸せが人の形をとったような方だと思わずにいられない。
急ぐ兎が時計を片手に駆け抜けても、塀に登った卵が落っこちても、あるいは黒ツグミが鼻をぱちんと啄んだって、彼女は変わらず夢の中。
ふしぎの国に、鏡の中に、6ペンスの歌の中に。
あるいは誰も知らない彼女だけの楽園に。
全ての秘密を知ったまま、少女は今も眠り続ける
そして青。
タイトルの意味もあってか、どこか眠たげに見える脱力した姿。
涙袋が可愛い現代的なメイクと、フランス人形じみたアンティークな愛らしさの融合。
時代に囚われずにくるくると踊り続ける可憐さの象徴。
鳩尾に触れた指先は、至純の素肌の上に小さな影を漂わせる。
そして柔らかに開かれた唇からは、かすかに吐息の漏れ出る音すら聞こえるやもしれぬ。
その吐息は胸の伽藍を暖かに満たし、やがて心がふわりと浮き上がる。
「やあ、熱気球だ」
自分を俯瞰していたもう一人の自分が呟いた。
ふわふわと、高く高く舞い上がっていく自分自身を笑顔で見つめたまま、ずっと手を振っている。
そして彼はどんどんと小さくなっていき、やがて見えなくなってしまった。
ようやくの一人だ。ただ一人、何も持たぬままの裸の自分で、僕はこの本と向き合う。
さあ、今一度の冒険だ!
行先は眠れる美女の秘密。
時が時を忘れ、夢が夢見るあの場所へ!
Christmas Red
直前の文がなぜか冒険小説みたいになったのは気にしないでください。悪癖です。
クリスマスレッド。
今回イトウさんがパレットに置いた二つの色。そのひとつ。
推しよ、ああ推しよ。可憐に微笑む赤い薔薇よ。
旭日より眩く、燃え盛る炎より熱い情熱を胸に秘めた輝ける人よ。
太陽はやがて沈むとも、御身に宿したその輝きは消える事はなく。
というわけで1ページ目。
本を開いて1枚目。カーテシーでお出迎え。
カフスから広がる純白のレースは、冬の朝の珈琲から昇る湯気のように、そっと心を解いていく。
美しいカーブを描く腰に、広げられたスカートに、純白のソックスに包まれた右の脹脛に、一際強くあたった自然光は、光でできた水溜まりのようだ。
衣装の赤にも目が移る。ベルベットの布地の赤い服は、薔薇の花びらを繕って作り出されたようにきめ細やかで柔らか、しかしはっきりと存在を感じられる質感。
そして光の強弱や影によって見事なグラデーションを作る。
それを纏うこの人はきっと薔薇の妖精だ。赤い薔薇の蕾が綻ぶ瞬間に、その中からそっと顔をのぞかせて生まれた薔薇の妖精なのだ。
甘いミルクのように滑らかな白い肌、祝福の鐘が鳴り響くようなきらめく微笑み。
そんな妖精たちが舞い踊る、たった一人の群舞がこれから始まるのだ。きっとこれを読む人は、世界で一番幸せな観衆に違いない。
故に一枚一枚から目を離すのが酷く名残惜しい。たとえ何度繰り返しても。
しかし次のページへ移ろう。舞台は続くのだ。
スカートを摘む。その一言が示す動作が如何にバリュエーション豊かであるかを開始2ページで思い知る。
両手でスカートを持ちカーテシーをしていた1ページ目。
続くこちらは片手で。
ティーカップを持つように優雅に。
もう片方の手は旋律を生み出すように、虚空を静かに撫でている。
真っ白なハイソックスに包まれた二本の脚は、尾を引く流星の交差。胴の半分もないような(無論ウェストも細く美しいけれど)細い大腿もさながら、そこから足首にかけて更に窄まっていく。
そんな脚が交差して現れるのは、白いシューズのバレリーナ。
これほど細いのに不安定さのかけらも感じさせず、優雅に佇んでいるのは何かの魔法のようにも思える。
あるいは天使なのやも知れぬ。天使には羽がある。
故にその微笑みはエトワール。
花の如き芳香を身に纏った一等星なのだ。
そしてその傍ら。
薬棚に寄り添う茜色の妖精がそこにいた。
その姿のなんと眩しき事か。
イカロスは太陽に近づかんと欲して地に堕ちた。
この一枚に映る太陽は赤く、まばゆく、身も心も燃え上がるようなときめきを齎す優姿。
遠間からでも限りない美しさを見せつけるただ一つの存在にこうまで近づいてしまっては、翼だけでなく思考やこの身すらも溶けてしまいそう。
まさしくイカロスとは読者のメタファーであり、紙面いっぱいに映し出されたイトウさんは太陽である。
オタク、絶賛墜落中……!
しかし墜落しても構わんと思うほどの美貌がある。
見よ、その双眸。
両の眼孔に宿った、光と喜びを放つ天体を。
開いた瞳には世界が映っているだけだというに、なぜにこれほど眩しく輝くのか。
見つめるうちにユーフォリア(多幸感)すら感じ得る鮮烈さ。しかし鮮烈といえども刺々しさはまるで無く、むしろ包み込むような至福の美。
美術館に並ぶ巨匠の絵画にも劣らぬ、至極の芸術なのだ。
ところで拙者はですね、指が唇にやわらかく沈んで"むにっ"となってる所がですね、もう心臓飛び出るくらいドッキーーンとなってしまいましてですね、あのですね、あの〜〜〜
マジで!ホントに!どうしようもないくらい!!可愛いの!!塊だな!!イトウさんは!!!って!!!!思い!!!ました!!!美少女すぎることに限度がない!!!計測不能!!!最高!!!!ア"ア"ーーーッ"!!!
