写真集『Mum』の感想

先日終わったばかりのコミックマーケット、現地に赴いて直接買って参りました!

実際にイトウさんにお会いできることに緊張するあまり、並んでる時から、財布からお札を出す時、ご本人の目の前に立つ時とずっと手がプルプルしてましたね……わしゃチワワか!

しかしイトウさん(実物)、本当に可愛かった……
可愛すぎてキョドってしまって「いつもお写真楽しみにしてます!アッ、毎日のお写真が楽しみです!」的なことを言ってそそくさと立ち去ってしまいましたもん。
完全に不審者になってしまった……

それはさておき、写真集『Mum』。
イトウさんの1年間のクリークコスをギュッと濃縮して、ついでにご本人の込められた思いを文字という形で摂取できるという、イトウさんのファンなら過剰摂取でもれなく墓場行きレベルの最高の一冊。もちろん僕も死んでます。
あまりに最高なので、亡霊としてお祓いされる前に怪文書を書いていこうね。だれが特級呪霊じゃい。

と、その前に、今回も撮影をされたあいどろっぷす氏に感謝の念をお伝えしたい。
この本はイトウさんの1年の軌跡であると共に、あいどろっぷす氏の1年の功績でもある。
1年というものはとても早い。あっという間に過ぎ去ってしまい、一度手元を過ぎれば2度と捕まえられない放たれた矢だ。
その一年を一枚一枚切り取って、思い出という形で手元に残しておけるのが写真。
当たり前のことで忘れがちだけれど、これはとても素晴らしいことだ。
今回もハッとさせられるような美しい構図から、見惚れてしまうような麗しい構図まで、今回も氏のセンスと芸術性を垣間見ることができる。
偉大な写真家にして芸術家、あいどろっぷす氏に、この場で心からの感謝を。


では本文。


今回も表紙から心がときめく一冊だ。
写真集の告知の時点から「これは今回も最高の一冊になりそうだぞ」という確信を持ち、ついに手元に置くことができた一冊。
腰掛けた姿で、日差しの中に柔和な笑みを浮かべている表紙は何度見ても飽きない。
施されたラミネート加工が負けるほどに、美しい輝きを放っているように感じた。

推しが今日も尊い!いや、いつも尊い!
24時間365日、常に素敵です!

この時点で顔の良さに圧倒されながらページを捲ると「うふふっ、スーパークリークですよ〜」の文字と共に目に飛び込んでくる私服衣装のクリーク。
たおやかな姿、背中から前へと流れる三つ編み、柔らかな表情。
舞台セットが白を基調としていることもあり、無垢な少女そのものの印象を与えてくれる。
1ページ目からクリークらしさを十全に表現していて、この本がイトウさんのクリークへの愛を込めて作り上げたラブレターのようにも感じる。

そして『Make debut』の歌詞冒頭である「響け ファンファーレ」。
ウマ娘を題材とした本の始まりとして、これ以上にない言葉選びだ。
アニメ1期のオープニングを飾ったこの曲と共に、ここからイトウさんの1年間の努力と、クリークに送り続けた愛の実像を辿る旅が始まるのだ。

その後もクリークの台詞と共に映し出されていく物語。台詞と場面の一致はなんの違和感もなくするりと心の中に収まり、それが当然であるかのようにその美しさを如何なく見せつけてくれる。
ああ、愛だ。これが、これこそがイトウさんの表現する愛。愛そのものなのだ。
何度感じたかわからない感想を胸に抱きながら夢中で読み進めた。

ひとりの人間にこれほどの感情を抱かせるスーパークリーク、そして全力でその感情を表現するイトウさん。イトウさんが常に眩しいまでに輝いて見えるのは、きっとそのせいだ。
愛のために全力を尽くす人は眩く、美しい。


ところでStarting Futureのお写真の後に着替え風のシーンを挟まれるとですね、突然のことに驚いて心臓飛び出ちゃうんですよ。
こんな美人さんが肩周りと胸元を大きく見せてたら心臓に悪い!肌が白くて綺麗!いよっ、美女界の日本総大将!
今ごろ飛び出してった僕の心臓は第一宇宙速度を突破して、地球の外周軌道上を回ってます。スペースデブリってやつですね。

