『Love me?』怪文書・リベンジ 〜埼玉より愛をこめて〜


あれは5月のいつだったか。過ぎ去っていく日々の中で細かな日付は忘れてしまったけれど、この本を手に取った瞬間に喜びに震えたことは、未だ色褪せずにはっきりと思い出せる。
それはまるで、眺めていた流れ星が目の前にそっと降りてきたような感覚だった。
ドキドキして、ワクワクして、そんな感情につられた体はどうにも落ち着かなくて。

そして今でもこの写真集を読み返す度に、初恋を知った日のような胸の高鳴りを覚えずにはいられない。
嗚呼、今この瞬間だけは世界の全てが愛おしい。
思えば、錆び付いて軋んだ叫び声を上げていた僕の歯車は、あの日からゆっくりと回り始めたのだ。
砂時計の中で埋もれていくような日々に色が付き、消えかけていた炉に薪がくべられたのは、まさしくあの時だった。
大袈裟な表現をするならば、これこそが僕の生きる意味なのかもしれない。



今回はこっそり書いたぞ怪文書!
なんとなくご本人読んでもらいたいような、なんだか今更な気がするような、という微妙な所なので、一応タグには流しておくのだ。

しかし発売当時に長文リプライ連打でイトウさんに感想を押し付けたのが懐かしさ半分、情けなさ半分ですね……
文章も拙かったし、伝えたいことが2%くらいしか伝えられなかったような記憶がある。
なので今回は、あの時の記憶と、少しだけ視点が変わった今の感情を混ぜ込みながら書いていこうと思う。


もう何度も読み返しているけれども、文章を書く前提で手に取って改めて気づいたことがある。
恥ずかしながら、当時は『Love me?』を手に取った興奮ですっかり気づいていなかったけれども、僕にとってこの本との出会いは撮影をされたあいどろっぷす氏との出会いでもあり、デザインをされたウトラさんとの出会いでもある。
なるほど素晴らしい筈だ。道理で記憶から離れない訳だ。
『precious』『SPA CREEK』『Mum』『Flash』を読んだ今だからこそわかる。
イトウさんの美しさや、唯一の無二のその魅力は言うまでもないけれども、このお二人の尽力が加わることで写真集という作品は更なる輝きをもって僕達を魅了するのだ。
サークル110、恐るべし。
あまりの魅力の大きさと、可能性に満ちた作品の数々。
まるで大海原の真ん中に放り出されたような、ある種途方もない気分だ。
だがそんな魅力の海に放り出されて漂流するのも悪くない。むしろそれがいい。
なぜなら、僕は自ら望んでその航海へと漕ぎ出したのだから。

ここで改めて、この作品に携わられたあいどろっぷす氏について少し言及しておきたい。
僕がイトウさんのファンになったのは、ご本人の容姿があまりにも眩しく見えたという事もあるけれど、そこからさらにのめり込んで行ったのは『Love me?』が有ったからのように思う。つまり1/3はあいどろっぷす氏の功績によるものだ。(残りは言うまでもなくイトウさんとウトラさんだ)
深く感謝を。この一冊は、雲間から覗く太陽のように僕の日々を照らしてくれる。
つまり氏は、僕にとっての救世主の一人だ。
これを賞賛と呼ぶにはあまりに手前勝手な論理だけれども、あいどろっぷす氏の作品が素晴らしいと、心の底から思っていることだけは本心だ。

そしてウトラさん。
この文章を書いている間にお誕生日が過ぎてしまったけれど、ここでもう一度「おめでとうございます」と言っておきたい。
小道具や衣装のパーツの作成、イトウさんとの併せ撮影など、影に日向にとサークル110を支える素敵な方。
これからの一年も、そしてそれから先も、貴女が明るく元気な毎日を過ごせますように。
そしてこれは僕の我儘で恐縮だけれども、ウトラさんのコスプレも大好きなので、時々でもお写真がTwitterに上がるととても嬉しい。