はい。(落ち着いた)
あとはやっぱり手が好きです。
つやつやとした爪。繊細で、色々なものを作り出してきた創作者の指先。小指がちょっと短いのだって、イトウさんを表す大事なチャームポイント。
そしてそれらが集まった小さな両手。
それが好きです。
人が頑張ってきた証の一部は、手に現れると思うから。
イトウさんが今まで頑張って生きてきた証が、その両手にあると思いたいから。
だからオタクが手フェチって訳じゃないということは毎回言っていきましょうね。
違うからね!イトウさんへのリスペクトの一つだからね!
さて、悪ふざけがはやくも我慢できなくなってきたのでいつも通りいきましょう。
ところで、つい先程言及したページと、続くページの左右を見て思う。
今回撮影されたKAORUさんは髪色の扱いがとても上手い。まるで手品師のようだ。
ぬばたまの黒髪に金糸を織り込んだような、アッシュゴールドの混ざったツートンカラー。
それを黒一色の正統派ヒロインとして映して見せたかと思えば、ツートンカラーをしっかりと見せた小洒落た少女にしてみたり。かと思えば、黒髪が日差しによって金色に染め上げられたかのような幻想を生み出してみせる。
それが狙って作り出されたものと言い切れる確証は僕にはないけれど、必然足り得ない偶然はない。
やはりこの方も素晴らしい撮影技術をお持ちなのだ。
もちろん好きな点はそれだけじゃない。
カメラについて詳しくは知らないけれど、撮影における研鑽とは光との戦いでもあると思う。
……こう書くとなんか悪役みたいだな。
ではなく、色とは光の作用によるものだし、影も光によって生まれるのだから、それを扱うことのうまさが写真のうまさに直結するんじゃないかと思ったんです。つまるところ、光に対する習熟と、光をどう扱うかにカメラマンさんごとの個性が出るんだろうなと。
KAORUさんの今回のお写真で言えば、木漏れ日を薄いヴェールに変えてふわりと被せたような自然光の柔らかさが素敵だ。
真新しいシーツを被ったみたいに、包み込まれるような優しさがあって清々しくて、そこに干し草の香りのような、懐かしくて香ばしい雰囲気があるような。
洗練されているけど、どこか牧歌的で……ってホントに伝わんのかこれ。
要するに、僕はこの写真集が心底気に入っている。
KAORUさんも素晴らしい腕前をお持ちです。
じゃあ閑話休題。左ページからだ。
色調によらない鮮烈さってあると思うんですよ。
たとえブースや写真全体の光量が淡い雰囲気で構成されていても、被写体の表情やポージングでハッとさせられるような。それがこの一枚にはあると思います。
それは手つきだったり、目つきだったり。
あるいはすこしの重厚さを持った、髪飾りの薔薇だったり。もしくは照り返しを受けてうすぼんやりと光る腹部でもある。
ではここは敢えて前頁との比較をもって、その瞳について語る。
先程は燦然とした光を湛えていた二つの瞳。それがこのページでは実に慎ましくなっている。
まるで水底で揺れる光の波を見ているような、穏やかな気持ちを作り出す静かな輝き。
それが艶やかにこちらに向けられている。
瞼は先ほどよりもごく僅かに下げられ、やや眠たげな印象を見せる。
そのマリアージュが我々読者を捉えて離さない。
もちろん目を語るだけで終わるはずはない。
まっすぐに伸びて折り重なった指は、冬の朝の霜柱のように繊細で透き通り、しかし冷たい雰囲気を感じさせぬ温もりを見せる。
そして薄く開かれた艶やかな唇から覗く白い歯は、シロツメクサの花弁のように秩序を以って可憐に並ぶ。
ああ、やはりどこを見ても美しい人だ。
ところで、脇腹を流れる髪の束を見てウマ娘の尻尾を思い浮かべたあたり、僕は僕が思っている以上にイトウさんのウマ娘のコスプレが大好きらしい。
それに気づいた時、我がことながらなんだか可笑しくなってしまった。
さて、では右ページといこう。
ひだまりの傍でしなやかに佇む緋色の子猫。
照らし出されたその姿は祝福された動者となって、歓喜の薄紗を身に纏う。
誰もが刮目するべきだ。
手首や足首の細さを、膝の丸みを、斜めに反らせたその背中を、無二の美しき肢体を。
そしてその黒髪に輝きが宿るのを。
……っと、なんだか文体が妙な調子になってきたぞ今回の怪文書は。マジモンか??
これ参考になるかと思って読んだダンテの『神曲』(天国編)が問題なんじゃねーかしら……?
読んだものにすぐ影響されるのは考えものだわね。
さて、気を取り直して気楽にいこう。
子猫に例えたのは我ながら良い表現なんじゃないかと思う。
にんまりした口元が猫ちゃんみたーい!かわいいー!っていう安直さとか、床についた手の指先が少し曲げられてるのを見て「子猫が爪を出してるみたいで可愛いな」とこじつけたり。
あと視線を左に向けてるのを見て「ネコチャンって時々謎の方向を凝視してるよね……」とか。
猫っぽさを探して遊んでるみたいになったけど、オタクはこのお写真の目つきがほんとすき。
気ままな微笑みを作る中で、目尻に向かって緩やかに下がる瞼の曲線にうっとりしちゃう。
あと、離れた位置からのカットゆえに虹彩のディテールが掴めなくなるから、それもあって目がくりくりでつぶらになってるのがいい。
もはや、イトウさんはどの距離から見ても美しい。
たとえ3km先から撮った写真でも「ええシルエットしてはる……」って言う疑惑が僕にはあるんですけど。疑惑というか確証ですけどね。ネッッッ!!
