after門・喫茶環境を考察する【ビルディバイド】
■はじめに-2度目のレギュレーション改定(緊急)
その改定の是非は散々論じられてきたし、1プレイヤーとして思うことがない、と言えば嘘になるが、それを語るにはあまりにも旬が過ぎてしまっているし、そんなお気持ち表明にそもそも需要がないため、ここでは割愛する。
「門」によって存在を否定されていた「10点を削り切るデッキ」は再度息を吹き返し、そして門環境にあってもなお殴り切れていた過剰打点デッキ群は、より殴り切ることが容易な環境となったといえる。
「喫茶」のユナ・ライゾームによるデコイでの蓋・除去構えというビートダウン泣かせの戦法も環境から消えるため、ビートダウン環境の到来を予期させる改定のように見える。
…ん?
そもそもこのゲーム、原則殴るしかないから全デッキビートダウンなのでは???
■ビルディバイドのアーキタイプについて
でもこのゲーム、なんとなくテリトリー間の対面相性みたいなものがありますよね。
じゃあそれが何によって規定されているか、個別具体論でなく抽象化・一般化したくなりませんか?僕はなります。もぎせんサーバーの皆さんの知恵も借りつつ、下記表にまとめてみました。ご査収ください。
では、速度とサイズの2指標に基づいて現環境有力アーキタイプを列挙していきましょう。
■はやい
①ヴァラン‐転生の柩
アグロデッキ筆頭でありつつ、テリトリー効果によりデッキトップを手札のように扱えるため、継続的なビートダウンが可能なアーキタイプである。
最新弾では2種類目のヴァランとアスファを獲得し、「観測者」解放がなくなり、かつ1コストユニット8枚体制で序盤からの多面展開再現性が高まっている。
アスファは次ターン中の相手のカードのプレイを咎めることができ、禁断のショット封殺をプレイアブルな水準で達成してしまった。
反面、バスター枠にアスファを採用すると従来の型と比較しスタッツが貧弱になる傾向があり、4500ラインのブロッカーを並べられると途端に速度が鈍化するという傾向がある。
また、アスファの効果範囲外である「白い」ショットユニットというギミック単位での天敵が存在する。
4コストテリトリーかつ抜群の再現性を誇るため、現環境はある程度ヴァランを意識した序盤札を採用する構築が求められるかもしれない。
②セシル-轟炎魔人アグニ
4コストテリトリーというテンポの良さ、アグニ自身の自衛能力で場持ちよく、序盤から盤面に圧力をかけつつリソース札を駆使して継続的なビートダウンをとる中速デッキ。
5000以下のエースを効果で処理できる「旧セシル」はアーセナルフォートのレベッカを除去できるほか、「ヴァラン」の有象無象、マルガレータのショットユニットに対しての制圧力を誇る。
特にセシルで生物を踏んでゴーという挙動は、ヴァラン側にとって非常にストレスになるだろう。
アーセナルフォート・ヴァラン・マルガレータに対してある程度の強度を持つということは現環境で非常に立ち位置が良いように見える。
対諸葛亮はテリトリー効果によりアグニが確定で除去されるため、キャピタル・切り札を構えつつクロックパーミッションを敢行したいところ。
「スモーク」を採用し、アグニのブロッカー運用による除去で1ターン捻出できれば、非常に立ち回りやすいかもしれない。
フリースロットはある程度あるため、環境に応じて搭載札を調整できるのもまた強みである。
③諸葛亮‐赤壁の大河
解放ターンから除去+リソース確保+3点+ブロッカー設置という大暴れをする最新テリトリー+エース。
除去(バウンス)は該当生物の数だけ誘発するため、面が残れば残るほど出力が高まる。そして生物はショットからも湧いてくる。
テーマ内にドローソースとブーストがあり、挙動こそ大振りであるが未対策ならばそのまま敗着が見える押しつけデッキである。
ウィークポイントとしては構え挙動に極端に弱く、リソース確保の片翼を担う諸葛亮自身の攻撃を止められると、途端に次弾が続かなくなる点が挙げられる
ヴァランと対策ポイントが若干異なるというのも、現環境でビートダウンデッキを対策するうえで頭を悩ませる要素になっている。
■ミッドレンジ~コントロール
①レベッカ‐地下武装庫アーセナルフォート
このデッキをどこに位置付けるか非常に判断が難しかったが、あえて「コントロール寄りのミッドレンジ」とした。
ヴァランに対しては2ドロー目の2000点、3ドロー目の3000点でそれぞれウィニー除去をすることが見込まれ、かつ殴らずにターンを返すことで盤面除去とブロッカー設置を両立させることが出来る。
従来の評価はアグロ~ミッドレンジ帯のデッキだったが、ヴァラン・諸葛亮・セシル等の台頭による相対速度の低下によりミッドレンジ~コントロールまでレンジが後ろに寄ったともいえる。
泣き所は後述するファッティ系デッキ群「マルガレータ」と「アルタミラ」であり、クオリティの高い生物に対し除去が追い付かないシチュエーションで敗着である。
したがって、ショット枠は甘えずに高火力を選択すべきと考える。
レスト/アクティブ関係なく相手の盤面に干渉でき、かつリソースを抱えつつ詰める準備or除去しながらビートダウンができるという柔軟なデッキであり、対面に応じてビートプラン・コントロールプランを選択できるザ・ミッドレンジデッキであると私は考える。
②アイオラ‐超古代遺物ヴァレリア・キティラ
ここでは除去コントロールを想定する。(最近のショップGPではコンボ系が勝ってましたね!)