心臓のことはさておき夏制服だ。
クリークは「母性」という側面に注目されがちなきらいがあるが、やはり年頃の少女である。
制服という衣装は、それを我々に思い出させてくれる重要な要素だ。
ベンチに腰掛ける姿や、ファミレス風のテーブルでパフェを前に微笑む姿、さらにエプロンをつけて調理をしている姿は、彼女がトレセン学園の生徒であり、喜びや悲しみに全力でぶつかっていく多感な年頃であることを教えてくれる。
エプロンが調理実習を想起させるデザインなのも大きい。クリークと過ごす学生生活の幻影が、白昼夢のように目の前に広がっていくように感じる。

クリークと調理実習してキャッキャと騒ぎながら、共同作業してえ……
一緒に作ったお料理を食べながら笑顔で「美味しいね」って言いてえ……

学生という観点からすると、体操服も大事。
体を伸ばすしぐさや、両手を構えて元気さをアピールする姿にはこちらもつられて笑顔になってしまう。
あと黒ニーソがとてもフェチくて最高です!(健康的な姿がさわやかですね!)

……あっ、本音と建前が逆か。

次のページでは私服のクリーク、略して「しふクリーク」。違うか。
実を言うと、僕が今回の本で一番好きなのはこの部分だ。壁に手を当ててアンニュイな表情を浮かべていたり、口元に人差し指を当ててこちらを見る仕草などに大きく心を揺らされてしまった。
レンガの壁が背景であることも相まって、片思いをしている相手の儚げな姿を見てしまったような胸の高鳴りを感じた。
人工芝の上に腰掛ける姿、勿論これも素敵だ。
やっぱりウマ娘といったら芝の上にもいなくっちゃね!
ベッドの上に横たわる一枚も、どこか遠くを見つめる横顔も、どれをとっても美しい。

そこからさらにジャージ、水着と続く。
砂浜を走り、波打ち際に戯れる姿には、こちらにも童心を思い出させてくれつつ、どこか見守ってしまうような不思議な感覚をくれた。
ご本人が水遊びが好きと仰っていたこともあり、本当に楽しそうな笑顔には、海辺の日差しと相まって思わず目を細めてしまう。

「来年の夏も、また一緒に来ましょうね」という台詞が深く沁み入る。
夏というのは不思議な季節だ。
これほど活気に満ちているのに、ノスタルジーにも似たどこか寂しい気持ちが時折顔を見せる。
そして過ぎ去るたびに、また次の夏を待ち侘びてしまう。あの幻想的な、切ない季節を。
海辺でのカットは、そんな気持ちを再確認させてくれた。

次のページでは勝負服のカット。
ウワッ!顔が良い!可愛いのにカッコいい!
それまで柔らかな表情が多かった流れから一転、勝負に挑む本気の顔に圧倒されてしまう。
白黒の写真と共に記された、実馬のスーパークリークの戦績は、見る者に一頭の馬が残した生涯の重みと、畏敬の念を抱かせる。イトウさんの駆け抜けるようなポーズがさらにそれを後押しする。
こういった転調で見るものを飽きさせない、素晴らしい構成だ。

そして季節は移り秋へ。
マミー衣装では洋館風の舞台がハロウィンらしさを演出している。腰元の花飾りやリボンに、イトウさんの衣装へのこだわりを感じる。
対照的に白い背景の写真があるのも視覚に嬉しい。
洋館から一転、明るいセットには瀟洒な趣さえ見出してしまう。

そしてここで初登場のウトラさん!
ダブル美女!嬉しくないワケがないでしょ!
きっとファン諸兄も同じ気持ちだと思う。当然ですよね!
二つの輝きが一枚に収められたこの一枚には「この輝きで目が潰れても構わない」とまで思わされてしまう美しさがある。

ていうかタマちゃんとクリークで衣装がお揃いなのメッチャいいですよね。
サポカで登場したときに「マミー風とかクリークとお揃いじゃん!」と謎の喜び方をしていたのが懐かしい。
その上、日頃Twitterでも仲の良さそうなお姿を見られるお二人だ。まさしくベストマッチ、この組み合わせがパーフェクト!