あと全体的に色が明るくなってるの好きです。「歓喜の薄紗」なんてしちめんどくさい表現したけど、要は「光に包まれてるみたいで綺麗!」ということです。
光といえば、ソファに当たる光で撮影時間の経過が見えるの良いですよね(へんたいふしんしゃさん発言)
ヤバい発言をしたところでハイ次。
散らばった本や書類。それは世界に散りばめられた人の智慧を示すのか。
幸福が気だるさと充足の狭間で眠るこの部屋に、叡智の姫君が君臨する——
なんて思いつくくらいにはここからの3枚の小道具の表現が好きです。
ページの隙間に隠れていた言葉たちも、そっと顔を出して踊り出すような、御伽話を想起させる雰囲気があるので。
白いレースカーテンが背後で揺れて、それが衣装の端々に縫い付けられたフリルの装飾と共振する一体感。
安らぎの音が聞こえてくるような感覚に深い安息を知る瞬間。そしてそれぞれの良さがその中で引き立つ。
1枚目はキリッとしたおすましスマイル。顎に指先を当てた決めポーズ感。これまで大人びた雰囲気を見せ続けてきた赤メイドちゃんの、子供心を垣間見せた無邪気なひととき。
もうそれが正統派にキュートでたまらんとです。ハイ。
2枚目は瞳を伏せた表情に、聖母にも似た慈愛を想う。それによって、僕の中でソファは聖なる祭壇へとその存在を変える。
あるいは春の日の穏やかな風が耳の上を通り過ぎていくのを感じるような、心を漂白する光景だ。
両手は貴婦人の如く体の右側面で肘掛けの上に重ねられ、前に出された左肩ではフリルが翼のように広がって、そして左足はより深く体に寄せられている。
そしてカメラの位置もちょっと変わっている。
その少しの差がとても大事なようで、一見、左右で同じ位置から撮っているように見えるからこそ、右の写真では伸びた右脚が画面外に僅かに出ることで、さらにすらりと長く見えるというテクニカルな技法。ううむ、すごい。
そして1番の違い、表情。
瞳を閉じて、笑みを少し緩めて。
幸せに包まれながら、うつらうつらと船を漕ぐような穏やかな表情は、この作品の題名通りだ。
オタク、こういうタイトル回収するような展開すき。
ふぅむ、しかしタイトル。
『Somnolence』——本のテーマ故の題と思っていたけれど、それはこの本にかけられた魔法のことだったらしい。読んでいる側が夢を見ているのかと思うほどに、甘く優しく、近くて遠い。
どこか現実離れした感覚のまま、夢見心地でページを捲る。
そこにいたのは、ソファに身を沈めて羽根を休める天使だった——
アンニュイな表情って本当にいいものですね!(水○晴郎っぽく言うな)(これだと曇らせフェチみたいでしょうが)
いつも笑顔で温かな雰囲気のイトウさんが時々アンニュイな表情してるとですねえ!オタクは温度差で加熱と冷却を繰り返されてる気分になるんですよぉ!
つまり鍛造か????
よく訓練されたオタクが仕上がるのか????
そんなことしなくても既に限界オタクですが???(開き直り)
さて、ではここで添えられた文について触れたい。
ポール・エリュアールの『君の瞼の曲線』って詩ですね。ネットで調べてきました(オイ)
ちょうどエリュアールが1952年没で、昨年で70年経過しているので著作権的にもバッチリ!ナイスチョォーイス!!
ところで僕が最近摂取したフランス要素のあるコンテンツ、2つあるんですけどどっちもフランス革命に絡んでるから物騒なんですよね。唐突にバスティーユ陥落させたりするんですよあいつら。
なので真逆の要素を持つ愛の詩が、乾いた心に沁みるぜ……
しかしそれらを抜きにしても、作品の雰囲気に合った素晴らしい引用だと思う。
見つけた訳文曰く「君の瞼の曲線が僕の心に円を描く」。
その言葉の通りに、心の中で優しくも上手く掴みづらい、何か丸いものが描き出されている気がします。これが……愛?!
ていうかよくこれ見つけて来ましたよね……
引き出しの多さなのかリサーチ力なのか、この詩作に辿り着いたという事実が既にすごいですもん。
やはりデザイン担当ということでウトラさんが挿入したのかしら?
いずれ、どこで知ったのかを聞いてみたいです。
なぜならオタクはいつも推しの皆様に興味しんしんなので。
ちなみに最近はもっぱら、あいどろっぷす氏がお元気かなどを気にしています。もちろんイトウさんとウトラさんの体調も。
こう、アレですよ。氏は近況をあまりツイートされないし、体調を崩しやすい時期なのでウトラさんも心配だし。
なによりイトウさんは先月からずっと動き回ってて、心身ともに心配です。しっかり休む日はとってますか?無理してないですか?
ここ最近の追い込みは先日のしょんぼりな事が関係あるのか、もしくはただ楽しくて張り切ってるのかはわかりませんけれど、体だけは壊さないようにしてくださいね。
オタクはかつて、頑張りすぎた知人が気を抜いた瞬間にずいぶん長いこと立ち上がれなくなってしまったのを見た事があるせいで、余計に心配しちゃいます。
いらんお世話でしょうけど、特に心は大事にしてあげてくださいね。
さて、余計な口挟んだのは忘れて続きです!!