以上、身勝手なファンからでした。


さて、前置きが長くなり過ぎたきらいはあるけれど、そろそろ内容について触れようと思う。

この本はイトウさんがお好きな曲である「Love me?」が一つのテーマであることは、タイトルの時点で言うまでもない。
この本に歌詞やタイトルを使うためにJASRACに申請をしたとあっては、その曲への愛と、この作品にかける情熱に脱帽すること一入である。

そんな曲のタイトル、およびこの作品のタイトルが刻まれた表紙の写真は、イトウさん史上最高の美しさと言える。

いや、これについては少し嘘をついたかもしれない。

イトウさんの写真集を読めば必ず全ての写真が心に刻まれる。そのどれもが甲乙つけ難く、撮影されたその時点でのイトウさんの最高のお写真であることに間違いは無い。

つまり常に最高の人だ、と僕は思っている。
(オタクフィルターを通して摂取しているので、実際にご本人がどう思われているかはわからないけれど)

僕がファンになってまだ短いけれども、それでも活動を重ねるたびにその容色の端麗さに磨きが掛かっていくように感じている。
常に進化を続ける素晴らしい方だ。
なのでイトウさんの最高の写真はどれか、と聞かれると「この時の最高の写真はこれで、この時はこれで」と結局は全部選ぶことになる。
過去も現在も、そしてきっと未来もイトウさんの作品に見惚れ続けている。
それくらいイトウさんのお写真が大好きだ。

つまりどれか一つをとって「これが最高だ!」と叫ぶには、僕の決断力はまるで足りていないらしい。なんたる優柔不断か。

それでも今回は『Love me?』という作品の感想であるから、やはり今だけはこれが最高だと言い切ろう。
ソファに斜めにもたれ掛かり、ケーキとフォークを手に微笑む姿は勿論最高だ。
見るものを魅了する笑みをなんと表現するべきか。
活発そうな笑みから感じる生命力は、若草のような瑞々しさと柔らかさを思わせる。
また、少女的なあどけなさが発露していると思いきや、見つめていると大人の女性としての甚深な魅力も見えてくる。
一つの写真から様々な輝きが見える。
さながら万華鏡のようだ。
見るたびに違う美しさが見えるのだから、きっとこの写真に飽きる日が来ることはない。
そして本を開くたびに、この本に込められた4色の絵の具に日々を彩られて、安寧と充足を再認識するのだ。


ついでに表紙に対する感想に一つ付け加えるなら、表紙の写真は製本の都合上、被写体の写っていない部分が裏表紙に回ってしまうんだけれど、電子版ではその最高の写真の全景が1ページで見られる。これはとても嬉しいことだ。



話を進めよう。
歌詞を使うために許諾を得たのだから、勿論作中の各所にそれらが散りばめられている。
表紙を捲った1ページ目もそうだ。
どれもこれも、切り抜く部分の選択が上手い。
各章から一枚ずつ選ばれ切り抜かれた写真達は、あえて被写体の顔を映さないことにより、読者がそれぞれの写真の全景を見られるのはどの部分か、という探究心を煽りつつも、フェティシズムにも似た誘因性を作り出している。
もっと知りたい、もっと見てみたい。
そんな衝動に駆られて読み進めることになり、あっという間に終わってしまえばもう次の写真集が待ち遠しい。
毎度繰り返す流れではあるけれど、この1ページがあるからこそ、この写真集ではその思いが顕著だ。

このデザインはおそらくウトラさんの手による物だろう。
間違いなく、写真を有効かつ最大限にアピールする手法の一つであると言える。
その上で写真に添えられた歌詞の選び方は、それらが組み合わさって出来る多層的な美しさにミステリアスと言う名の花を添える。

続くページでは歌詞だけ、というのも重要だ。
あえてその言葉にフォーカスすることで、元となった曲と、この作品が持つ方向性を示しつつ、見るものにその意味を想像する余地を与えてくれる。
このように「卓越した才能」という言葉の好例を最初に見せつけられるのだから、否が応でも期待は最高潮なのである。

では順番通りに感想を述べいこうと思う。
なお、あくまで怪文書なので随所に気持ち悪い独創的な部分が多々あるけれど、どうかご容赦いただきたい。
あと深刻な語彙力・表現力不足もね……