その後に続く冬制服では、夏を過ぎて一歩成長したクリークの姿が見られる。
ゲームでも「大輪の輝き」獲得は菊花賞の後だったっけ。急に大人びてきた姿、同級生だったらビックリするんだろうなぁ。
同じ歳で、同じ学び舎で過ごしてきた彼女が急に大人びて見えた時、僕は一体どんな気持ちを抱くのだろうか、なんて妄想をしてしまう。
赤や黄色に色づいた落葉の中、コートを羽織り、木に背中を預けるクリークの写真を見た瞬間に、ふわりと秋の香りが漂ったような気がした。

そして冬制服が出たということは、もちろん冬の写真もある。
雪で戯れる姿が本当に愛らしい。
一面の銀世界に目を細め、寒さに耐えながら担当ウマ娘と二人で笑いながら駆け回る。
冬の楽しさをたった3枚の写真で教えてくれる。

ここまでの写真では、四季の美しさと共に、トレーナーとしてクリークと過ごす1年間の淡い幻が見るものの心を捉え、優しく包んでくれた。
俺はトレーナーさんだ……!誰がなんと言おうとトレーナーさんなんだ……!(錯乱)

しかしまだまだハーフアニバーサリー衣装と原案衣装がありますとも!

Glorious Azureを身に纏ってたイトウさんのクリークは、ライブシーンはクールに、ショートパンツ姿では活発な姿と、舞台袖での一瞬のようなちょっとしたドキドキ感といったように、一つの衣装で異なる味わいを楽しめる。
それだけじゃない。レトロでポップな背景がこの衣装にここまで似合うとは!
カラフルな小道具達に包まれ、ライトに照らし出されたイトウさんの姿はさながらお菓子箱から飛び出してきたパレードのよう。
目眩く色彩に彩られながら、こちらに手を伸ばす姿に、つい手を取ってしまいそうになる。

さっき私服姿を一番って言ったけど、これも一番かもしれない……
どうしよう……一番がいっぱい……幸せ……


そして最後に残った原案衣装。
ドーナツをかじる姿がかわいい。本当に可愛い。
可愛いの前では完全に無力になってしまう。降参です。
だが可愛いだけじゃない。星空のような柄の床に寝そべる姿には注目すべきだ。
目元が他の写真よりもパッチリとしている事や、閉じられた瞳、ポージング、すべてが相まって神秘性すら感じる。
まるで夜空の輝きそのものを表しているようだ。
手を伸ばせば届きそうなのに、決して届かないほどに遠い。遥か彼方にある永遠の輝きに魅せられてしまった。

で、この後に所謂『童貞を○すセーター』が大活躍するターンがくるんですよ。
序盤で飛び出していった心臓が大慌てで帰ってきました。
原案衣装完全装備で公園を歩くシーンがあってよかった。この癒し能力の高さがなければ心臓止まっちゃうかと思った。
飛んでったり急停止したり忙しい心臓です。

しかし原案衣装ってこんなに可能性が秘められていたんですね。
本家ではもはや見ることが叶わない以上、こうしてイトウさんがさまざまな可能性を見せてくれるというのは本当に素晴らしいこと。
やっぱりすごいや、イトウさんは!

その後のCreek's ClosetやQ&Aコーナーも最高でした!ここについても触れると1万字突破してしまいそうなので泣く泣く割愛しますが、それぞれの衣装に感じたことや、ちょっとした舞台裏、込めた想いをご本人の文章で読めるのは大変貴重。
この部分を読んでからもう一度全体を見直すと、新しい視界が開けてくるので感動もひとしお。ビバ同人文化!



イトウさんの写真集を読むのはいつも楽しい。
一枚一枚の写真はまるでパズルのピースのように目を通して心の中に蓄えられ、ぱちり、ぱちりと合わさっていく。
合わさったかけら達は、やがて"イトウさん"という名の美しい像を心の中に形作っていく
そうして組み上がった肖像は、きっと見た者の心を豊かにし、希望を抱かせこれからの旅路を明るく照らしてくれるのだ。
ああ、我らが女神よ。その美、その微笑み、永遠なれ。


イトウさんへ。

写真に写し出されたあなたの姿を見る度に、僕の心は救われる。
とはいえこれは僕が勝手に救われた気になっているだけなので、この言葉は気にせず笑って流して欲しい……なんて言ったら正直自意識過剰だろう。
ただ、本当に感謝していると言うことは伝えたい。「ありがとう」という言葉だけでは表現しきれないほどの感謝の想いが僕の胸の内には詰まっている。

こうして文章を書くことの喜びも見出せたのもその一つだ。
千の言葉を尽くしても、あなたの美しさを表すにはあまりに足りない。万の言葉を書き連ねても、あなたという人が存在することの素晴らしさを讃えるのに充分ではない。
それでも、僕が感じたこの感動をできるだけ正直に、まっすぐに伝え、讃えることができたらと思う。

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