写真自体もいいに決まってるじゃないですかぁん!!
絡ませた指先は飴細工のように繊細で可憐で。
顔と後れ毛の隙間から差し込んだ光の中には、綺麗なまつ毛が伸びていて。
肘掛けに乗せた足には光がこぼれ落ちていて。
ほんとに細部まで余す所なく可愛い。
きっと細胞一つ一つが美少女として作られてるんだよイトウさん!
DNAにでっかく「美少女」って書いてあるにちげえねぇんだ。根拠はイトウさんの可愛さです。これは100の弁舌に勝る確固とした根拠です。
んでんでんで! \ニャーンデ!/
すごく主観的な意見、というか感想の時点で主観の塊なんですけど、それはおいといてですね……
いちばん手前にドライプランツ?がぼやけて写ってるのが好きなんです。
この、近づくことすら躊躇われるような幽美さを持ったこの一枚だからこそ。
そこに"それ"があるからこそ、被写体と観衆の間にひとつのボーダーが引かれ、こちら側とあちら側という明確な区切りが生まれて、ある種の愛しい隔絶を味わわせてくれるので。
本当に僕たちと同じ人間なのかしら。本当は何か超自然な何かが、ミクロの視点で世界を眺めるために人の姿をとったんじゃないかしら。
そんなことすら思ってしまうほどに、その姿は美しく、また触れえざるものに見える。そのための重要な舞台装置。
これはKAORUさんが今まで磨いて来たセンス、つまり才能という種に努力という水を与え続けて咲いた大輪だなと。
そこに考えが至るまでにだいぶ時間を費やしましたが。なんせあまりにもイトウさんが美しいので(限界オタク)
余談ですが、最後のページの妄想設定を読んでから見返したら、うっかり書類をぶちまけて「どうしよう……」って途方に暮れてるような構図にも見えて、途端に愛くるしく思えて来たので一粒で二度美味しいです。
では次のページへ。
色温度っていうのかしら。急に全体が暖色系に寄ったというか、眩しくなった。
美術館から出た瞬間に日差しを感じた時のような感覚だ。
今までが静かで洗練されて、見事に整えられた空間とするならば、この見開きは五感を刺激し、開放感と自由な風が流れている空間というか。
そしてその光景の中で右腕を覆い隠しながら広がる黒髪。
長く、豊かで、艶やかな広がりは、まるで滝のようにとめどなくに流れていく。絶景かな絶景かな。
そしてぱっちりと見開かれ、好奇心に満ちた真っ直ぐな目は、ああ、やはり猫のようだ。
愛嬌とはこれ。爛漫とはまさにこれ。
そのきまぐれな微笑みに誰もが目を奪われてく。
隣のページの配置も好きだ。
紙面全体ではなくて、あえて余白を作ったこの配置。
現像した紙の写真をなんとなく机に置いて眺めているような何気なさ。
けれどその中に宿るものにはひとりの人間の世界を変えてしまうほどに大きな輝きが込められている。
こちらに向かって伸ばした手。その手に感じるくすぐったい気持ち。
揶揄っているような、甘えているような無邪気な笑顔は純真無垢。
あと右手首のレースも好きです。白い西洋菊にも似ていて、菊→クリーク→イトウさんの構図が頭の中に入ってるオタク的にはすごくエモいのです。
というわけでChristmas Red衣装、もういつも通り語彙力が無くなっちゃうんだけど、大変キュートで素晴らしくて、もうカンストしてる大好き度がさらに大爆発するくらい素敵でした。推しててよかった……(咽び泣き)
あといくつかの笑顔に、ポトレお写真で見る素のイトウさんに近いなにかがある気がしたのも好きなポイントです。イトウさんはコスしても抜群に可愛いけど、素でも信じらんないくらい可愛いのだ。
だから、その二つのいいとこ取りなこの衣装の雰囲気がこの上なくお気に入りです。
イトウさん最高〜〜〜〜!!
