
【大学受験常識その4】受験方式について④~自己推薦入試編~
自己推薦入試
自己推薦入試は、他の入試形態(総合型選抜や公募推薦など)と比べても知名度はあまり高くないのではないでしょうか。それもそのはずで、自己推薦入試を導入している大学・学部はあまり多くありません。例えばMARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)の中では、
・明治大学→文学部/国際日本学部/総合数理学部
・青山学院大学→文学部/地球社会共生学部/コミュニティ人間科学部
・立教大学→ほぼすべての学部※1
・中央大学→文学部/国際経営学部/理工学部
・法政大学→文学部/法学部/国際文化学部/人間環境学部/キャリアデザイン学部/グローバル教養学部/スポーツ健康学部/現代福祉学部/(文学部/経済学部/人間環境学部/キャリアデザイン学部)※2
※1・・・立教大学は、総合型・公募推薦の代替として、形式上自己推薦型の選抜である「自由選抜入試」を実施しているが、その選考内容としては総合型選抜の要素を含む
※2・・・()内は国際バカロレアを必要とする自己推薦入試を実施している学部(重複あり)
と、受験できる学部が限られています。そのため、総合型選抜や公募推薦などと比べると入試の規模は小さいです。
しかし学校長からの推薦が不要など、他の年内入試と比べたメリットもあるので、ぜひ自己推薦入試について十分理解して、選択肢の一つに入れておきましょう。

自己推薦入試は推薦が必要ですが、学校からの推薦は不要で、自分で自分を推薦する入試方式になります。
概要

自己推薦入試は、主に高校での実績が重視される入試形態です。学校長からの推薦は不要ですが、一定以上の成績を求められることもあります。また、他の推薦入試同様に年内入試であり、かつ学校推薦型選抜と異なり併願が可能なことが多いので、早めに合格を確保しつつ受験機会を増やすことができます。
総合型選抜との違い
自己推薦入試と総合型選抜の違いは、重視する素質にあります。総合型選抜が、主に学修に対する意欲や将来に対するビジョンを評価するのに対し、自己推薦入試では、高校までに何をしてきたかという実績を評価します。つまり、自己推薦入試は受験生の過去を見る入試、総合型選抜は受験生の未来を見る入試と言えます。
また、自己推薦入試では主に「自己推薦書(自己PR書)」と「面接」で合否が決まることが多いですが、総合型選抜では実技や模擬授業等を課す場合もあるという違いもあります。
公募推薦との違い
自己推薦入試と公募推薦の違いは、ズバリ誰が自分を推薦するかです。公募推薦では学校長が自分を推薦しますが、自己推薦入試では自分で自分を推薦します。
それによって実質的に何が異なるのかと言えば、併願可能な場合の割合に違いが生まれます。公募推薦では、学校の名の下で生徒が推薦されるので、入学辞退などということがあれば学校自体の信用問題に繋がります。そのため、多くの公募推薦は専願型になっています。一方で自己推薦型選抜は自分が通っている学校に関係なく、自身が勝手に自身を推薦するだけなので、合格辞退をしても学校側になんら影響はありません。そのため、学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)と比べると、圧倒的に併願可能な場合が多いです。

自己推薦入試のメリット
年内に合格が分かる場合が多く、かつ併願可能な場合が多いので、受験機会を増やすことができる上に、精神的な負担を減らすことができる。
高校での活動実績を満遍なく活かすことができる。
自己推薦入試は飛び抜けた実績が要求され、推薦入試ではあるものの他の大学との併願が可能である場合が多い特殊な入試です。そのため、学校外で優れた実績を持っている人は、この自己推薦入試を利用することで受験を有利に進めることができる可能性があります。
自己推薦入試のデメリット
自己推薦理由として、学校型選抜以上で求められる以上の実績(全国規模の大会での活躍等)が求められる。
実施している学部があまり多くない
学校が責任を持って自身を推薦してくれる学校推薦型選抜と異なり、自己推薦入試は自身が自身を推薦するために、客観的に見て自身が優れた人物であることを証明できるレベルの実績、具体的には都道府県レベルや全国レベルの大会での実績が要求されます。
また、概要でもお伝えした通り、自己推薦入試を実施している学部はあまり多くありません。そのため、自分が進学したいと考えている大学・学部が自己推薦入試を実施しているかを早めによく調べておく必要があります。
自己推薦入試のまとめ
自己推薦入試は、学校の評定や、高校での実績が要求される入試方式です。
そのため、
学術オリンピックやコンクール、その他大会等で高い実績を持っている
といった人は自己推薦入試に向いていると言えます。
一方で自己推薦入試は、学校が責任を持って本人の能力を保証してくれる学校推薦型選抜とは異なり、自身で自身の能力を示さなければいけないので、客観的に自分が優れた人物であることを証明するに足る飛び抜けた実績と、それを相手に伝える自己PR力が要求されます。
しかし自己推薦入試は、併願可能である場合が多いために受験機会を増やすことができ、何より自分の長所を活かすことができる入試方式です。そのため、何か飛び抜けた実績を持っている人は、積極的に自己推薦入試の利用を検討し、受験を有利に進めていきましょう。