「-Love "Black"-」

僕は、"セクシー"という言葉には2種類の意味があると思っている。
ひとつ目は、大半の人間が真っ先に思い浮かべる「性的な」という意味合いだ。
だがこの作品に対してこちらの意味で使うことは無い。

もう一つは、大人の女性としてのかっこよさだ。
容姿や衣装のスタイリッシュさ、洗練された構図やポーズ、そして男女を問わずその目を惹きつけるカリスマ性。

"Black"では、後者の意味でのそれが溢れている。

章の始まりを飾る一枚は、それを如実に表している。
リップグロスを塗る姿、「もっと本気は違うでしょ?」という歌詞の引用、モノトーンで整えられた色調、それら全てが合わさった魅力はストレートなまでに見る者の感性を刺激する。
手の角度や指の閉じ具合もそうであるし、指先とグロスの先端が視線を誘導する先では、形の良い唇が心を奪う。
緩くウェーブした髪は、流れるようにその繊細さを表す。
こういった仕草のひとつひとつや装いの選び方、小道具の扱いなどで表される、上述のような"綺麗なセクシーさ"が、僕がイトウさんの写真に惹かれる理由の一つでもある。

では続くページの中身はどうか。
この章では鏡が象徴的だ。
通常、写真では一つの角度からしか被写体を見ることができないが、"Black"では数枚の写真に鏡を利用することで二つの姿を一枚に収めている。

ある写真では背後から撮られていながらも、鏡の中からこちらに笑みと眼差しを向けている。
背中越しにその美しさに見惚れていたら、実は全て見透かされていた……なんて妄想にドキリとしてしまう。

またある一枚では、こちらに振り返るその奥で、決して目が合うことのない横顔が映し出される。
「重なる視線と裏腹に、鏡の中の君は瞳を逸らす。どちらが君の本心なのだろうか。」
なんて文章が浮かぶくらいには、鏡はエモーショナルな舞台装置としてその本領を発揮している。
あいどろっぷす氏の画角選びなどの妙技に思わず唸る。

これも鏡の魔法なのだろうか。
意図してかせずか、実像とは正反対の印象を持つ虚像が見る者を惑わせる。
清艶として温容な美貌を持った女性が放つ魅力というものは、得てして惹きつけられた者を捕える蜘蛛の巣のようだ。
いつの間にやら絡め取られ、気づいた時にはもう抜け出せない。
そんなこんなで僕もすっかりファンの一員になってしまったというワケです。
楽しいよ!

ていうかイトウさんの写真集、一枚一枚に妄s……想像の余地が多大にあって良いんですよね。深みがある。

そして後半部分ではさらなる魔法が読者に掛かる。
黒い猫耳を着け、片手で猫を表すようなポーズを見せつけられるのだ。
ネコチャンカワイイ……イトウチャンカワイイ……
カワイイが飽和して思考停止しちゃいそう……
いや、してたわ。

まるで黒猫そのものだ。
揶揄うように誘いながら、近づけばするりと手元をすり抜けていくイタズラな黒猫だ。
でも男子諸君はこう言うのお好きでしょう?女子はわからないけど、きっと同じに違いない。
じゃあみんな大好きなシチュだ!
つまり最高!ジャンルは「全人類向け」がいいんじゃないかな。

「-Love- "Blue"-」

「-Love- "Blue"-」は鮮やかな水色だ。
白いレース生地の飾りと、各所に飾り付けられた青いリボンが清廉な印象を与える。
ご本人が花嫁をモチーフの一つに挙げられているのも頷ける。
サムシングブルーと言うと、たしか花嫁の幸福を願ってのものだったか。
僕は常にイトウさんの幸福を願っているけれども、この章でその想いがさらに強まった気がする。
こんな素敵な人だもの、幸せになって欲しい。
周りの人達も巻き込んで、みんなハッピーな日々であってくれたら、こんなに素晴らしいことは無い。