イラストについて
その名の通り羊毛のように柔らかく、野原を跳ね回る兎のように豊かな筆跡。大胆にして細心。
それがこの絵を描いた羊毛兎さんのイラストだ。
肌の明暗から影の濃淡を駆使し、リアルに描き上げた肢体は、現代的に言うならば「神絵師」の一言に相応しいだろう。
丹念に描き込まれた黒髪の動き。
繊細に作り込まれた金髪の広がり。
その他にも服の皺や装飾など、細かな部分をしっかりと作り込んだこのイラストは実に見事と言うしかない。プロフェッショナルだ。
ちなみにオタクは、絵が上手いだけでなく毎日のイトウさんへのリプでうまい言葉を紡ぎ出す羊毛兎さんの多才さに対して嫉妬心敬意を抱いています。
この才能の塊がよぉ……
そしてそのイラストが、この本のおおよその中間地点にあると言う構成がたまらない。
その理由のひとつは、このイラストを再現したポージングが本の最初と最後に置かれていること。
これによって、このページを原点としての二方向への広がりが生まれるからだ。
そこには物語の始まりと終わりにリフレインを用いるような一体感と調和があり、その間に連なる数々の写真にストーリー性を持たせる枠組みともなり得る。
あるいは逆の視点から見るのもいいだろう。
最初のページ、または最後のページ、どちらから読み進めても、いずれはこの中央に配置されたイラストに収束する。それはさながら、数式が一つの結論を導き出す過程にも似た様式美を作り出す。
つまり、どのような読み方をしても、この配置こそが完璧なのだ。
そして中央に書かれた文。
「日の光が無垢につつまれてあるように、世界は君の純真な瞳の中にある」
ああ、言葉通りだ。
陽光も、無垢も、すべてこの人を飾り立てるための言葉。この美しい人が眺めるから、世界は今日も張り切って色をつける。たった一人を喜ばせる為に。
しかし複数行ある詩の中から、適した部分を選んで綴っていく手腕に感服仕切りだ。
舞台裏に潜む名演出家は、作品の随所でその辣腕を振るっている。
もう一つ好きな点を付け加えるならば、イトウさんがこのイラストを元にイメージを膨らませて作り上げたという事実が素晴らしい。祝福の言葉が今にも喉から飛び出しそうだ。
なぜならその事実は、velvet valetという衣装のシリーズを元にしたイトウさんのオリジナル作品でありながらも、一枚のイラストを元にしているというキャラコスの要素も併せ持っているということになるからだ。
話が長いので要約すると、「1話と最終話で似た展開をやる作品、オタクは好きに決まってるでしょ。しかも複数のストーリーが収束するやつとか特に」「オンリーワンっていいよね」の二つです。わかりやすい。
あとですね、冬の新刊のひとつがゲーム風なところからの連想に近いけど、イラストページが攻略キャラ選択画面になってるギャルゲー的な味わいもあって好きです。ルート分岐。
同時攻略できるトゥルーエンドが欲しいですね♡(強欲)
さて、強欲の罪で他のファンに捕まって磔刑に処される前に、次に進みましょうかねぇ!!
Chic Navy
ページを超えてたどり着いたのは新たな世界。
プラチナブロンドにも見えるような透き通る金髪のカールを目で追っていると、髪が一つ円を描くたびに、回転木馬に乗っているような心踊る感覚を識って行く。
ウィッグだけれど、この髪の美しさには思わずため息が漏れる。この髪も、イトウさんにとてもよく似合う。
さて、金色の巻き毛。
ちょっと凝った言い方をするならgoldilocks。まあ元ネタのお話に出てくる金髪ちゃんはかなり悪い子なので(被害者クマ3頭)、この作品とは髪以外の共通点はないわけですが。
転じて金髪の美人さんとする場合もあるらしいから、そう言う意味じゃ正解ですね。
そんな青メイドちゃんが纏うのは、夜闇の濃い藍色を切り取って仕立てたような深く鮮やかな衣装。
衣装を夜に見立てるならば、その白磁の肌は夜空に浮かぶ月。金色の髪はその光だろう。
大いなるものの全てが、その小柄な体に余す所なく凝縮されている。
ちなみに些細な部分だけれど、こちらはカフスを外してすっきりとした印象になっているのが好きです。
元のセットアップに少しアレンジを加える事で、可愛い路線からキレイ路線に大きく寄せてますもんね。
ソックスの色を黒にしているのも同じ理由なのかなーって。
そして美しき夜空の化身は、本棚に腰掛けて優雅に微笑む。
自らの言葉を翻すことになるけれど、袖から伸びてガーターベルトの上に舞い降りた右腕は、夜と夜との間を繋ぐ白日のように一片の曇りもない。
黒のソックスに包まれた脚はいつものようにすらりと長く、透けた肌と布地の織りなすグラデーションは夜霧のようにミステリアス。
ところでこの一枚を見ていて気づいたのだけれど、衣装ごとのガーターベルトの立ち位置がとても面白い。
赤い衣装の中でフリルやショートエプロン、サイハイソックスなどの白に囲まれている時には、肩周りや胸元のレース地とともにメルヘンな雰囲気への引き締め役となっている。これによってカワイイ系に大きく舵を切りながらも、どこか大人びた印象を作り出していた。
しかし青の時には一転、ソックスが黒になったことと、衣装のベースが暗色系ということもあって全体に馴染み、先ほどとは逆にフリルやエプロンを目立たせている。
それがシック(Chic)という言葉通りの上品で洒脱な雰囲気の中に、少女らしさを散りばめている。
結論:その両方が似合うイトウさんは最強です☆
なんか結論を言った瞬間から冷ややかな視線を感じるな???
拙者が結局イトウさんのことばっかり考えてるのは周知の事実でしょうよ!!
脳内メーカー(死語)に俺のHNかけたら確定で「イトウさん」って出るからな!!8割くらい!!