「門」環境においてはそのあまりにも細い殴り性能からステージに上がれていなかったアイオラだが、10点削れば勝ちというゲームにおいて息を吹き返したといっても過言ではない。
発掘調査によるドロー付き除去は非常に強度の高い挙動であり、バスターエースであるアイオラはリソース源かつ疑似不死ユニットとして、かつてのイシュタルテのような運用が可能である。
「シュトルムファルケ」は多面除去or中~大型ユニットの処理に用いることができ、現状最も「構え」のクオリティが高いデッキであるといえる。
このカードによって対セシルが非常にeasyになる。
処理しきれない盤面を構築する「マルガレータ」選ばれない「グラナディガ」有する「アルタミラ」が泣き所である。
対ビートダウンは、諸葛亮・セシルに対してはかなりマウントを取れそうだが、ヴァランに対しては採用カードを寄せていく必要がありそうだ。
■ファッティ
①マルガレータ‐爆散の小劇場
現環境最強クラスの盤面展開ヴォルガネード+ネブリナが存在し、そこから繰り出される6打点はゲームを決めるには十分である。
テリトリー効果によるクイックタイミングの3000バフかつマルガレータの再生能力により、この展開をきれいに返すハードルはとても高い。
しかしうかつに殴り、相手のショットコマンドによる除去が絡むと殲滅戦が間に合う可能性があるため、マルガレータ側はショット除去をケアして盤面優位を保つという択も考えられる。
対面時は6コストテリトリーであるため立ち上がりを攻めたいところだが、ショットユニットを踏むとカウンターあるいは解放後の盤面構築を助けてしまう恐れがあるため、明確な裏目が存在する。
とはいえ、6コストかつマルガレータ解放をしなければならないという特性と序盤の防御面をほぼショットユニットに依存しているという点はウィークポイントであるといえる。
正攻法で勝ち目のないアーキタイプである場合は、相手の大事故を狙って早期に殴り勝つ方針を取りたい。案外それで勝ちを拾えたりする。
そこが、マルガレータが勝ちきれない要因であるともいえる。
②アルタミラ‐大空洞の司令塔
門環境においてもその継戦能力の高さ・繰り出される生物のクオリティの高さで一定の存在感を示していた新テリトリー。
解放次ターンからの挙動は強力だが、アルタミラによる解放ターンに盤面干渉がほとんどできないという点に泣き処があるといえる。
また、現環境で唯一「グラナディガ」を使用することのできるデッキであるため、除去コントロール系に対して構えの裏目を突き付けることのできるアーキであるといえる。
ビートダウンデッキ群に対してのガードが緩く、特にヴァランは天敵である。
「諸葛亮」相手の場合もバウンスによってアルタミラ死亡時効果での盾強化を許してもらえず、生えてくる生物によるカウンターパンチも非常にストレスであるため、ビート環境では向かい風か。
■この環境で検討余地のあるカード群
「不意の衝撃」「呪術師の謀略」
ヴァラン各種、セシル、アーセナルフォート(レベッカ)、マルガレータのショットユニットに有効。反面、キティラ・アルタミラ対面では腐るという側面がある。
採用余地があるデッキ:セシル・キティラ・レベッカ
「接続→結晶」
マルガレータの理不尽盤面に対するリセットカード。
手札2枚を使用かつ全体除去条件がレッドゾーンと限定的であるため、ハンドリソースが潤沢なデッキでなければ採用は難しい。
採用余地があるデッキ:セシル・キティラ
「魂の価値」
マルガレータ・不死アイオラに対し有効。しかし単体のカードパワーはお世辞にも高いとは言えない。
個人的には構築をゆがめてまで入れるべきではないと思うが、マルガレータに肉親を〇された人々が入れたくなるのも分かる。
採用余地のあるデッキ:マルガレータ/セシル・キティラ・レベッカ(白入りのため構築は歪む)
「レイホウ・切札」
(ほぼ)確定除去。アルタミラ・マルガレータ・諸葛亮の2打点複数盤面に対して、盾からの除去なしに盤面を返せないであろうデッキ群は積むべきと考える。
もはや、除去ショットを積めない、ショット枠でリソースを稼ぎたいようなアーキは土俵に上がれていない。
採用余地のあるデッキ:セシル・キティラ・レベッカ
■after門・喫茶の環境によせて
マルガレータの理不尽盤面以外は対策次第でどうにかなり、マルガレータは躁鬱で勝ちきれないというバランス感。君たちはどう生きるか
門・喫茶・バルバビロンの陰に隠れていたセカンドシーズン的リソース感を有するデッキ群が群雄割拠する環境において、開発・取引にリソースを依存していたファーストシーズンの各種アーキタイプは非常に立ち位置が悪いように見える。
セカンドシーズンは現環境に鬼滅の刃コラボ・11弾を加えフィナーレを迎える。
大きく環境が変わる可能性こそあるものの、上記アーキタイプの挙動・対面相性・対面相性を覆すカード選択、プレイング方針を磨くことは、決して無駄ではないと私は考える。
今後「もぎチューブ」では、11弾発売までの1か月半をこの環境観測の様子をアップしていく予定である。
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