話の脱線がひどくなる前に本筋に戻そう。

「-Love "Blue"-」におけるイトウさんは、淡く純な彩りで微笑みかける姿が本当に綺麗だ。
さながらネモフィラの花のようだ。花言葉の「可憐」を体現したその姿には穏やかだけれど、すこし身が引き締まるような想いが芽生える。

お姫様っぽさがあるからかなぁ。
テーマ毎にセットもそれぞれ違うというこだわり様がすごいんだけれども、"Blue"ではそれがロココ調っぽい調度品になっているから少し高貴さがある。

思わずだらしなくニヤけてしまいそうな口元をどうにか堪えた。
写真相手なのはわかっていても、なんとなく。
少しだけ格好を付けたくて。

ところで最後のページのご本人のお言葉曰く、裏テーマは『あなたのもの』。
これを読んだ時、「仮に沸くとしたら独占欲じゃなくて庇護欲かもしれないなぁ」なんて思ったんだけれども、よくよく考えたらどちらも大差ないんですよね……
慈愛の皮を被っているか否かの違いしかないんだもの。
つまり『あなたのもの』という裏テーマを組み込んだイトウさんの術中に、物の見事に嵌っていたわけです。

『いいよね拘束』
マジで良いです。最高です。いいですとも!
しかもそれを象徴するのがリボンであることがとても良い。言葉の持つ印象と、実際に使われるもののギャップは詩的ですらある。
倒錯的な印象を持つ「拘束」という言葉と、リボンのもつ柔らかな雰囲気。
それが光と影のようにお互いを浸蝕し合い、「拘束」の一語が持つ倒錯性をより際立たせる。
間違いなくキレッキレのセンスですよ。

やはり、からかい上手のイトウさんでしたか……

椅子に座ってるショットではご自分の足をリボンで結んでいて、「このシーンってそういう意味だったの?!」なんて驚愕したんだけれど、その次のお写真では椅子の脚と、前のシーンで結んだリボンが繋がっているのに気付いて二度オドロキ。

もう何度も読んでいるけれど、読み返すたびにこんな風に発見があるので、もしかしたら見ていない間に新しい要素がいつのまにか増えているのかもしれない(怪奇現象か)
でも各章ラストの一枚にそれぞれ「L」「O」「V」「E」の文字が入っているのに気づいた時はマジで感動しました。もしやこの為の4部構成?

そんなふうに読むたびに楽しい気持ちになれるから、何度も何度も読み返すうちに紙に反りが出てきてしまった。
まあこれも大事な思い出を積み重ねてきたことの証拠だ、なんて割と気に入ってもいる。
それに保存用と観賞用、ついでに保管用とその予備もあることだし。


そういえば、昔のヒット曲に『恋はみずいろ』なんてあったっけ。
ヴィッキー・レアンドロスが歌ったフランス語の歌唱曲。
あの曲の和訳の通りの感覚だ。
「あなたがいれば、私の人生は甘いのです」
"Blue"が終わり次の章へと移るときに、なんとなくその言葉が腑に落ちた気がする。


「-Love-"Pink"-」

「ラブリーだ」
"Pink"を開いた瞬間の第一印象はそれだった。
ちょっと、いやかなり駄洒落だなとかぶりを振りつつ改めてページを見てみた。
キャンディに軽く唇をつける仕草や、パステルピンクの髪色がポップでキュートだ。
CMで見るルージュのようなポップ感とオシャレさ。
その上、ボア生地の上着を背中まで下ろした緩さが愛らしいとくれば冒頭の感想も当然である。
それだけじゃなく、後半ではネコミミにおさげ髪というロリータ風な姿も披露しているとくればもう超絶豪華。
テディベアを抱きしめてるのも可愛すぎますよ!


ていうか才能の!!幅が!!広い!!

"Black"では大人のお姉さんとして我々ファンを軒並みメロメロにしてのけたと思いきや、今度はロリータ風でキュンキュンさせてくるんですよ。
なんでもできるじゃん……
どっちも猫ちゃんのポーズしてるけど対照的な印象があるのが楽しいし無敵か???