残りの2割は「パイナポー」とか「ヒポポタマス」とかじゃねーっすかね。知らんけど。
オタクの思考については窓の外にでも放り投げておこう。
右ページの垢抜けた雰囲気の笑顔も眩しくて仕方ないんだ。
全体的にオトナな雰囲気のブルー。息を呑むほどに甘い蜜。
イトウさんの言葉をお借りするならコケティッシュな演出が多いのだけれど、この一枚は他よりも少しだけ真っ直ぐな気がする。
普段は飄々として、気楽な振る舞いをしているお姉さんがふとした瞬間に見せた心からの微笑み……と言うか。
そして偶然それを見ることができた幸せ……的な。
もしその微笑みの中に幸福がないのだとしたら、一体この世のどこに幸福というものはあろうか。
そう思わせる笑みだ。
だから、その両手が自然光に照らし出されているのを見た時には、この手は日の光を汲み上げる杯なのだと感じた。
本の上に載せた腕に体を預けるような脱力感もいい。
妄想設定の「気まぐれでおおざっぱ」という部分がよくわかる。イトウさんの表現したいことがしっかりと現れた素敵な一枚じゃないだろうか。
さて、続くページは窓の外からの一枚だ。
KAORUさん部屋から追い出されてる……(こら)
窓越しの一枚というのは新鮮だ。
新鮮だからこそ、そこには新たな風が吹く。
窓辺に揺れる藍色の花。
窓からおずおずと入ってくる日差しを迎え入れるような穏やかな顔つきは、体で感じていた太陽の温かさを心へも伝播させる。
どことなく、とろんとした瞳が、シャボン玉のように揺れていた。
……今回やたらとポエミーじゃないです?僕。
きっとイトウさんが目指した絵本のような雰囲気に引っ張られてるんだと思います。
今回の写真集は、本を開くたびにふわっと明るい気持ちが湧き出してくる。これが絵本みたいってことなのかなぁと思ったりもする。
これはたしかに絵本だ。光と影を、枝葉と風を、目覚めとまどろみを、丁寧に縫い合わせるように作られた絵本だ。
だから、こんなにしっかりと作り込まれた世界に引き込まれてしまうのは仕方ない。
それだけこの本がすごいんです。そりゃ饒舌にもなる。
という言い訳をしたところでひとつ、好きな所を語っていこうじゃないのと。
まずは髪だ。
開いた窓から風の流れを想起したのもあって、くるくるとした巻き毛は麗しき金色のつむじ風。
仲間と勘違いして忍び込んだ風が、そっと髪を梳かすのを幻視する。
そしてその髪に包まれた耳。
ふわふわでボリュームのある髪に包まれた耳は、かくれんぼをする小さな子供のようにひょっこりと顔を覗かせる。なんて愛くるしい耳だろう。
頭の角度も好きだ。
ソファへと、愛しい人にするかのようにもたれ掛かった体。それに合わせて頬を寄せるようなその角度が。
そこには最も新しい愛への讃歌が生まれ、木霊しているように感じるから——
それと同じことを隣のページにも思うけれど、眠った顔はまた違う喜びを教えてくれる。
イトウさんのお写真はいつも、美しいものを識る喜びをさまざまな角度から教えてくれるのだ。
重なり合う屋根の下、囲われた部屋の中に生み出された聖なる花園。
その中で安らかに眠るプリンセスは、もうすでに夢の中。幸せな夢に浸っているのが一目でわかる安らかな寝顔だ。
左のページとの違いはその眠り。
そしてその眠りを表現するために、わずかに変わった顔の角度がイトウさんのすごい所だと思う。
左ページでは、指先の向く方向に顔を沿わせることで、窓から覗く人を興味深げに見つめ返すあどけなさのようなものを出していた。
それがこのページでは、顔を手のひらに載せて安定させるために、指の流れに垂直になっているじゃないですか。
ただ目を閉じるだけではなくて、しっかりと眠る姿勢をとっている。
これを"眠る"という動作に対する解像度の高さと言っても過言ではないと思うんですよ。すばらしいっ。
故に物語は生まれるし、写真の中の肖像はたしかに息遣いを感じさせるんです。オタクの中ではこんな感じ。
"ガラス一枚の隔たりが乙女の眠りを護り、時間は時計の針を伝って滑り落ちていく。
海に浮かぶクラゲのように、ゆったりと揺蕩う昼下がり。"
ところで俺、生まれ変わったらこのスタジオのソファになるんだ……(無理そう)
夢破れたところで次のお写真です。
「君の目は光の葉っぱ。露の苔」
そんな意味のセンテンスになぞらえるように、その姿は光に包まれてきらきらと輝く。
「しーっ」って感じで口元に立てた指がたまんねぇですよね。思わずはにかみながら頷いてしまいそう。頷きました。
なぜならオタクは美女に、とりわけイトウさんには逆らえないので。ワンワン。
ところで「きまぐれでおおざっぱ」という設定から推測するに、サボっているのを見つかった瞬間かしら。
オタクもこのまま一緒にサボってしまいたい。
そしてこの美しい人の語るいろいろな話に、ただ相槌を打つだけの存在になりたい。
どうも、会津名物『赤べこ』です。
また、背後で本棚の表面に広がった光は、彼女の背中から伸びる翼のようにも見える。心が洗われるような光景だ。
おまけに指の隣で弧を描く髪は、その豊かで嫋やかな流れから天女の羽衣のようにも見える。
つまり洋の東西を問わず、神秘的で美しいもののエッセンスを全て持ち合わせておられるのだ。
神か???
女神だったわ。いや間違いなく。
その女神がすぼめた唇はヒペリカムの桃色の実にも似て、艶めきと愛らしさを見せる。
そしてヒペリカムと言えば、花言葉は「きらめき」「悲しみは長く続かない」。
なんだか心強い言葉だ。悲しみというものは生きていく上で避けられないけれど、イトウさんのもとに訪れる悲しみはすぐに過ぎ去ってほしいと思う。
ところで大胆に脚を見せつけるカットだ。
美脚ゆえにいくら見せつけられてもいつでも眩しいし、飽きることはない。
特に今回はサイハイソックスのマットで薄い黒と、ハイヒールの光沢を放つ真っ黒な質感の織りなす二重奏が白磁の肌をより引き立てている。
ちなみに黒といえばガーターもなんですが、太ももから先をオタクは直視できません。
お姿だけで心臓バックバクだから、これ以上心拍数が上がると体に悪いので♡
では、諸君!緊急搬送される前に次のページだ!
