月で読書
今回ご紹介する図柄は、ウサギさんとかえるさんが二人仲良く肩を並べて三日月の上で読書をしているものです。
ウサギさんは月に暮らしているという噂を時々耳にします。
満月の日などに煌々と夜道を照らすまあるい月をみあげてみたら、たしかにウサギが餅つきをしているように見えることもありますね。
キモノや帯などの図案や図柄などにも、ウサギと月とはよく一緒に描かれてきているようにも思えます。
そんなことから起因して、ウサギさん=つき(運がいい!)と関連付けられたりもするようです。
一方でかえるさんは「カエル」という言葉の響きから、「福帰る」「無事帰る」「お金が帰る」などと関連付けられて、交通安全・金運の象徴とされたり、繁栄や子宝の象徴として好まれてきたモチーフです。
そんなウサギさんとかえるさん。
まるで宇宙に浮かぶ月のブランコに腰掛けて、二人仲良く読書をしている様子からは、なんとものどかなほんわかとした空気感を漂わせています。
けれど、運がついている×金運・子宝・交通安全 がかけあわされている
強力なお守り柄でもありますw
着物や帯の図案は、昔から魔除けや縁起物をあしらったものがおおかったのですが、”お守り”としてのキモノを直接的に肌や身につけたりすることで、様々な厄災から自分の身や大切な人の身を守りたいという願いからそういった風習が生まれたようです。
赤ちゃんの肌着の上部中央あたり(ツボでいうふうもんあたり)におまじないのような刺繡を刺したりする「背守り」なんかも、背後からやってくる魔物ににらみをきかせる”目”の役割を刺繍の柄に担わせたようです。
人として生きる上で『幸せをねがう』という行為は、いつの時代にもあって、生きる時代はちがえども共感をおぼえるものです。
もはや私たちは民族衣装としてのキモノを手放しつつありますが、人として生きていく上での願いや人を想う気持ちなどは変わらずにあって、伝統的な図柄の中にある人々の願いを私たちの今の暮らしに取り入れていくことにはなんの違和感もないように思えます。
もうすぐ宇宙旅行なんかの旅にでることもかなう時代がくるでしょう。
ちょっと先駆けて宇宙旅行でて、ウサギさんに会いにいったかえるさんが二人で仲良く読書している様子のなかに、私たちのささやかな願いが隠されているのです。
フランスからスペインに抜けて進む、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼旅へいつか出たいと思っています。いただいたサポートは旅の足しにさせていただきます。何か響くものがありましたらサポートお願いします♪