しかも周囲を囲む小道具もそれに合ってるんですよ。
クリスマスのようなテーマのものがチョイスされていて、それが冬にしか感じられない暖かさを思わせるんです。
冬なのに暖かいとは此れ如何に?と思われるかもしれないけれど、どうか一笑に付さずに思い浮かべて欲しい。

クリスマスが近づく冬の日の、暖房器具で温められた室温。
身を包む厚手で柔らかな裏地のパジャマ。
外の寒さとは隔絶された寛げる時間。
そして祝祭が近づくに連れて徐々に高まっていく高揚感。

そんなイメージから感じる温もりに類似した、綿のようにふんわりとした暖かな雰囲気に包まれている。
それが洗練された被写体であるイトウさんにとても良くマッチしているのです。
"Pink"はすべてが綺麗に整えられていながらとても優しい。

ちなみに全身が写ってる写真を見て気づいたんですけど、ピンクのペディキュアをされてるんですよね。
「神は細部に宿る」とは誰が言ったか。
こういった細かなこだわりが、素敵な作品を作り上げる秘訣なのかもしれない。

あと、他のカラーではヒールだったりハイソックスを履いていたりするけど、"Pink"は唯一綺麗な御御足がそのままで見られる章なのです。これとっても重要。

しかし「オタクに優しいギャル」かぁ。完全同意。
『着せ恋』の海夢ちゃんと重なるところがあるかもしれない。
イトウさん、ギャル系衣装もとってもお似合いだもんね。
ていうかイトウさんの海夢ちゃんコス可愛すぎますよ。再現度1億%ですよ。
その再現度の中にイトウさんの独自性をしっかりと感じるんだから、コスプレで何かを表現するということの中では、少なくとも僕の知る内では一番上手い方だと思う。閨秀という言葉の代名詞みたいな人だなぁ。

最後のページは特筆すべき一枚。
ブラウン管テレビの画面に映されたキラキラな笑顔と、フレームで囲われた横顔が同時に写っている構図は芸術性の塊。

イトウさんの笑顔も横顔も大好きマンとしては、高まりのジェット噴射で天高く飛び上がるのみなんですよ、この構図。
マッハ10の壁も越えられそうな気分。ジェット気流に御用心!

トップガン マーヴェリック、最高でしたね。

あれ、なんの話だっけ


「-Love "Red"-」

名残惜しくも最後の色。
ゲーミングPCみたいに1680万色くらいあってもいいと思うんですよ(強欲)

それはさておき"Red"はいいぞ。とてもいい。
白い衣装に赤のリボン、黒髪ローポニーテールという王道かつ正統派なんだから欠点なんかあるわけない。
髪を留めるシュシュが暗めの赤なのもいいアクセント。
苺にそっと口付けしたり、ショートケーキを口元に寄せるショットなんかハートが震えまくり。
真っ赤に染まったハートが燃え尽きそうなくらいに熱を上げる。
女の子が楽しそうに食べてる姿っていいよね。すっごく癒される。
なので4つの色の中からお気に入りを選ぶとすれば、断腸の思いで選ぶのがこの"Red"だ。
だって他の3つも大好きなんだもん……

"Red"は全体的にスイーツ的な甘さがモチーフなのか、それに沿った画面作りが多い。
衣装の商品名が『ホイップクリームランジェリー』だもんね。
ソファの上で嬉しそうな笑顔を浮かべてる写真なんかは、見てる側はそれ以上に笑顔になっちゃうくらい可愛くて仕方がないんだけど、大きなクマのぬいぐるみに背中を預けてるのもトキメキ急上昇かってくらいに可愛い。僕はメルヘンチックな演出をされた乙女に弱い。

て言うかクマめ……間違いなく人生(クマ生?)最高の瞬間じゃねーかよそれ……

クマへの嫉妬は捨て置くとして、胸元にチョコペンで書いた「Love me?」の文字は大人っぽさマシマシ魅力マシで反則級の表現。
この美貌、レッドカードですよ。"Red"だけに。
ちょっとイジワルなくらいに魅惑的。
両腕でご自身をそっと抱き締めるような仕草や口元に指を添える仕草を見てるうちに、なぜか照れ屋な自分が顔を出したせいで、思わず自分の顔を覆いながらジタバタしてしまった。
かぁ〜〜〜っ!甘酸っぺぇなぁ〜〜〜っ!