夕陽に染まった雲のように広がる髪を、指でかき上げただけ。それが痺れる仕草……
なんてサザンみたいなこと言いましたが、オタクの脳内BGMは『Sister golden hair』です()
フランス要素 is どこ。
いえいえ勿論ありますとも。
肩を覆う 天鵝絨の青の高貴さ、フェミニンさ溢れる煌びやかな髪、そして細く繊麗な腕と指。そこにいるのは光彩陸離のフランス人形。
髪を滑る光。
柔肌の上で跳ねる光。
瞳に飛び込んでいく光。
様々な光が集まっては、手と手をとって踊り出す。
そして散りばめられた数々の青が、光たちの舞踏会に伴奏を響かせる。
衣装の青は海の色。深く深く、沈んでく。
瞳の青は空の色。高く高く、舞い上がる。
海の底から天の果てまで、あまねく世界は貴女のためにある。
だから今日も笑って、美しいひと。
この世の何一つ、真に貴女を損ねるものなど無いのだから。
ちゅーわけで次のページの前に、好きなポイントを2つだけ。
エリュアールが「君の瞼の曲線」と言うのならば、オタクはイトウさんに「君の唇の曲線」と言いたい。
君の唇の曲線が、僕の心の弦を弾く。
音楽家が手にした提琴の弓のように、僕の心を巧緻に奏で、自分ですら知らなかった音を教えてくれる。
何よりその笑顔は温かい。
12月の寒い部屋の中、その口元がほのかに上がるのにつられて、冷え切った心の温度も緩やかに上がりだす。そんな雪解けの微笑みが好き。
そして組んだ腕も好きだ。
白くて、細くて、長くて。だけどイトウさんの生きてきた証のようで。
髪に触れた右腕と、服に付けられたクロスグリの実のような装飾の下ですんなりと伸びた左腕。
手首は細くて華奢。前腕も同じく細いけれど、しっかりと必要な筋肉がついていて、不安に感じる事のない適度な細さ。適度と言うかベスト。
それは手のひらと同じで、いろいろなことに挑戦してきたイトウさんの行動力の証。
あと、お肌の綺麗さも日々の努力の証だよなぁと思う。だから腕も好き。
では続いて右ページに。
降り頻る雨の滴の一つが目の前で止まったのだとしたら、きっとこういう美しさ。
自然の摂理と大いなる不思議を閉じ込めた、物静かな輝きを放つひと。
さて、この一枚は口元に指を当てているけれど、先ほどとは違う意味合いを持った仕草だ。
イトウさんは今度はどんな意味を込めたのだろうと見つめてみる。
実はこう言う瞬間が好きだ。
名探偵ならぬ迷探偵も良いところだけど、表情、仕草、小道具の扱い、etc……
色々なものを総合して考える。たとえはっきりしなくても、写真にしっかりと向き合って考えを巡らせる時間が幸せ。
今回で言えば、目立つのは手にした本。
何か調べ物をしていたのか、仕事中の合間にこっそり暇つぶしか。
腰を引いて少し前のめりなのは、目に付いた本に興味を持って、拾い上げてそのまま読み始めたからかしら。
ほんのり開いた口元に当てられた指は、考え事をしていたから?
もしかしたら本当はイトウさんもそこまで考えてなくて、全部オタクの妄想かもしれない。と言うか多分そう。
なんならこの構図はコケティッシュさの表現もあるような気がするし。
だけどこのプロセスを挟むことで、ページのむこうの肖像はイメージを持って動き始める。
その動きが集まって、女優ひとりの舞台が始まる。
観客もひとり。自分だけ。
だから、写真集と向き合う瞬間というのはいつも贅沢な観劇なのだ。こんなに楽しいことはそうはない。
僕の楽しみ方の話はここまでにしよう。
まずは白い歯が素敵だ。赤メイドちゃんのときにはシロツメクサに例えたから違う花にしよう。
では雛菊だ。花言葉に「美人」があるのがいい。
真っ白で綺麗に並んだ歯は、デイジーの花弁に似て美しい。
腰回りも素敵だ。
このポーズは胸を張ったまま上半身を前に倒しているから、その分腰回りもキュッと上がっていてキレのある動き。
その上に続くウェストの細さもあり、彫像にも勝る完成されたシルエット。それもまた美しいのだ。
そしてこの写真では差し込んだ光が特徴的だ。
臀部に向かう視線を遮るように紳士的に、あるいは足首をくすぐって行くように悪戯に。
光の帯が思い思いにイトウさんと共演する。
そこに感じるのは、緩やかに流れていた時がまた徐々に動き始める感覚。
やはり時すらもこの空間を通り過ぎる事が惜しかったらしい。しかし物語には終わりがある。
いよいよ最後の一枚。
冒頭から来たものを見送り、末尾から来たものを迎え入れる、黒いシューズのお嬢さん。
イラストページで見たあのポーズの再現だから、夢の中で出会った人と現実で再会したような不思議な喜びに包まれる。
当然ながら一番最初に見るのは、白磁のようなその背中。
今作唯一の背中全体が見えるカットだから尚更だ。
背筋や肩甲骨が作り出す影が、その中で優雅にカーブしている様は、澄んだ湖面に浮かぶ波紋を思わせた。
そしてその背中越しに覗く表情。
涙さえも優しく染めるその微笑みは、気品と慈しみに溢れた令嬢のお顔立ちだった。
chic blue、その衣装を着たイトウさんは、深い青にピッタリの大人の落ち着きを演じて見せた。
動作の端々が洗練されていながらも、気を抜くのが上手くて優しさに満ちた大人の女性。
あるがままに身を委ねながらも、どこか瀟酒なところが謎めいていて、それがあまりにも魅力的。