しかもイトウさんのウィンクも大好物なので、写真集の終盤でしっかりトドメを刺してくれましたね。
トドメを刺してくれてありがとうございます!ちゃんと成仏しますね!

"Red"、なんと甘美な章だろう。
あまりの甘さに骨まで溶けてしまいそうだ。
そんな中でもイチゴのような仄かな甘酸っぱさがあり、読む側に適度な刺激を与えてくれる。
ホイップクリームの白、イチゴの赤、そして文字や背景に使われたチョコレート。
まるでパフェのように絢爛な味わいだ……なんて思っていたら、最後の一枚の背景にイチゴパフェが写っていたので驚きのあまりひっくり返りました。
あれ、これってサンデーとパフェどっちだっけ。




そして全体としてのラストのページでは、それぞれの色のランジェリーを着たイトウさんがお皿の上に乗った姿で並んでるんですけど、こんなの選べるわけないですよねぇ!
という訳でちょっと4人に分裂するので待っててください。
まかせて。プラナリアごっこは得意なんです(4つにちぎれる音)

推しの数にあわせて分裂するのはオタクとしての必須技能なので、僕の分裂について語る必要はありませんね。
ですがこの写真集は本当にすごいですよ。
色とりどりのイトウさんがこの一冊に纏まっているので、一度読んだらもうノリノリ。
喜びのあまりダンスしちゃうこと間違いなし!
実際、僕は初めて読んだ時に喜びで踊り狂っていたので、これは非常に信頼性のある情報です。


黒、青、桃、赤、そして衣装のベース色の白。
作中で使われた色が協調し合いながら、それぞれの独自の美しさを発揮している姿は螺鈿細工を思わせる芸術的体験なので、もし偶然この文章を読んでまだ買っていない人がいれば是非お手元へ。

急がなきゃこの『Love me?』怪人が全部買い占めて、電子版以外で買えなくしちゃうからね!!

という訳で今回の文章の書き上げ記念でもう一冊買っちゃおう。
あ、ポチッとな。



イトウさんへ

驚くべきことに僕がイトウさんのファンになって既に半年が経とうとしている。
本当に楽しい半年間だった。
貴女がコスプレイヤーとして活動されている軌跡を一人のファンとして追いかけていく道のりは、期待と驚き、そして喜びに満ちたものだった。
当然、写真集についてもそう。
新しい写真集を手に取るたびに、発表から抱き続けた期待を軽やかに飛び越えてしまわれるので、次の写真集が今から楽しみで仕方がない。
もちろん日々のお写真もだ。

もう半年、しかしたったの半年。
まだまだこれからもファンとして応援していく所存なので、甚だ迷惑なファンではあるけれど、ひとつ温かい目で見逃していただければ幸甚の至りである。

余談だけれど、青いネモフィラのもう一つの花言葉は「どこでも成功」だそうだ。
これはネモフィラの生命力の強さから、どのような環境でも必ず花を咲かせる、という事に起因しているらしい。
なので今回はあえて比喩表現の一つとしてこれを取り入れた。
「イトウさんは多趣味な方である」という認識であるので、どのような場所に行かれて、どのような事をしてもきっと何でも上手くいって、そして貴女が何事も楽しめるように、という願いを込めて。
ついでに、ここ最近は体調を崩されがちなので、そのような病や体調不良が全て消え去ることを祈って。


ちょっと意味を込めすぎたかもしれないけれど、毎回文章を書くたびに述べているように、イトウさんの幸せが僕の望みの全てである。
他のファンの人たちもきっと同じ気持ちだと信じたい。
貴女が喜べば共に喜び、貴女が悲しめば共に涙を流す。そんな風変わりな連中が山のようにいるので、その事がこれから色々なことを乗り越える時の支えの一つにでもなれたならば、応援する側としては大成功だ。



数多のファンの一人として、貴女に変わらぬ愛を。

不悉


荒斑泥

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