そんな姿を無我夢中で追っていたら、気づけばこの一冊は終わってしまった。
本の中の時間はゆったりとしているのに、体感時間はあっという間。まるで夢でも見ていた気分だ。
『Somnolence』
その言葉の響きに敬意を込めて。
あとがき
今回も、と付けることすら煩わしいほど、イトウさんの写真集はどれもこれも素晴らしい。
「今回も」なんて言葉をわざわざつけなくても、素晴らしいのは決まっているようなものだから。
さて、怪文書を書き終えるにあたり、この作品で特に気に入っているポイントを述べておこうと思う。 正直、僕個人のかなり変な意見なので、これについてはさらっと済ませたい。
怪文書を書くためにpharfaiteさんの販売ページの着用例と見比べて思ったことがある。
写真集の中にスカートの中を見せる構図が無いのがいいなと。
商品販売ページでは、まあ実際商品のアピールのためにも必要なのだろうけれど、かなりしっかりスカートを持ち上げてその中を見せていた。
それを見たのがちょうど今回の写真集を一度見終えたときだったので、正直驚いてしまった。
念の為に断っておきたい。
これは別にセクシー路線反対という話ではない。
むしろ演出上の必要性であったり、衣装をアピールする手法として効果的であれば、それは必要な事だと思う。何より僕もそういうのは嫌いじゃない。
けれど、今回の写真集に於いては見せる構図が無いからこそ、作品の絵本のような雰囲気が壊れる事なく残っている。
そこがとても良いと思った。
これはしっかりとコンセプトを練り、それに沿った作品作りをしているからなんだろうなとも。
今の僕の中では、そういった個人的な思惑や、この本が出来上がるまでの経緯、そしてこの本が手元に届くまでに溜め込んでいた期待などが複雑に絡み合っている。
間違いなく、この本は僕にとって特別な一冊なのだ。
今までのどの写真集も、優劣がつけられないほどに素晴らしいものだけれど、僕にとっての特別な一冊はこれ。
だから今更だけれど、伝えたい。
イトウさん、こんな素敵な本を作って頂いてありがとうございます。
あなたの創作意欲と行動力に敬意を。
そして我々ファンの一人一人を愛してくださる、その懐の深さに今一度深く感謝を。
結局、一番伝えたかったのはこの言葉かもしれない。
しかしこれを書くまでに想像以上の時間がかかってしまった。気づけばコミケの前日だ。
今夜見る最初の星に願いを懸けて、明日僕は旅立つ。
過ぎゆく日々という波濤の中に、貴女という確かな光があることへの感謝を鞄に詰めて。
明日という日が誰にも優しく、健やかなるものでありますように。
蛇足
さっきので終われば綺麗に纏まったんですけどねぇ……
まあ文字通りの蛇足です。読まずに終わらせた方がよろしい。以下、この節の本題。
僕はイトウさんが思い出話を語っているのを見るのが好きだ。
記憶というやつは曖昧なもので、少しでも気を抜けばすぐに思考に埋没してしまう厄介なやつだ。
けれどその記憶に向き合い、言葉にし、誰かに伝える(もしくは日記なんかに書き記す)ことで言葉や気持ちが整理されて、ある程度思い出しやすくなる……気がする。
要するに散らばった原稿や走り書きを本の形にファイリングして、本棚に並べるようなもんだと思う。
だからこそ、イトウさんには楽しい思い出をたくさん語っていただいて、楽しい思い出がぎっしり詰まった本棚を心の中に構築して頂きたいのだ。
たとえば自作イラスト入りのモバブにサインをもらった話、お母様との楽しかった思い出、応援していたアイドルについて。
そういう記憶が生まれた時に感じた温もりをいつ迄も忘れずにいられれば、きっと笑顔を見失わずにいられるんじゃないかなって淡い希望を込めて。
なので先日のモデル撮影のこととか、他のこととか、話せる範囲で楽しい思い出や、記憶に強く残ってることなんかを語ってくださるとオタクはとても嬉しいです。
きっと他のファンの人たちもそうなんじゃないかな。イトウさんが楽しそうに思い出を語っているのを見るのは、こちらとしてもとても楽しいので。
それほどまでに貴女の人生とは価値のある素晴らしいものなのですよ、今日を生きる貴女は素晴らしい人なのですよ、と貴女に伝えることがオタク怪文書の主目的です(オイ)(写真の話ちゃうんかい)(すまぬ)
まあオチとしては、オタクがイトウさんの思い出話を聴くのが大好きって理由が一番デカいんですけど。うーん、利己的。
あとは怪文書の目的としては、普段お伝えできないことを書くのにちょうどいいと思ってる節があるかもしれない。
長くまとまった文章をお送りする機会ってあんまりないし、やはりファンと推しという間柄であんまりこちらから近寄るのもイカンですし。
ちゅーわけでこの後書きがいちばん自由です。
そのうち好きなアニメの布教とかするかもしれません。
オタク的には『宇宙より遠い場所』と『花の詩女 ゴティックメード』がオススメです。
ちなみに前者は来年1/6からEテレで再放送です。
でも主題の一つに懸念点があるので、あらすじを読んで大丈夫そうだったらぜひ。
そのうちが直後じゃないとは言ってないもん!!!!!
それでは言い逃げです。以上!!
荒斑泥
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